ファッション業界の近年の大きな変化として、老舗ブランドのロゴリニューアルが挙げられる。代表格とし ては、BALENCIAGA、CELINE、BERLUTI、BALMAINなどが2018年にこぞってロゴを一新している。
その多くのブランドが高級感のある書体から、重厚感のあるシンプルで洗礼されたデザインになっていることが共通している。

イギリスの老舗ブランド“BURBERRY”もその一つだ。
特徴であった馬のシンボルを無くし、シンプルなサンセリフ体へと変わっている。
この変化に隠された意味とは？

リカルド・ティッシが手がける新生BURBERRYとは？

革新性と伝統的クラフツマンシップを軸とする英国ブランド“BURBERRY”は2018年に元GIVENCHYのクリエイテ ィブ・ディレクターであるリカルド・ティッシを迎えた。
彼はラグジュアリーとカジュアルを見事に融合させ、カニエ・ウエストのアートワークやステージ衣装などを手掛け、しばらく低 迷を続けていたGIVENCHYを大きく再生させたデザイナーである。

そんな彼が手掛けた「キングダム」と題されたコレクションは、ブルジョワジー、パンク、ストリートウェアキ ッズ、シティボーイといった英国を構成するサブカルチャーの寄せ集めを反映し、クラシックで貴族的なイメージを尊重しつつも、クレージーで気ままな遊び心をふんだんに取り入れている。
そして、BURBERRY初となるモノグラムを生み出し、バーバリーの歴史に大きな変化を与えた。

BURBERRY初のモノグラムが登場。

バーバリー創業者、トーマス・バーバリーのイニシャル「TB」を重ねたモノグラム。
リカルド・ティッシとグラフィックデザイナーのピーター・サヴィルが新しいブランドシンボルとして考案し、2019春夏ランウェイにて初披露された。

新生コレクションではこのTBモノグラムが随所に登場し、ブランドの伝統をモダンな視点で蘇らせ、新時代の到 来を強く印象付けている。
ロゴを刷新した背景には、時代の変化を明確化するためのアイデンティティが強く表現されている。これからのBURBERRYがどう生まれ変わっていくのか益々目が離せない。