木材の下地処理

木材の下地処理

水性ペンキの塗り方

木材の下地処理

木材と言ってもペンキを塗るための素材としては、いろいろな問題が発生している場合があります。きれいに製材された木材であればペンキをそのまま塗っても問題ありませんが、ヤニの染み出し、表面のざらつき、凸凹などは下地処理をきちんと行うことできれいにペイントすることが出来ます。

ヤニの除去

  • ヤニの除去
  • 木材から出るヤニは油分を含んでおり、水性塗料をはじいてしまいます。また、ゆっくりと染み出すことにより、一度ヤニを除去したところでも塗膜が剥がれたり、塗膜を変色させる現象が発生します。そのため、染み出ているヤニをしっかりと除去することと、新しいヤニが染み出さないようにする処理が重要です。

  • STEP1
    ヤニを取り除く
    CASE1 ヤニを取り除く

    大きなヤニをスクレーパーやナイフなどでヤニを広げないように取り除きます。ナイフを使用する場合は、ケガをしないように注意しましょう。

  • STEP2
    シンナーでふき取る
    STEP2 シンナーでふき取る

    ヤニ除去剤を使用し、こびりついたヤニをふき取ります。ペイントうすめ液のようなシンナーを使用しても落とすことが出来ます。

  • STEP3
    ヤニ止め剤を塗る
    STEP3 ヤニ止め剤を塗る

    ヤニ止め効果のある塗料を塗ります。WOODLOVEシリーズのセラックニスがおすすめの商品です。

凹みの補修

  • 凹みの補修
  • 木材には、木の節や衝撃により凹みが生じている場合があります。その凹みが機能的もしくは美観的に問題になるようであれば、凹みを修復しましょう。床面などの強度が必要な部分はエポキシパテを使用します。その他の特に強度を必要としない部分は、一般的な木部用パテを使用するとよいでしょう。

  • STEP1
    凹みをきれいにする
    STEP1 凹みをきれいにする

    凹みの周囲に割れかけの部分があれば、サンドペーパーで削り落とします。凹みの内部もきれいにしておきましょう。

  • STEP2
    パテを埋める
    STEP2 パテを埋める

    パテを埋め込みます。穴が大きい場合は何回かに分けて盛る方がしっかりと穴を埋めることが出来ます。少しだけ、こんもりと盛りましょう。

  • STEP3
    サンディング
    STEP3 サンディング

    乾燥したら、カッターやサンドペーパーを使用し木材の面と平滑に仕上げます。パテの硬さにより使い分けるとよいでしょう。

密着性を上げる

  • 密着性を上げる
  • 水性多用途塗料は木材に塗ることが出来ますが、表面がプレーナー加工(カンナ仕上げ)されたもので特に広葉樹のような目の詰まった木材に対しては密着性が落ちます。ニスであれば木材に浸透しながら表面に塗膜を形成するため、表面が平滑であるほどにきれいに仕上がりますが、ペンキの場合は少し荒れている表面の方が相性が良いです。解決方法としては2つあり、やすりで木材の表面を少し荒らすか、密着性を上げるシーラーを塗るという方法があります。

  • CASE1
    やすりで削る
    CASE1 やすりで削る

    #180〜240のやすりを使用して、木材の表面を荒らします。木目に沿ってやすりをかけ、研いだ粉はきれいにふき取りましょう。

  • CASE2
    床にペイントするとき
    CASE2 床にペイントするとき

    床材にペイントする場合はより強力に密着させる必要があるため、#80のやすりを使います。これにより塗膜にも少し凸凹が出来るためすべり止めにもなります。

  • CASE3
    シーラーを使う
    CASE2 シーラーを使う

    ペンキと同様にハケやローラーで塗ります。乾燥後にペンキを上塗りします。下地とペンキの種類によりシーラーの種類を選択しましょう。

吸い込みを防ぐ

  • 吸い込みを防ぐ
  • ベニヤ合板やバルサ・ファルカタなどの一部の工作材は木材の表面に多くのすき間があるため、1回目の塗装時に多量のペンキを必要とします。この木材のすき間を埋める処置を「目止め」と言います。目止めの工程自体にペンキを使うこともできますが、目止め機能のあるシーラーを使用する方が、トータルコストや施工時間が少なく済む場合があります。

  • CASE1
    シーラーを使う
    CASE1 シーラーを使う

    シーラーを使うことにより、最も簡単に目止めをすることが出来ます。施工方法はペンキと同様にハケやローラーを使用してペイントします。

  • CASE2
    との粉を使う
    CASE2 との粉を使う

    ペンキを薄く塗って木目の質感を残したい場合はとの粉を使用するとよいでしょう。粉末を水に混ぜてパテのようになったものを薄くすりこみます。

  • CASE3
    ペンキを使う
    CASE2 ペンキを使う

    ペンキを既定の希釈率いっぱいまでうすめてペイントすることで、奥まで浸透し、目止め効果が高まります。同じペンキを上塗りすれば密着性も問題ありません。

荒れた面を平滑にする

  • 荒れた面を平滑にする
  • 大きく荒れた面にペンキを塗った場合、木材の表面の凸凹がペンキではカバーできずに表面に現れます。木材の場合は、やすりをかけることにより平滑にできます。ウリンなどの固い木材や広範囲を平滑にする場合は電動サンダーを使用すると効率が良いでしょう。目の粗いやすりから順に細かいやすりを使用しますが、粒度番号が2倍以内のものを使用するようにしましょう。例えば、#40→#80→#150→#240となるように順にやすりをかけます。また、十分に乾燥していない荒材などは、やすりの目が詰まりやすいため、十分に乾燥させてから研磨する方がよいでしょう。

  • STEP1
    #40〜80のやすりで研ぐ
    CASE1 #40〜80のやすりで研ぐ

    目で見てわかるような凸凹を研磨します。床にペンキを塗って使用する場合は#80のやすりの仕上げでもよいでしょう。

  • STEP2
    #120〜150のやすりで研ぐ
    STEP2 #120〜150のやすりで研ぐ

    木目に沿ってやすりをかけます。前項で荒れた表面を整えるようにやすりをかけます。つや消しペンキであれば、ここで研磨終了です。

  • STEP3
    #180〜240のやすりで研ぐ
    STEP3 #180〜240のやすりで研ぐ

    一般的なつや有りの多用途塗料をペイントするのであれば、もう1段階だけ目を細かくした方がきれいに仕上がります。

カビを除去する

  • カビを除去する
  • フワフワしたカビではなく木材が黒ずむようなカビであれば、その上からペンキを塗ることは可能です。防カビ剤配合ペンキであれば、よほどの環境でない限りカビの発生を抑えることができます。それでもカビの成分が内部に残っているということは気持ちのいいものではありません。表面的なカビはやすりで除去できます。根深いカビは木材用の漂白剤を使用することでカビ菌を根絶できます。

漂白剤を使用する

  • ニッペホームプロダクツ製の木材専用の漂白剤
    ホワイティ W
    • 洗浄だけでは落とせなかった「カビによる黒ずみ」をきれいに除去します。
    • 日焼けした屋内外木部のアク洗いに。
    • いやな臭いがしない低臭タイプです。
    • 一液タイプなのでそのまま使えます。
    • 植栽に影響を与えません。
    • 木部塗装の前に 木部のステイン仕上げの前に使用することで、鮮やかに仕上がります。

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