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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その63 お店のカラー」

今回はいつもと切り口を少し変えてのお話です。


お店のカラーってなんでしょうか?

量販店の場合はまた違うのでしょうが、呉服の専門店の場合は 揃えた商品の柄行が大きな要素を占めると考えます。

一時程ではないにしろ、着物に携わる幾つもの業者が存在します。
図案を作ったり、生地を生産したり、染めや織りに携わったり 流通の過程でも問屋・小売屋といったようにです。

その中で、小売屋から見てどういった取引先とパートナーシップを 保っていくかが大切になります。

簡単に言ってしまえば、扱う商品の柄の好みが合う先ということが言えるでしょう。

当然その前提には商道徳・人間性でお互いが認め合えることが絶対条件 ではありますが・・・

これは、私共小売店とお客様との関係にも同じことが言えます。

「あの店は接客も誠実だけど、何より私の好きな柄がある。
あそこの店主のセンスが私に合うようだわ」と言われるのが呉服屋と しては、最高の賛辞となります。

勿論、日本中のすべての方と好みが合う訳ではありません。
でもそれで良いんです。ご自分と好みが合う呉服屋を見つけて頂ければ良いのですから・・・

ですから、仕入れの際にも自分の気に入ったものしか仕入れませんし そうでないものは、力が入りませんから売れません。

逆に自分の店の柄行とバイブレーションの合うお客様は当然、気が合い ますから、自然と長いお付き合いになって行きます。

気の合う、お客様と気の合う商品を通じてお付き合いさせて頂けることが 商売を長く続けていける秘訣なのかもしれません。

お陰さまで、実店舗は今年で94年 楽天では4周年を迎えることが出来ます。

お客様をはじめ、仕入れ先・仕立て屋さん・紋屋さん・湯のし屋さん・ 社員さん・家族の皆に感謝です。


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