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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その23 キャンセル防止」

実店舗での商いの場合は対面販売となります。
当店はWebShopでも、対面販売に近づけるよう心がけておりますが・・・

で、当然売り手の方は想いがこもってしまうわけです。
特に自分が惚れ込んでいる商品をお客様が気に入って頂いた場合なんかは 尚更です。

ところが、想いを伝えお買上いただいたお客様が冷静になられたときに 着用機会・ご予算の都合でキャンセルいただくことがございます。

大抵、展示会や訪問販売キャンペーンの終了の翌朝

これは結構辛いものがあります。

でも、買っていただいた着物や帯たちがお客様の元で可愛がって頂け ないとしたら、それはもっと辛いことです。

ですから、理由をお聞きして改善策が見つからなければ、素直に返品は 受け取らなくてはなりません。

返品防止のためにあれこれ策を労して無理無理お買上いただいたとして も、お客様にとっては「買わされてしまった」との印象が残るだけ

それは、お店にとっても決してプラスにはなりません。
特に地元密着型のお店にとっては・・・

キャンセルは出来れば受け取りたくないのが本音

呉服屋は事前の防止策として色々考えます。
食事をご馳走する。大島などの反末の証紙を切り取りその場でお買上頂い たお客様に手渡し、持ち帰りいただく。直ぐに湯のし・仕立てに廻す・・ 初めて商いするお客様の場合は、お手付金を頂戴する・・・・・などなど

しかし、それらの方法はそれまでにお客様との信頼関係がどのくらい出来 上がっているのかで、効果的な場合と逆の場合があります。

売約済みの商品は催事終了後、一日棚の中に寝かせます。

翌朝、キャンセルの電話が無ければその時点で初めて湯のし・紋入れ・ 染め出し・仕立ての手続きをします。

これは、キャンセルの申し出があった時に無駄になってしまう経費の発生 を回避するため・・・

加工賃・運賃は発注した時点でかかってしまうからです。一度送った商品 を送り返してもらうだけで往復の運賃が発生します。
余計で無駄な労力も省けますし・・

電話口で
「それは残念ですが、承知いたしました。これに懲りずに又、当店の商品 ご覧になってくださいネ・・・」と少々顔が引きつりながらも笑顔で対応 できるための心得です。

「今日も一日 お客様の笑顔のために・・・」どこかで聞いたような・・

頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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