フロントの変速調整は難しいですが、フロントディレイラーの動きの仕組みが理解できると意外と簡単に調整ができるようになると思います。
調整の前にフロントディレイラーの取り付けを確認します。
大事なことはチェーンホイールの大ギヤの 歯先との間隔 と 平行度 の2点です。
大ギヤの歯先との間隔は1~3mmくらいになっていますか?
真上から見て、フロントディレイラーのガイドプレート外側と大ギヤが平行になってますか?
取付けに問題がないのが確認できたら、調整をします。
調整は ガイドプレートの動きの制限 と ワイヤーの張り の大きく分けて2点だけです。
2つのアジャストボルトの調整でガイドプレートの動きを制限してチェーン外れの防止をします。
Lのボルトはロー側(内側のインナーギヤ側)への動きを制限します。
Hのボルトはトップ側(外側のアウターギア側)への動きを制限します。
(ディレイラーのよっては、LとHのボルトの位置が逆の場合があります。)
インナー側の調整
Lのアジャストボルトを時計回りに回すと外側へ、反時計回りに回すと内側に動きます。この調整でチェーンがインナーギヤ側へ外れることを防止できます。
チェーンの位置をリアをローギヤ、フロントをインナーギヤの状態にします。
ガイドプレート内側とチェーンが接触しないぎりぎりの隙間(0~0.5mm)にします。
(この調整はシフトワイヤーの張りが張りすぎているとできません。)
アウター側の調整
Hのアジャストボルトを時計回りに回すと内側へ、反時計回りに回すと外側に動きます。この調整でチェーンがアウターギヤ側へ外れる事を防止できます。
チェーンの位置をリアをトップギヤ、フロントをアウターギヤの状態にします。
ガイドプレート外側とチェーンが接触しないぎりぎりの隙間(0~0.5mm)にします。
(この調整はシフトワイヤーの張りが緩すぎるとできません。)
シフトワイヤーの張りの調整をします。
チェーンの位置をリアをローギヤ、フロントをミドルギヤの状態にします。
ガイドプレート内側とチェーンが接触するかしないぎりぎりの隙間(たまにかすかに擦れるくらいでも可)にします。
アジャスターボルトはガイドプレートの動きを制限するストッパーの役目なので基本的には、最初にセットした後は動かしません。シフトワイヤーの張りの調整で修正します。
アジャスターボルトを動かすとフロントディレーラーが動き、シフトワイヤーの張りまで変わってしまうので、調整が難しくなります。
ワイヤーの調整で直らないときはワイヤーをいったん外して最初からやり直したほうが早い場合があります。
アウターギヤへの変速が悪い
おもな原因はワイヤーの張り不足です。
シフトレバーの調整ボルトを回してワイヤーを張ります。
アウターギヤの外側にチェーンが外れてしまう
おもな原因は、フロントディレイラーガイドプレートの動き過ぎです。
Hのアジャストボルトを1/8回転時計回りに回します、変速をしてみて解消するまで、1/8回転くらいずつ回します。
インナーギヤにチェーンが落ちない
おもな原因はフロントディレイラーガイドプレートの可動不足です。
Lのアジャストボルトを反時計回りに1/8回転回します。変速をしてみて解消するまで、1/8回転くらいずつ回します。
(反対にチェーンが外れてしまうときは時計回りに回して調整します。)
変速レバーの動きが悪い
おもな原因はよごれとさびです。
よごれをおとして、ワイヤー、ディレイラー、シフトレバーに注油します。