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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その16 薮入り」

春秋の二季、奉公人が主人から休暇をもらって親許に帰ることを薮入りと 言います。主に正月とお盆の十六日前後になります。

昔は、仕事を見習うために、職人・商人ともに、十三・四歳頃から師匠や 商家を選んで奉公に出ますが、これが丁稚奉公です。

私も、学校を出てから3年間 三重県の伊勢市の呉服屋さんに住み込みで 丁稚奉公に行っていました。
(これは、バックナンバーでも何度か触れていますが・・・)

そこで、呉服屋の基礎を叩き込まれました。こうやってコラムが書けるの も、その時のネタが一杯有るからなんですけど・・・

で、私の場合もお盆に家に帰らせてもらうのが楽しみでした。
唯一の完全休暇は薮入りの時だけ・・・・・でしたから・・・

でも、私以上に楽しみにしていたのが両親や今は亡き祖母だったようです。 祖母が亡くなってから何年かして聞かされたことですが、私が帰省する日 には、何度も店の表に出てバスが来る方向を見ながら待っていてくれた ようです。

そして、ご馳走が用意されていました。

また、普段は厳しい修行先の社長や奥さんからもこの時ばかりは、温かい 心配りを頂きます。

丁稚に出すのも、預かるのも、生半可な気持ちでは出来ないようです。 今更ながら、感謝感謝です!

大学の卒業間近の時、卒業後の進路の話になり「丁稚奉公へ行く」と話し たら、「今時そんなのがあるの?」といわれました。

でも、確かにあるんです。そして、だから分かることもあるんですネ

ですから、お盆は休んでヨシ!です。

頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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