浅野屋丁稚塾 番頭への道「その45 羽織の紐」
羽織が最近 注目されているというお話をいたしましたが、羽織に
無くてはならないものに羽織紐があります。
これは、単に紐なのですが着姿の中央のポイントになること、
女物の場合は帯〆とのコンビネイションに気を使う必要があることなど
から、疎かにしてはいけません。
ところで、結び方は大丈夫でしょうか?
蝶々結びでもいいし、女物なら本結びで普通に結んでください。
「えっ 男物もですか?」・・って
そうそう、男物は通常「ト音記号」のように結んであることが多いですネ
これも、結び方は憶えておいてくださいネ
私は、売り物の羽織紐を解いては結び、何度も繰り返して習得しました。
解説はこちら↓
「男物 羽織紐の結び方」
ここまでは、前段階です。
ここからが今日の本題、羽織紐は男女とも羽織に付いたチチに取り付け
ます。直付けといわれる羽織紐の先のわっかの部分を通して付ける方法と
S字状の金具を使って付ける方法とがあります。
女性用の場合は、ほとんどが直付けの様式になっているのに対し、男物は
金具を使う方式が多くなっています。
金具を使用すると、紐を解いたり、結んだりしなくても金具部分を操作
するだけで、羽織の着脱が出来ることになります。
しかし、推測するに金具を使った方式は羽織紐が自分で結ぶことが出来
ない方のための簡易的な付け方として普及したのではないかと思います。
本来は、直付けでシッカリその都度、解いたり結んだりするのが本来の
形だと思うんですネ
落語家が高座で羽織を脱いだり、歌舞伎役者がテレビのインタビューの
時などにさりげなく見せる羽織の着脱時にいとも簡単に紐を結ぶ姿に、
「ぞくっ」とするのは私だけでしょうか?
ところが、男物に限っていえば、一般的な金具で付けるタイプの羽織紐
そのまま直付けに出来るか?というと、答えはNoです。
羽織紐のわっかの部分が小さ過ぎて房が通せないからです。
直付け用の羽織紐はオーダーして特別に組んで貰わなねばなりません。
たまに組み上がったものを見つけても、需要が少ないせいか 金額の
張る物になってしまっています。
いい羽織紐を直付けで羽織に付けて、宴席ではさっと羽織を脱げるよう
になりたいものです。
その為には、まず 結び方をシッカリ身体で覚えることです。
頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!
ローマは一日にして成らず! です。
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