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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その60 着物と帯の色合わせ」

昨日は、帯のタイプと着物の相性の話でしたが、今日は 「この着物にどんな色目とムードの帯をあわせるのか?」


いわゆるオススメする呉服屋のセンスに関わる事柄をレクチャーします。

「さすがプロね!ピッタリ合うわ」なんて言われようになれば お客様からの信頼度もぐ〜んとアップ

そのうち、「貴方のセンス信用しているから、この着物に合う帯を お任せするから作っといてね」・・・・・なんて、 言われたら呉服屋冥利に尽きるというものです。

【ポイント1】
正に言葉のとおり「センスを磨く」ことです。
「美しい着物」「きものサロン」「和楽」といった着物の雑誌には 必ず目を通します。

それも、消費者の目線ではなくスタイリストの目線で・・・
この地色の着物にこんな帯・・・意外とよくマッチする!フムフム

自分の着物と帯のコーディネイトパターンというのは自然に固まってしまうものです。

そんな固定概念を裏切る素敵なコーディネイトを発見することが 有りますし、それを盗んで自分のパターンに加えてゆきます。

【ポイント2】
営業上の説得話法における理論の裏付けをとる。
お客様には、何故 この着物とこの帯が合うのか・・・ということを 納得して、その上で感動してもらわなければお買上に繋がりません。

それには、理論の裏付けを頭の中に整理しておき、分かり易く説明する 訓練をしておかなくてはなりません。

例えば・・・・お客様の上背によるコーディネートの違い

上背のあるお客様に多いのは・・・
「私は背が高いから着物は似合わないわ」と仰る方がいらっしゃいます。

特に振袖をお召しいただく若い方で長身の方はそのコンプレックスから 猫背がちになってしまう方もよく見受けられます。

そんな方には着物と帯のコントラストを付けたコーディネイトをオススメするんです。

その時のセールストークは
「コントラストを付けることで、着姿を帯で分断するんです。」 と言いながら、姿見に映った着物を羽織ったお客様に帯をセットします。

「ほらね! 目の錯覚なんですが、見た人は貴方の背の高さを意識しなく なりますよ」・・・って具合です。

逆に背の低い方も同じようなコンプレックスを持っています。
その時は着物と色合い・トーンの同調する帯を合わせるようにします。

「こうすることによって、首から下が一つのトーンにまとまり スッラッ とまとまることになりますから、背の低さに周りの人は気が付きませんよ」

こうオススメすることで、お客様は自信を持って胸を張って着物を お召しいただくようになります。

実は、背筋を伸ばして胸を張って着ることが、最も美しく目に映る秘訣となるんです。

コントラストと同調性は着物と帯の地色・柄の大きさの組み合わせで バリエイションが広がっていくことになります。後は応用ですネ

いいですか! センスと理論とトークです。

暇を見つけては、着物の雑誌に目を通すように・・・

頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


2時限目はここまで また明日


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