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浅野屋丁稚塾 番頭への道
「その73
既製品・イージーオーダーと違うところ」

呉服屋の基本はお客様に反物でお選びいただき、お客様の体型に 合わせて、お仕立をすることです。
即ち、お誂えするということになります。

その為には、お客様の仕立て寸法をキチンとお聞きして仕立て屋さんへの 指示を出すことが必要になります。

ところが、お客様の寸法をお伺いした時に「Mサイズです。」なんて 言われてしまうと、こちらは当惑してしまうことになります。

仕立て寸法というのは、一般の方から見ると非日常的ですからネ。
それも、鯨尺で聞かれようものなら、外国語より難解です。

同情する部分はあるのですが・・・
でも、そこで呉服屋は怯んではいけません。

半端な寸法で仕立てた着物は半端な着物になってしまうからです。
結局、綺麗に着付けることができなかったり、袖を通すことを疎まれる 着物になってしまう終末が待っています。

実店舗なら、その場で採寸したり、見本の着物を試着いただいて見当をつけます。

一般に身丈・裄を重要視しますが、着易さの視点では身巾も重要です。
既製品仕立やイージーオーダーの着物は、この身巾の部分がお召しに なる方の体型を100%反映が出来ない為に、着付けの際に不具合を生むことがあります。

ですから、身長○○cm Mサイズみたいな指示ではキチンとした仕立てが出来ません。

お客様に尋ねても、「よく分からない・・・」と返事が返ってくるだけ。
そんな時にはどうしますか?

お客様のお手持ちの着物をお預かりして、お店て採寸するようにしましょう。
それも、ここ3年以内に誂えられた一番着易い着物を・・・

採寸したデータと身長・3サイズなどに照らし合わせ適正な寸法を決めていきます。

お預かりした着物が、時間の経過で多少縮んでいることもあります。
袖丈を幾つものパターンで作られている場合もあります。

ただ、一番ベストな寸法を決める基準になることは確かです。
その他の情報は、あくまでも補助的なものとして捉えて下さい。
手間と知識の必要な作業になります。正直面倒です。

でも、呉服屋は怯んではいけません。
お買上いただいた着物を末永くご愛用いただけるようにする為に・・・


頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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