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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その34 仕立て屋さんのタイプ」 

地元で手縫いによる仕立てをお願いする仕立て屋さんは、呉服屋を 影で支える大切なスタッフです。

地元の仕立て屋さんの組合が定める認定基準があり、その職能により 仕立代のランクがあります。

そして、各ランク毎に留袖・訪問着・無地・・・浴衣までの仕立代が 定められています。
勿論、袷ばかりではなく単衣に仕立てる際の価格がそれぞれに・・・

例え、お客様がバーゲンセールやオークションなどで1万円で値打ち に手に入れた留袖でも最上ランクの仕立て屋さんに仕立てをお願い すると4〜5万円かかってしまうことになります。

これは、100万円クラスの逸品モノの留袖の場合でもやはり同じく 4〜5万円ということでもありますが・・・

ただ、その辺の裁量は呉服屋がします。

表地のグレード・お客様のご予算によって持っていく仕立て屋さんを 決めることになります。

でも、現実には正絹の高級品をお願いする仕立て屋さんと浴衣を お願いする仕立て屋さんとは、その仕立て屋さんのランクに関係なく 使い分けています。

専門に数をこなしている経験と実績が重要となるからです。

また、規格にない変則的な仕立てをお願いする器用な仕立て屋さんも非常に大切です。

当店の場合、正絹の「うそつき」
をお願いする仕立て屋さんは、仕立ての概要と寸法を伝えると初めての 試みでもそつなく仕上げてくれます。

最近では、ラインによる縫製システムで仕立てをしてくれる専門業者 も出てきました。当店が正絹の小紋の仕立てをお願いするハイテク- ミシン仕立てもそういった外注先にお願いすることになります。

もう一つ、海外(中国・ベトナム)で和裁師を養成し、安価な工賃で 完全手縫いで仕立てるシステムも確立しております。

どの場合も、仕立代はその殆んどが人件費となるため一定の縫製の レベルを確保しようと思うと、それに見合う工賃を支払わなくては なりません。仕立代単体でディスカウントすることは、仕立ての グレードそのものを落とさざるを得ないからです。

ですから、お客様にはキッパリ「仕立て代は値引きできません」と

頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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