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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その15 夏の素材」

夏になると着物の素材のバリエーションがグッグッと増えてきます。

それ以外の季節は、いいものだったら大概が絹、それ以外はウール・綿 ・あとは化学繊維ぐらいなもので、素材より意匠のバリエーションが 注目されるだけなのですが・・・

ドッコイ!夏物はそうは問屋が卸してはくれません!

冬物と同じ素材で、薄く織ったり、絽・紗といった生地の組織を変えて くるものに加え、麻で作られた上布・珍しいところでは芭蕉布などが あります。

夏物は、冬物に比較して需要が少なく特に麻の高級織物や芭蕉布などの カジュアルの着物は、商売をしていてもなかなかお目にかかることが ありません。

また、そういった着物の産地は後継者も無く生産反数もごく僅かという のが現状のようです。

以前、宮古上布の産地を訪ねて宮古島の平良市に行ったことがありまし た。そこで、生産の工程を勉強して来たのですが、原料になる苧麻の内 側の繊維を乾燥させて爪先で細く裂き、結び合わせて長い糸にしていく 工程に携わる方が当時お一人しかいないこと、そしてその方がかなりの ご高齢な事を知り、驚いたことを覚えています。

そのうち、幻の麻織物になってしまうかもしれません。

宮古上布の男物を身に纏うのが、そしてそれが様になる様になるのが、 私の丁稚時代からのあこがれでもあり、目標なのですが・・・

頑張りましょうね! そして、希少な織物のことも勉強しなくては・・

頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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