浅野屋丁稚塾 番頭への道「その1 検品」
お客様にお買い上げいただいた着物(反物・仮絵羽)は、仕立てに出す前
に湯のし・湯通しなどの加工をいたします。
湯のし・湯通しについては次回にご説明いたしますが、今日はその前段階
反物・仮絵羽を加工に出す前にチェックいたします。
ポイントは
- 用尺(必要な長さ)が十分か?
- 俗に難(なん)と呼ばれる織り傷・染めムラ・染料とびは無いか?
- 汚れ、色焼けはないか?
以上の点をチェックしながら反物に目を通します。
1.の場合
当然「物差し」で計ります。呉服屋の場合は鯨の2尺差し
でエッチラえっちらと計っていきます。これを格好良くやるためには
物差しの裁き方の訓練が必要となります。また、用尺があるかどうかは
お客様の仕立て上がり寸法と裁ち切り寸法の知識が必要となってきます。
2.の場合
これに関しては当店で対処できる場合と問屋・メーカーに
商品を送り、交換・修正・作り直しをする場合がございます。
難の箇所が仕立ての段階で裁ち目(裁断する箇所)に入れることが可能
ならば、糸印を付けて湯のしに廻します。このときも寸法の知識・柄合
わせのセンスが要求されます。
難が多くて、仕立て上がったときに目立つ箇所に出てしまう場合は
問屋を通じて製造元に直しに出します。染料とびなどはほとんど綺麗に
直ります。しかし、織り傷などで難が出た場合は作り直し或いは、お客
様にお伝えして、返品頂くケースもございます。
3.の場合
これは仕入れ後店頭で陳列・販売の際に日焼けしてしまった
り、汚れが付いてしまうケースです。これはお店の責任ですから、悉皆
屋さんと呼ばれる直し屋さんに出すことになります。
いづれの場合にしましても、着物の販売の場合は現物販売の場合が多い
ため、難・汚れ・日焼けはあるものと想定して、チェックいたします。
慣れて来ると、着物の種類・色目に拠ってチェックのポイントが分って
きます。
と言うことで、まずは物差し使いの訓練からです。
頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!
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