2021.07.11
今年は何着る？
男がこだわりたい
夏のＴシャツ
＜店長＞
最近集めていたTシャツを断捨離。30枚ほどなくなってスッキリしました。
＜佐藤さん＞
メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
自己主張をしやすいＴシャツなのに、敢えて無地を選ぶ理由
今年もＴシャツの季節がやってまいりました。
Ｔシャツはカジュアルファッションの基本の「キ」。夏の最重要アイテムだと思います。
冬でもインナーとして活躍しますけど、やっぱり夏場はコーディネートの中心になるので、こだわりを持って選びたいですよね。
その通り。
佐藤さんはどんなＴシャツが好きなんですか？
個人的には、そうですねえ……。音楽好きなのでバンドＴシャツをよく着ています。
そういうイメージがあります。Ｔシャツって、自分のアイデンティティというか、趣味嗜好を表現しやすいアイテムですよね。
まさにそれで、「Ｔシャツ・アズ・メディア」なんていう言葉もあるほど。何かを相手に伝える、メディアのような服なんですよね。
なるほど。自由度が高い服ですから、趣味嗜好・主義主張を出しやすいですよね。
そうなんですよ。Ｔシャツのボディはキャンバスのようなものだから、そこに好きなバンドや好きなブランド、好みの写真やイラスト、メッセージなどが大きくプリントしてあったら「私はこういう人です」と言っているようなものですからね。
確かに。
でもその一方で、そういうのはちょっと重いというか、あまり自己主張したくないこともあるじゃないですか。
ＴＰＯによってはそうですよね。
そんなときは無地Ｔが一番です。僕も完全な無地Ｔや、小さなワンポイントのＴシャツをたくさん持っていて、「今日はバンドＴやブランドロゴＴシャツはちょっとな」という日はそちらを着ます。
当店にも色々ご用意がありますよ。紹介させてもらってもいいですか？
もちろん。
大人っぽく着たいディーゼルのポケットＴ
このディーゼルのＴシャツなんてどうですか？ ほぼ無地ですが、胸元のポケットとその上の小さなパッチがポイントです。
主張しすぎず、でもデザイン上のアクセントはきちんとあって、バランスのいいＴシャツですね。
でしょ。胸元のパッチに描かれているのは、モヒカン刈りのインディアンです。
ディーゼルの象徴ですね。1978年にイタリアで誕生したディーゼルは、設立当初からブランドコンセプトのひとつとして、「Brave＝勇敢」というキーワードを掲げています。それを表す図柄として1980年代前半にデザインされたのが、このインディアンの戦士＝ブレイブマンなのだそうですよ。このＴシャツ、シルエットもいい感じですね。
ほどよく絞られたスリムフィットの作りになっているんです。最近はずっと、ワイドシルエットのトレンドが続いているので、こういうシルエットは新鮮ですよね。
すごくいいと思いますよ。ワイドシルエットは確かに今っぽいんですけど、反面、トレンドを意識しすぎている感じもして、下手すると子供っぽい印象にもなってしまうんですよね。
そうなんです。だからこちらは年配の方にも、そして大人っぽいスタイルをしたい若い方にもおすすめしたいんです。
その他DIESELはこちら
好印象のポロラルフローレン、ワンポイントＴシャツ
続きましてこちらですが。
お、ポロラルフローレンのワンポイントＴですか。これもまたいい。ワンポイントはラルフのシグネチャーのポロマークですね。
このブランドの代表的なアイテムであるポロシャツと同じように、刺繍で施されています。
ワンポイントＴシャツの王道をいくデザインで、着回ししやすそうですね。カラバリも７色あるんだ。
ええ。使いやすい白や黒、グレー、ネイビーのほかに、ビビッドなピンクやイエローも揃っています。ユニセックスのアイテムですけど、ピンクやイエローはまあ、女性向けですかね。
いやいや。僕はビビッドなカラーを男性が着るのはとてもおしゃれだと思いますよ。ちょっと難しいかもしれないけど。
ほお、そうですか。
そうですそうです。小さなめサイズやジャストサイズだとさすがにキツいかもしれませんが、オーバーサイズのものを選んでゆるっときたら、すごくおしゃれだと思いますよ。
なるほど確かに。リゾートなんかのときにもよさそうですね。でも確かに難しそう。一般的に男性が着やすいのは、やはり無難な無彩色系ですよね。
そうですね。白や黒、グレー、ネイビーだったらカジュアルにも着られるし、職種にもよりますがジャケットの下に着て仕事にも着ていけそう。ジャケットの下からロゴがチラッと見えたら、「あ、Ｔシャツにも気を配っているんだ」と好印象を持たれそうですね。
その他POLO RALPH LAURENはこちら
シルエット違いのチャンピオンＴシャツ二種
チャンピオンもあるじゃないですか。いいですね。
お好きなブランドでしたよね？
そうなんですよ。チャンピオンのようなクラシカルなアメリカのカレッジスポーツテイストって、いくつになっても心ときめくものがあります。
長い歴史を持つブランドですよね。
1919年創業ですから。東欧出身のユダヤ系移民であるサイモン・フェインブルームという人物が、チャンピオンの前身となるニッカーボッカー・ニッティング・カンパニーという会社をニューヨーク州ロチェスターに設立したそうです。
100年以上続いているんですね。
この二種類のＴシャツ一つは胸元と袖口、一つは袖口だけにロゴがありますけど、その他の違いは？
シルエットがけっこう違いますよ。胸元にもロゴがある方はベーシックなレギュラーフィット。袖口だけのロゴの方はワイドシルエットになっています。
生地も違います？
両方とも基本的に綿100％ですけど（カラーによってポリエステル混あり）、袖口だけのロゴの方は７オンスという厚手の生地を使っていますね。
なるほど、そのへんはお好み次第ですね。ざっくり言うと、ワイドシルエットだと今っぽくて若い印象、ベーシックシルエットだと落ち着いた大人の印象になりそうです。こちらもまたカラバリ豊富で、選ぶ楽しさが大きいですね。
その他CHAMPIONはこちら
信頼性も着心地も抜群のアディダスＴ
アディダスのＴシャツですけど、これはなかなかの優れものなんですよ。
裏地がついているんですね。Ｔシャツとしては珍しく。
そこが大きいんです。「テック 半袖Ｔシャツ」という商品で、厚手のしっかりした生地なんですけど、内側が通気性のいいメッシュ素材になっています。
汗をかいても涼しく快適に着られそうですね。背中の３本線もかっこいい。
アディダスですからもちろん、スポーツシーンでの着心地を念頭に作られていますが、機能的なうえ肌触り柔らかな生地ですし、デザインもおしゃれなので、タウンユースでも、部屋着としても最適です。
アディダスは安心感がありますね。
老若男女に評価され、支持されているブランドだし、知名度もワールドワイドですから、信頼性は抜群です。
迷ったらアディダス！ みたいなノリは「マイ・アディダス」世代の僕のようなアラフィフおじさんから、現在の若者まで共通していますからね。
「マイ・アディダス」！ ランDMCですね！
よくご存知で。お若いのに（笑）。
いや、そんなに若くないんです（笑）。
その他adidasはこちら
カルバンクラインといえばやっぱり肌着
アラフィフといえば佐藤さん！ カルバンクラインといえば!?
もちろん「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ですね（笑）。あれ？ なんかこういう話、前回の“父の日ギフト”の対談でもしませんでした？（笑）
ああ、いいんですいいんです。どうぞ！（笑）
（笑）。僕は高校一年生の時に、映画館で『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観て、初めてカルバンクラインというブランドを知りました。でもその映画の影響もあって、はじめはアンダーウェア専門メーカーという認識だったんですよね。
それは間違っていませんよ。今やジーンズなどのカジュアルウェアから、スーツなどのフォーマルウェア、それにバッグとか財布とか香水とか、あらゆるものが揃う総合ブランドですけど、やはり肌着のニーズは相変わらず高いですからね。
そうか。Ｔシャツも肌着の一種だから、カルバンクラインのものは間違いないですね。
そういうことなんです（笑）。胸元におなじみの「cK」刺繍があるこのＴシャツは、デザイン的にはきわめてシンプルですけど、上質なコットン生地が使われていて、こだわりの強さを感じます。着心地最高で、さっすがカルバンクラインという感じですね。
アディダス同様、安心感を買う感じですね。
その他Calvin Klainはこちら
ディッキーズのＴシャツを着てもらいたいのは？
ディッキーズのワンポイントロゴ付きポケットＴシャツもご紹介したいんです。
カラバリ13色？ すごいですね。ブラウンやバーガンディのようなディッキーズらしい無骨なワークテイストが漂う色から、ビビッドなオレンジまで。迷っちゃいますね。色違いで何枚か欲しいかも。
アメリカンワークらしい、太めでストンとしたシルエットもいいですよね。ヘビーウェイトの生地も無骨な雰囲気を強調してくれます。
男くさいアイテムですけど、こういうのを敢えて女性が着ても可愛いですよね。
確かに。ワークアイテムを着こなす女性は素敵だと思います。
活動的で、生き生きとした雰囲気になりますよね。このＴシャツは男性も女性も、1?2サイズ上のものを選んでゆったりと着るとよさそうです。
ディッキーズはアメリカのワークブランドの代表格でしたね。
1922年創業ですから、今年ちょうど100周年の老舗。まさに“アメリカンワーク”を象徴するブランドです。
そうか、100周年なんですね。
リーバイスなどと並び、ワークアイテムをファッションとして着る文化をつくった、長い歴史を持つブランドです。100周年と聞くと、記念に何か買いたくなっちゃいますね。
ですね。このＴシャツを是非（笑）。
セントジェームスのバスクシャツは雰囲気抜群
ラストにこんなの仕込んでいましたか！ セントジェームス。いいですねえ、やっぱり。
ボーダーＴといえばセントジェームス、間違いありません。
フレンチカジュアルの王道ですね。セントジェームスのこういうボーダーシャツは「バスクシャツ」と呼ばれますが、語源って知ってます？
確か、スペインのバスク地方で昔から着られていたシャツが元になっているんですよね？
さすが。その通りです。スペインとフランスにまたがるバスク地方の漁師が16世紀から着ていたシャツが原型になっているんだそうです。セントジェームスは1889年にフランス北部のノルマンディー地方で創業された老舗ブランドです。創業当初からバスク地方のボーダーシャツをヒントに、現在のバスクシャツにつながるボーダーのマリンセーターを開発したそうです。
そんな伝統的な服をベースにしたＴシャツですから、やっぱり雰囲気いいですよね。
間違いありません。本来のバスクシャツは厚手の生地の長袖ですけど、これは薄手の生地で夏に着られるＴシャツに仕立てているわけですよね。いいなあこれ、おしゃれ。
こうやって見てくると、やっぱりシンプルなＴシャツにもそれぞれの個性があって、選ぶのが楽しいですね。
そうですね。それに無地に近いＴシャツはトレンドに左右されないので、大事にすれば長く着られます。着回しもしやすいので実は季節も選ばないし、持っていて損はないですね。
今日はありがとうございました。
