自然派トスカーナ〜造り手を感じるワインたち〜
イタリアを代表する銘醸地トスカーナで自然農法を実践し、開放式の発酵槽で野性酵母による発酵を行い、二酸化硫黄の添加を極力抑え、ノンフィルターでボトリングする、自然派の造り手たちをピックアップ。

彼らに共通することは、できるだけ自然なままで手を加えずにワインにしていくこと。そうして造られたワインの個性はテロワールの特徴はもちろんのこと、そこで育ったブドウの個性によるところが大きいのだと感じます。

ここで紹介するのはそんな自然派のワインたち。ワインを飲めば造り手の顔が見えてきます。
■ 自然派トスカーナの造り手たち
パーチナ
大手ワイナリーの醸造家だったステーファノと土地を受け継いだジョヴァンナ夫妻が経営。ワイナリーは西暦900年代に建てられた修道院だった場所で、土地の一部を休閑地として数年〜数十年ごとにブドウ畑にする1000年以上前と変わらぬ考えで農業を実践。また、キャンティクラシコ地区内にありながら格付けには興味がなく、キャンティと名乗れるワインを破格値でリリース。
 
ポデーレ レ ボンチエ
自然農法を実践する3haの畑にアルベレッロ仕立てでブドウ樹を栽培。自然農法の創始者、福岡正信さんに強い影響を受け、畑を耕さない不耕起、肥料を与えない無施肥を実践。収穫後、小柄なオーナーのジョヴァンナさんが自分の手でピジャージュ(攪拌)できるよう特注して作った小型の開放式木製発酵槽で発酵。何事にも完璧主義な彼女の性格が表れた、思わず背筋が伸びるような欠点のないワインを造っている。
 
サングイネート
フォルソーニ姉妹が営むヴィーノノービレの自然派ワイナリー。畑では除草剤や一切の化学肥料も使わない有機農法を実践。伝統的な醸造方法こそ最良であると考え、温度管理をせずに15〜20日間のマセレーションを行い、その間のリモンタージュも手作業。ブドウ果実のなめらかさが表現されたワインは時間の経過とともにふくよかな果実味が前面に出てくる。
 
カンピ ディ フォンテレンツァ
ミラノ出身のパドヴァーニ姉妹がモンタルチーノに移住してブルネッロを造っている。自然派の造り手との親交を深めることでより自然なワイン造りを模索、畑とセラーの作業は月の運行を見ながら行い、畑には一切化学的な農薬は使わず、2004年からはボルドー液の代替として各種ハーブを煎じたビオディナミ調剤を試し始める。樹齢の若さはあるが、力強い果実味としなやかさのある味わいでこれからを期待させる造り手。
 
サンタ マリーア
リタイアしたコッレオーニ夫妻がベルガモから長年の夢だったモンタルチーノに移住、北斜面にある畑で独自の自然な方法でブルネッロを造っている。ワイン造りは全くの素人であのカーゼバッセに弟子入り、彼から学びながら独自のワイン造りを確立。将来は二酸化硫黄無添加のブルネッロを造るためにカスティリオーレドルチャに土地を購入、ボルドー液さえ使わない完全無農薬、二酸化硫黄完全無添加のワイン「オルチアロッソ」を造っている。
 
マッサ ヴェッキア
ファブリッツィオ ニコライーニが1986年からマッサ マリッティマにある畑でワイン造りを始めた。当初から有機農法を実践、現在では家畜の飼育からその餌の生産、ワラや残根と家畜の糞尿から堆肥の生産まですべて自分たちで賄う循環型農法を行っている。ワイン造りは野性酵母のみを使用、木製の開放発酵槽でのマセレーションと発酵を行い、二酸化硫黄添加もごく少量に抑えている。2006年からはファブリッツィオの娘夫婦が中心になってワイン造りを行っている。
 
 
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