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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その40 日焼けの跡」 

楽しかった夏も過ぎ去り、日焼けの跡が名残惜しい今日この頃。

呉服屋も含め、ファッション関係の実店舗を持つお店の共通の悩みが 正に、この日焼けの跡なんです。

染物は、日光や蛍光灯の光でも長く同じところに照射されていると その部分が光によって退色してしまいます。

当然、着物に仕立ててあるものでも退色は進む訳ですが、全体に 綺麗に焼けるためあまり気が付かないことが多いんです。

表に出ている色と縫込みに入っている色の違いが、洗い張りする時に 解いてみて「あらまぁ」なんてことはよくあることです。

問題は、お店の商品の場合です。
店頭にディスプレイしてあるものは多かれ少なかれその危険に晒されて いるわけで、柄の綺麗に出ている箇所はどうしてもそこが表に出るように 陳列しますから注意が必要です。

小紋なら、反末から4尺ぐらいまで
付け下げなら上前

反物の巻きの奥の方と色合わせをして確かめます。
退色しやすい色目は藤色系・グレー系です。

染物の場合、日焼けの跡は修復が可能です。刷き合わせといって専門の 業者が、その技で直してくれます。但し、結構の費用がかかります。

なんともならないのが、織物
袋帯の織り込んである色糸のある特定の箇所が退色してしまうと 修復のしようがありません。そうなるとキズ物という烙印を押されてしまいます。

ですから、こまめにディスプレイの商品は取り替えるのが鉄則です。 自分の気に入っている柄はついついお披露目したくなり何度も ディスプレイしがちになってしまうのでキズ物にならないように 自分に言い聞かせなくてはなりません。

大好きな彼女はついつい人に見せびらかしたいものですが、着物の 場合は禁物です。いいですか!

頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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