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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その33 桜のきもの」 

商い先で、「桜の着物は開花前の時期にしか着れないのですか?」と お客様から尋ねられたら丁稚の貴方はどう答えますか?

それでは、考えてください。

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ハイ!回答をどうぞ

それでは、正解です。 答えは「YES!」

でも、それだとお客様に買って頂けないじゃないですか?という質問が来そうですネ

ある限定された季節・或いはシチュエイションでしか着られない着物。
例えば、桜の花の満開の柄のみの着物・クリスマスのモチーフの柄の帯 また、一年の内で袷から単衣に変わるほんの数日間しか着用できない 紗あわせの着物など・・・

こういった着物や帯は年に何回も着られないから、もったいないと考え られがちです。

確かにそうですネ

でも、考え方を少し変えれば、その限定された状況下でその着物・帯を 着用できるのはスッ〜ゴク豊かな気持ちになれるとは、思いませんか?

と、私はお客様にお話した後で、こと桜に関しては、日本の象徴的な花と して、認識されていますから、大丈夫ですヨ・・・とお答えしています。

現に、浴衣にもお正月に着る振袖にも桜の柄は多く用いられています。
春の訪れを知る桜の開花時期の期待とワクワク感を連想させるムードは 成人を迎えるお嬢ちゃんたちの気持ちを良く表して振袖の柄としては 素敵じゃないですか!とも・・・

要は、お召し頂く方の気持ちの在り処に因ると思うんです。
桜の柄に着られるのではなく、桜の柄を着こなすという

でも、思うんです。

「私、きものはこの桜の柄しか持っていないし、
 着るのは毎年この時期だけ、でも、とってもそれが楽しみで・・・
 ずっと、この着物大事にして長く着てゆきたいと思っています」

と仰る方がおみえになったら、ある意味 すごく価値あることだと

頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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