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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その67 腹の探り合い」

お太鼓の帯の場合の腹といわれる結んだ時に前にくる柄のお話です。


今回の新着の名古屋帯のページをご覧頂くと、お太鼓柄の帯に関しては 腹の部分の画像もアップしてあります。


よ〜っく 見てくださいね

例えばこれ 画像 その1

テディベアがそれぞれ反対方向に向いて2匹いるでしょ。
この部分が名古屋帯の場合は半分に折られて仕立て上げられ 結んだ時に前に来る柄になります。

それではこれ 画像 その2は?

これも帯の同じ部分の柄になるのですが、画像の上下で柄が違うでしょ!

仕立てあがった腹の部分で表裏で違う柄が出ることになります。

これは、帯結びの際に手先を左右どちらからお太鼓に納めるのか すなわちどちら向きに身体に巻くのかによって前に来る柄が変わってくる 柄付けになっていると言うことなんです。

業界では関東腹・関西腹と読んでいます。

腹の部分を着手から見て右から左へ巻く〔向かって左から右へ〕のが 関東腹 その逆が関西腹となります。

画像2の場合
手先を上にして向かって左にある角倉金襴の兎の文様が表に出るのが 関西腹、逆に右の唐花が出て来るのが関東腹になります。

これは、帯を巻く向きがポイントなのですが、それは最初に帯の結び方を 習った時の向きとか、慣れなどにより着手によって決まっていることが多いようです。

お太鼓柄の帯の柄を選ぶ時に、見落としがちですがこれも考慮に入れて 置かなければなりません。

仕立て上がって来て、実際に結んだら気に入った柄が前に出てこない なんてこともあるからです。

これは、六通・全通の帯でも左右アシンメトリーの柄の場合にも同じことが言えます。

この帯の場合、関東腹・関西腹でエンジの1色なのか2トーンになるのか 変わりますから・・・

織りあがったお太鼓の帯ではどちらでも同じ柄が出るような作りのものも 多いのですが、先述のように注意が必要なケースもあります。

また、綴れの帯などを別誂え織り上げてもらう場合には、関東腹あるいは 関西腹と指定して裏に隠れてしまう方の柄を省くこともコストを下げる方法になります。

そんなことも充分に配慮してお客様にはオススメしてあげて下さい。

知っていると、知らなかったでは大きな違いですから・・・

頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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