映画の中をご覧になった方ならご存じのシーンですが、映画後半にジュリアン・ムーア演じるクラリス・スターリング(羊たちの沈黙ではジョディーフォスターが演じています)と食事をするシーンにリーデルグラスは登場しているはずです。(メーカー名が出ていないので、もしかしたら予算の関係上、違うグラスを使った可能性もありうるので「はず」としました。)
リーデルグラスを購入するシーンは映画では無いのですが、単行本【ハンニバル】の下巻(新潮文庫)に、ワイングラスは迷う事なく、縁の内側に鼻を入れる余地のたっぷりあるリーデルの2つのサイズを購入と書かれています。
ではレクター博士はどのタイプのリーデルを購入したかを単行本から探してみましょう。
まずレクター博士が「ジアンの陶器皿」や「クルストフの19世紀銀食器」を購入した時点で、リーデル最高級シリーズ(ソムリエ)に間違いないでしょう。
そのソムリエシリーズの中でも1つは、前記でも述べた食事のシーンでレクター博士が「グラスに半ばついだワインをすすり」とあり、またその後にクラリスが「素晴しいブルゴーニュの白をひとすすり」とあるので、ここでワインを味わったグラスは400/7(ブルゴーニュ/モンラッシェ)と判ります。
問題はもう1つのグラス!これが難解で、文面には登場していないのであくまで推測です。
レクター博士の趣味?生き甲斐?美学?が人間の肉を食することから、血のような濃厚な味がお好みと推測します。ワインに例えると塾成したヴィンテージと言えるでしょう。
ですが、血液は取りたて新鮮なほど美味しい?(かな?)としますと、若いワインも味わえるグラスでなければなりません。
そこで熟成したワインでも、若いワインでもさまざまな香りの層をほどきグラスいっぱいにアロマを広げ、味わいは柔らかく余韻が長い、絹のように滑らかな舌触りが強調される400/00(ボルドーグランクリュ)ではないでしょうか。(強調しますが、あくまで推測です)
恐いものが苦手な店長ですので、映画館で観る事は非常に困難なため、ビデオ化されてから昼間に観る事にしました...。
上記の推測に関してのお問合せやご意見がございましても、受付けは致しませんのであしからず。
追記:リーデル・ジャパン(株)より以下のコメントを頂きました。
残念ながら映画にはリーデルグラスは登場していません。雑誌の方からもレクター氏が購したグラスについては、問い合わせが多いのですが、リーデル社としても、よくわかりませんが400/00、400/7、400/55が有力です。最後のほうに人間の脳を食する話が出てくるのですが、そこに書かれているワイン(シャトーディケム)から想像すると400/55という推測も出来るからです。
●TVに登場しているリーデルグラス
|
「まろ茶」(富士コカ・コーラボトリング社)のコマーシャルで織田裕二がお茶を注いで色を見ているグラス。大きさや独特な形状からみても、あれはリーデルソムリエシリーズのブルゴーニュ・グラン・クリュグラス!と思うのですが...(制作の方、教えて下さ〜い)
追記:リーデル・ジャパン(株)がコカ・コーラに確認しましたところ、400/16ブルゴーニュ・グラン・クリュグラスで間違いないとの回答を得られました。
|
|