古い塗膜の下地処理

古い塗膜の下地処理

水性ペンキの塗り方

古い塗膜の下地処理

はっ水機能や防汚機能を持つような特殊な塗料でなければ、下地処理さえしっかりとすれば新たに水性塗料を上塗りすることが可能です。下地処理には大きく2つの目的があり、剥がれかけの古い塗膜を剥がして滑らかにすることと、油性塗料のようなツルツルとした塗料に傷をつけることにより密着性を上げることです。

密着性を上げる

  • 密着性を上げる
  • 油性ペンキは表面が滑らかに仕上がることが特長の1つにあげられます。古い塗膜がこの油性ペンキであったり、既製フローリングや家具に見られる透明の樹脂塗装であったりする場合には、水性塗料を上塗りしても一般的には密着しないと言われています。しかし、十分に足付け作業(密着性を上げる作業)を施工することにより、水性ペンキをペイントすることが出来ます。

  • CASE1
    古い塗膜が水性ペンキ
    CASE1 古い塗膜が水性ペンキ

    古い塗膜が水性ペンキだとわかっている場合は、油汚れやほこりなどの不純物を取り除くだけで水性ペンキをペイントできます。

  • CASE2
    古い塗膜が油性ペンキやニス
    CASE2 古い塗膜が油性ペンキやニス

    油性ペンキの場合は、#120のやすりで全体にキズをつけるように研磨しましょう。空研ぎペーパーを使用する方が目詰まりせず効率が良いでしょう。

  • CASE3
    古い塗膜が床用ニス
    CASE3 古い塗膜が床用ニス

    床用のニスはウレタン樹脂でできており、非常に硬い塗膜を持っています。そのため、#80のやすりを用いて、根気よくしっかりとつやがなくなるまで研磨しましょう。

剥がれた部分を調整する

  • 剥がれた部分を調整する
  • 剥がれかけの塗膜のことを「死膜」と呼び、この上に新しいペンキを塗っても古い塗膜ごと剥がれてしまいます。まずはこの剥がれかけの塗膜を除去します。逆に密着している古い塗膜のことを「活膜」と呼び、こちらは剥がす必要はありません。ただ、塗膜が残っている部分の境目には塗膜の厚さ分の段差ができるため、新しいペンキを塗っても表面に段差が表れてしまいます。この段差を無くすこともきれいな仕上がりへのポイントです。

  • STEP1
    剥がれかけの塗膜を剥がす
    STEP1 古い塗膜が水性ペンキ

    金ブラシや金たわしを使って、剥がれかけの塗膜をこそぎ落とします。電動工具のワイヤーカップブラシを使えば作業の効率が上がりますが、木材には不向きです。

  • STEP2
    段差を滑らかにし傷をつける
    STEP2 古い塗膜が油性ペンキやニス

    #120のサンドペーパーを使用して、段差の部分を滑らかにするとともに、全体に傷をつけて足付け作業をします。

  • STEP3
    きれいに拭く
    STEP3 古い塗膜が床用ニス

    研いだ粉が残らないように塗れた雑巾などでしっかりと拭きとりましょう。その際、雑巾が引っかかるような段差がないことを確認しましょう。

新しい塗料を塗るために古い塗膜を除去することを「ケレン」と言います。1種〜4種まであり、上記の方法は最も簡単な4種ケレンの方法です。ちなみに1種ケレンは全ての古い塗膜を剥がすという大変難しい下地処理です。家屋の塗りかえには3種か4種でのケレン作業が一般的です。

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