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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その3 家紋の話」

今回は家紋の話

着物・羽織の礼装には家紋を入れることがあります。
家紋はその家を象徴する紋様で、そのデザインの素晴らしさは現在で も少しも色褪せません。

家紋はその家々に個別にあります。
ですから、よくお客様からお問い合わせがあるのが、お嫁入り道具と して持っていく着物には実家と嫁ぎ先どちらの家紋を入れるのか?と いうことです。地域によっても異なるようですが、中部地方では実家 の家紋を入れて行くのが通例となっています。昔は興し入れの道具と しては、着物がもっとも多くこれはお嫁さんが実家から持たせて貰っ たものであることの証として実家の家紋を入れたといわれます。 その名残が今も受け継がれているわけです。

しかし嫁いだ後、旦那さんの甲斐性で新たにこしらえた紋付の着物に は嫁ぎ先の家紋が入ります。

要は、お金の出所が左右するわけです。こういったお話はよく実店舗 でもお客様にするのですが、話していると「納得できない!」と言わ れることがあります。

それは、男の子が生まれたときのお宮参りの衣装。男の子も女の子も 健やかな成長を願ってお参りするのですが、男の子の初着には家紋が 入ります。この初着は男女どちらの場合もお嫁さんの実家がお祝いと して買って行く風習があるのですが、嫁ぎ先の家紋を入れていくこと になります。お金を払うのはこちらなのに・・・
「う〜ん 納得できない!」

もうひとつ、私の丁稚時代の話
紋付の着物が売れると紋屋さんに紋入れをお願いすることになります。 紋にはそれぞれ個別の名前があります。その紋の名前を加工伝票に書 いて、出荷することになるのですが、普段はなかなか使わない漢字を 覚えなくてはなりません。初めのうちは、辞書とにらめっこの日々が 続きます。

と言うことで、漢字の書き取りの訓練です。
頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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