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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その4 名物裂」

今回は少しマニアックに名物裂の話

名物裂←コレってどう読む?・・・いかんいかんマニアッククイズに なってしまう。正解は「めいぶつぎれ」コレもワープロ変換では「き れ」と入力しても「裂」とは変換されませんよネ。

名物裂とは、今より六百年ほど前の鎌倉時代より江戸時代にかけて、 主に中国から日本に伝わってきた最高級の織物で、大茶人千利休や 小堀遠州の名前や、文様等からの名前が一品ずつに付けられ、宝物に されているものです。
かつて南蛮貿易で輸入され、上流階級の人たちが衣服にしたり、茶人 達が名物と呼ばれる茶器の包装や書画の表装に用いりました。 名物と呼ばれる茶器や書画を包んだり表装することで、名物裂と称さ れました。

茶人達は、茶器や書画にとどまらず、名物裂にも自分達の茶道におけ る姿勢や理念を見いだし始めたため一般への流通はなく、珍重され、 益々希少価値的な存在として迎えられたようです。 茶人達の洗練された美的感覚がもっとも染色工芸に大きな影響を与え たのが名物裂と言えるのではないでしょうか。

現代では名物裂の写しが帯や小物として商品化されています。

何年か前に、名物裂をテーマに展示会を行いました。その準備のため に、いろいろ勉強してみるとコレが結構面白い。流石にお茶をやって いらっしゃるお得意様からはお褒めの言葉を頂戴いたしましたが、多 くのお客様からは「パッとしないね!」と手厳しい評価でした。

でも、名物裂の写しを見ていると、外国から渡来した織物のデザイン の素晴らしさに思いを馳せた古の茶人たちと共有体験をしているよう で一寸リッチな気分に浸り、悦に入ってます。

と言うことで、日本史の勉強も大切です。
頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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