海と山の2つの魅力を持つマルケの白ブドウ
「ヴェルディッキオ」その特徴とおすすめ10選
ヴェルディッキオ種は、イタリアを代表する白ブドウです。ラッツィオ州やウンブリア州などでも栽培されていますが、ヴェルディッキオ種で有名な州といえばマルケ州です。イタリア中部に位置していて、東にアドリア海、西にアペニン山脈があり挟まれています。南北に細長く伸びていて70%が丘陵地、30%が山岳地と平野はほとんどありません。
その中でもヴェルディッキオ種を主体にワインを生産するのが、州都であり古くから栄えている港町アンコーナ周辺エリア。そしてアンコーナ県の内陸部、アペニン山脈付近の渓谷エリアに別れます。
その中でもヴェルディッキオ種を主体にワインを生産するのが、州都であり古くから栄えている港町アンコーナ周辺エリア。そしてアンコーナ県の内陸部、アペニン山脈付近の渓谷エリアに別れます。
ヴェルディッキオというブドウ品種
ヴェルディッキオ種は、「ヴェルデ」(緑色)というグリーンがかった麦わら色の見た目から名づけられています。成熟しても緑がかった色合いをしていて、ワインの色調からもそのニュアンスが見受けられます。
ヴェネト州のトレビアーノ ディ ソアーヴェ種が原産とされていて、15世紀頃に農民の移住によって持ち込まれた説が有力です。近年の研究で、これまで混同されていたトレビアーノ ディ ルガーノ種(トゥルビアーナ)は別品種と判明しています。
酒石酸の割合が高い品種のため、スパークリングワイン、軽やかな白ワイン、長期熟成に耐えるポテンシャルがあるしっかりしたボディのものと様々なタイプのワインを造ることができます。
※酒石酸:ワインに含まれる酸の中で最も高い割合を占めます。酒石酸は、ワインの成分を安定させます。長期保存を可能する力を与え “ワインの骨格を形成する”重要な役割を担います。
ヴェネト州のトレビアーノ ディ ソアーヴェ種が原産とされていて、15世紀頃に農民の移住によって持ち込まれた説が有力です。近年の研究で、これまで混同されていたトレビアーノ ディ ルガーノ種(トゥルビアーナ)は別品種と判明しています。
酒石酸の割合が高い品種のため、スパークリングワイン、軽やかな白ワイン、長期熟成に耐えるポテンシャルがあるしっかりしたボディのものと様々なタイプのワインを造ることができます。
※酒石酸:ワインに含まれる酸の中で最も高い割合を占めます。酒石酸は、ワインの成分を安定させます。長期保存を可能する力を与え “ワインの骨格を形成する”重要な役割を担います。
海のワイン ヴェルディッキオ ディ カステッリ ディ イエージ
ヴェルディッキオ種の銘醸地は二つあり、一つが海寄りのカステッリ ディ イエージです。州都アンコーナの港町から約20kmほどの距離に位置していて、エジノ川両岸の丘陵地帯(標高200m~500m)に広がっています。粘土と石灰岩が混じる土壌。アドリア海に近いため温暖で乾燥した気候がブドウの生育にピッタリな環境をもたらします。
DOCヴェルディッキオ ディ カステッリ ディ イエージには、白ワインの他にスパークリングと陰干しブドウを使う甘口タイプがあります。
ヴェルディッキオ種を85%以上を使用。特定の古い生産地域で造られればクラシコとラベル表記が可能です。温暖な丘陵地帯のため果実感のあるフレッシュ&フルーティーなタイプから、酸をしっかり残した長期熟成向けのタイプまで様々です。DOCGのリゼルヴァは、白ワインのみとなり、18か月以上の法定熟成期間が設けられています。
DOCヴェルディッキオ ディ カステッリ ディ イエージには、白ワインの他にスパークリングと陰干しブドウを使う甘口タイプがあります。
ヴェルディッキオ種を85%以上を使用。特定の古い生産地域で造られればクラシコとラベル表記が可能です。温暖な丘陵地帯のため果実感のあるフレッシュ&フルーティーなタイプから、酸をしっかり残した長期熟成向けのタイプまで様々です。DOCGのリゼルヴァは、白ワインのみとなり、18か月以上の法定熟成期間が設けられています。
山のワイン ヴェルディッキオ ディ マテリカ
一方、もう一つの銘醸地はマルケ州の内陸部にあります。イエージから南に下りアペニン山脈の麓、マテリカ渓谷周辺にあります。渓谷内のブドウ畑は、海の影響を受けない内陸性気候です。昼夜の寒暖差が激しく山のワインを産みます。
昼夜の寒暖差によりブドウが凝縮され、豊かな酸とミネラル分を蓄えます。その結果、長期熟成を前提とした高品質なワインが多く生産されています。
DOCヴェルディッキオ ディ マテリカは、1967年にマルケ州で初めてDOCに認定されています。DOCカステッリ ディ イエージと基本的な制約は同じですが、より長い法定熟成期間が設けてあります。リゼルヴァは、カステッリ ディ イエージ同様2010年にDOCGに昇格しています。
昼夜の寒暖差によりブドウが凝縮され、豊かな酸とミネラル分を蓄えます。その結果、長期熟成を前提とした高品質なワインが多く生産されています。
DOCヴェルディッキオ ディ マテリカは、1967年にマルケ州で初めてDOCに認定されています。DOCカステッリ ディ イエージと基本的な制約は同じですが、より長い法定熟成期間が設けてあります。リゼルヴァは、カステッリ ディ イエージ同様2010年にDOCGに昇格しています。
ヴェルディッキオ種の変革
ヴェルディッキオ種が素晴らしいワインを造るというのは昔から知られていて、古代ローマ時代からの文献にもその名前が出てきていました。その後、1954年にミラノ出身の建築家 アントニオ マイオッキがアンフォラ(古来よりワインを貯蔵していた土の甕)の形を模したデザインのボトルを考案した事で世界中に認知されるようになりました。
世界中でイタリアレストランでは代名詞のように人気を得ましたが、その知名度と人気に乗じて品質を低いワインも出回り「水のスープ」と揶揄されてしまう程でした。
1970年代。このことに危惧を感じた一部の生産者が、ヴェルディッキオ種による高品質なワインの生産に取り組み、ヴェルディッキオ種の改革が行なわれました。その後様々な生産者がそれに習い高品質ワインを造る流れができ、今では土地の特性を活かした多様性に富んだヴェルディッキオ種のワインが生産されています。
世界中でイタリアレストランでは代名詞のように人気を得ましたが、その知名度と人気に乗じて品質を低いワインも出回り「水のスープ」と揶揄されてしまう程でした。
1970年代。このことに危惧を感じた一部の生産者が、ヴェルディッキオ種による高品質なワインの生産に取り組み、ヴェルディッキオ種の改革が行なわれました。その後様々な生産者がそれに習い高品質ワインを造る流れができ、今では土地の特性を活かした多様性に富んだヴェルディッキオ種のワインが生産されています。
ヴェルディッキオと料理
カステッリ ディ イエージから程近い港町アンコーナは、豊富な魚介をトマトとワインで煮込んだスープが名物です。(ブロデット ディ ペッシェ アッランコネターナ)
山岳地帯でつくられるマテリカは、豚・鶏・うさぎなどのお肉料理がよく食べられているそうです。
スパークリングワインは、サラダや生ハムなど前菜にピッタリです。柑橘系の香りとほろ苦さが感じられる軽やかなタイプには、カルパッチョやアクアパッツァ、山菜の天ぷらなどもおすすめです。ハチミツを感じられる重厚感のあるタイプには、ブリの照り焼きや鶏の竜田揚げやポークジンジャーなどワインのボリュームに合わせてお料理を選んでみて下さい。
山岳地帯でつくられるマテリカは、豚・鶏・うさぎなどのお肉料理がよく食べられているそうです。
スパークリングワインは、サラダや生ハムなど前菜にピッタリです。柑橘系の香りとほろ苦さが感じられる軽やかなタイプには、カルパッチョやアクアパッツァ、山菜の天ぷらなどもおすすめです。ハチミツを感じられる重厚感のあるタイプには、ブリの照り焼きや鶏の竜田揚げやポークジンジャーなどワインのボリュームに合わせてお料理を選んでみて下さい。