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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その62 細帯の楽しみ方」

呉服屋で主に扱っている女性用の帯は、昨日までお話していた 袋帯・名古屋帯になるのですが・・・

身近で、誰もがお世話になったことがあるのが細帯なんです。

そうです!浴衣のときに結ぶ、文庫結びにするアレです。
半巾帯とか、小袋帯といった呼び方をすることもあります。

このタイプの帯は、主にカジュアル向けの着物に合わせるものが多いんです。

浴衣には単の半巾帯、ウールのアンサンブルには博多の小袋帯なんて いうのが定番でした。

帯〆・帯揚げ・帯枕などを使わなくても、かわいく結ぶことのできる この細帯は、着物ライフを楽しむための登竜門として、見逃せない帯となります。

もう一つ、注目すべきことは江戸時代の中期までは、細帯の方が メジャーだったということです。

流石に、このご時世 ウールのアンサンブルは余り出なくなったの ですが、その代わりに注目され始めたのが木綿の着物 (注1)

これには、カジュアル感を楽しめて、結びも楽な細帯は重宝します。

気の置けない仲間との食事会・呑み会などに紬の着物でしゃれ込む時 にも(注2)、柔らかい細帯で合わせてしまえば、お腹が苦しくなる 心配も回避できるというものです。

もう一つ、礼装用の名古屋帯の感覚で結ぶことのできる細帯もあります。
唐織や錦の技法で袋帯と同じ感覚で織られたものです。

これは、色無地・裾ボカシの着物・ライト感覚の訪問着などに合わせ セミフォーマルなパーティー用のコーディネイトで楽しむ時(注3)に用います。

但し、この手の帯はまだまだ生産が少なく、見付け出すのに難儀をします。

どうです! 細帯といえども、侮るなかれ!でしょ!

お客様のシーンに合わせ、帯合わせのバリエイションを提案するのも呉服屋の務めです。

こんな時に、こんな雰囲気で・・・というお客様のニーズに合った 気の利いた商品をご紹介するには、商品アイテムの引出しの多く 持っていることが、とても重要になってきます。

なにも、袋帯・名古屋帯ばかり販売するのが能ではありません。

頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


ハイ!ご苦労様でした。
今回の短期集中講座はこれにて、おしまいです。

近いうちに、試験しますから・・・そのつもりで


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