ネッビオーロの可能性を秘めた北限の地
山のワインの「ヴァルテッリーナ」その特徴とお勧め10選
ロンバルディア州のヴァルテッリーナ地方では、アルプス山脈の南斜面に張り付くように並ぶ畑からワインが造られてます。ネッビオーロ種を主体とした赤ワインが有名で、ヴァルテッリーナ地方では、ネッビオーロ種をキアヴェンナスカと呼んでいます。
ヴァルテッリーナの歴史は古く、ローマ時代にまで遡ることが出来ます。イタリア王国成立直前に創設されたワイナリーもあり、その伝統を未来へと繋げています。コアなファンが多いヴァルテッリーナのワインですが、近年の環境変化の影響から注目度が高まり、新たなファンを続々と獲得しています。
ヴァルテッリーナの歴史は古く、ローマ時代にまで遡ることが出来ます。イタリア王国成立直前に創設されたワイナリーもあり、その伝統を未来へと繋げています。コアなファンが多いヴァルテッリーナのワインですが、近年の環境変化の影響から注目度が高まり、新たなファンを続々と獲得しています。
ヴァルテッリーナの環境
ロンバルディア州の北端、スイスと国境を接するソンドリオ県のヴァルテッリーナ地方は、アルプス山脈のヴァルテッリーナ渓谷にあります。非常に過酷な条件のもとでブドウ栽培している地域です。高山性気候のため、冬の寒さは厳格で夏は短いです。2003年に設立された協会には、多くの生産者が所属しており、協会で定められた規定や栽培方法など全生産者が守り助け合いながら素晴らしい品質のワインを生産しています。
ヴァルテッリーナ地方の畑は、非常に勾配のきつい段々畑が特徴的です。ほぼ崖のような畑もあり、作業は難を極めます。標高250mあたりから高いところでは、900m近くになります。標高があがれば上がるほど冷涼になるため、標高の高さで味わいが大きく異なる産地でもあります。
■標高300m~400mあたりの畑
気温が低い季節は冷気が谷底に流れ、湿気が多くなります。湿気が多いとブドウの皮は薄くなり、タンニンの少ないフレッシュで飲みやすいタイプのワインになります。
■標高が450m~600mあたりの畑
夏は湿気が少なく、冬も冷気は谷底へ下がるおかげで暖かいため、ブドウが完璧に熟します。秋は昼夜の寒暖差が激しく香り豊かなワインができます。
■標高600m~800mあたりの畑
冷涼な気候。酸が高く糖度の低い、皮の厚いブドウができます。このブドウは、乾燥させてから造るスフォルツァートに向いています。皮が厚いので乾燥中も破れず、菌が付きにくいです。
ヴァルテッリーナ地方の畑は、非常に勾配のきつい段々畑が特徴的です。ほぼ崖のような畑もあり、作業は難を極めます。標高250mあたりから高いところでは、900m近くになります。標高があがれば上がるほど冷涼になるため、標高の高さで味わいが大きく異なる産地でもあります。
■標高300m~400mあたりの畑
気温が低い季節は冷気が谷底に流れ、湿気が多くなります。湿気が多いとブドウの皮は薄くなり、タンニンの少ないフレッシュで飲みやすいタイプのワインになります。
■標高が450m~600mあたりの畑
夏は湿気が少なく、冬も冷気は谷底へ下がるおかげで暖かいため、ブドウが完璧に熟します。秋は昼夜の寒暖差が激しく香り豊かなワインができます。
■標高600m~800mあたりの畑
冷涼な気候。酸が高く糖度の低い、皮の厚いブドウができます。このブドウは、乾燥させてから造るスフォルツァートに向いています。皮が厚いので乾燥中も破れず、菌が付きにくいです。
キアヴェンナスカ もう一つのネッビオーロ
ネッビオーロ種はピエモンテ州のバローロ・バルバレスコの使用品種としても名が知られています。長期熟成させる事が出来るポテンシャルを秘めており、テロワールの影響を大きく受ける品種です。ネッビオーロ種は果皮が薄く、種が大きいので酸味とタンニンが高い品種です。果皮の薄さはデリケートさに直結していて病害に弱いので、育つ環境がそぐわないと成熟しない気難しい品種なのです。
ヴァルテッリーナ地方は、ネッビオーロ種に適した土地です。すぐ北にそびえるアルプス山脈の一つ、ベルニナ山から吹き下ろす冷気が畑を病気から守り、しっかりと熟すまで生育期間を長く保つことが出来ます。
ヴァルテッリーナの土壌はイタリアでは珍しい酸性土壌で、PH は 4.5~5.5 と かなり低く、酸度が高い葡萄が収穫されます。砂が混じるヴァルテッリーナは、粘土質土壌に比べ保水性はなく、痩せた乾燥した土壌です。その結果、石灰、粘土の比率の高いバローロ・バルバレスコのネッビオーロと比べ、ヴァルテッリーナのネッビオーロは、エレガントなスタイルのワインになります。
ヴァルテッリーナ地方は、ネッビオーロ種に適した土地です。すぐ北にそびえるアルプス山脈の一つ、ベルニナ山から吹き下ろす冷気が畑を病気から守り、しっかりと熟すまで生育期間を長く保つことが出来ます。
ヴァルテッリーナの土壌はイタリアでは珍しい酸性土壌で、PH は 4.5~5.5 と かなり低く、酸度が高い葡萄が収穫されます。砂が混じるヴァルテッリーナは、粘土質土壌に比べ保水性はなく、痩せた乾燥した土壌です。その結果、石灰、粘土の比率の高いバローロ・バルバレスコのネッビオーロと比べ、ヴァルテッリーナのネッビオーロは、エレガントなスタイルのワインになります。
DOC・DOCG ヴァルテッリーナ
ヴァルテッリーナには全部で次の3つのDOPワインが存在しています。
DOCヴァルテッリーナ ロッソ / ロッソ ディ ヴァルテッリーナ
ネッビオーロ種90%以上使用で、6カ月間の瓶内熟成が必要です。ソンドリオ全域で生産可能です。
DOCG ヴァルテッリーナ スペリオーレ
ネッビオーロ種90%以上使用で、2年間の熟成期間必要です。リゼルヴァでは3年以上になります。ソンドリオ県内の複数の村から造られます。5つの村を「ソットゾーナ」としており、村名をラベルに記載することが出来ます。以下に5つのソットゾーナを紹介します。
■マロッジャ
親しみやすさがあり上品な果実味を持ちます。
■サッセッラ
ほぼ崖のような畑で、人力のみで全ての作業を行なう必要があります。生産数が少なくロンバルディア最高品質とも称されます。
■グルメッロ
フレッシュで繊細。口当たりは滑らかで柔らかいワインになります。
■インフェルノ
ヴァルテッリーナ中最も暑く非常に急斜面です。力強くふくよかで余韻の長いワインになります。
■ヴァルジェッラ
エレガントで繊細なタンニンと、ミネラル感が強く感じるワインになります。
DOCGスフォルツァート ディ ヴァルテッリーナ/ スフルサット ディ ヴァルテリーナ
ネッビオーロ種90%以上使用して3か月ほど陰干しブドウで造られる辛口ワインです。20ヶ月熟成の内、12ヶ月は木樽熟成とします。濃いルビー色で力強い果実のアロマを感じられる味わいです。もともとは寒冷地で造る「薄い」ネッビオーロを濃くして飲みごたえを持たせる為に造られていたものです。
DOCヴァルテッリーナ ロッソ / ロッソ ディ ヴァルテッリーナ
ネッビオーロ種90%以上使用で、6カ月間の瓶内熟成が必要です。ソンドリオ全域で生産可能です。
DOCG ヴァルテッリーナ スペリオーレ
ネッビオーロ種90%以上使用で、2年間の熟成期間必要です。リゼルヴァでは3年以上になります。ソンドリオ県内の複数の村から造られます。5つの村を「ソットゾーナ」としており、村名をラベルに記載することが出来ます。以下に5つのソットゾーナを紹介します。
■マロッジャ
親しみやすさがあり上品な果実味を持ちます。
■サッセッラ
ほぼ崖のような畑で、人力のみで全ての作業を行なう必要があります。生産数が少なくロンバルディア最高品質とも称されます。
■グルメッロ
フレッシュで繊細。口当たりは滑らかで柔らかいワインになります。
■インフェルノ
ヴァルテッリーナ中最も暑く非常に急斜面です。力強くふくよかで余韻の長いワインになります。
■ヴァルジェッラ
エレガントで繊細なタンニンと、ミネラル感が強く感じるワインになります。
DOCGスフォルツァート ディ ヴァルテッリーナ/ スフルサット ディ ヴァルテリーナ
ネッビオーロ種90%以上使用して3か月ほど陰干しブドウで造られる辛口ワインです。20ヶ月熟成の内、12ヶ月は木樽熟成とします。濃いルビー色で力強い果実のアロマを感じられる味わいです。もともとは寒冷地で造る「薄い」ネッビオーロを濃くして飲みごたえを持たせる為に造られていたものです。
温暖化による注目
近年の温暖化の影響は大きく、世界中のワイン産地で様々な変化が起きています。気温の上昇により、ブドウの糖度が上がり、果実味や重厚感が前面に出やすくなっています。その為、酸を維持したエレガントさを重視した味わいを求める人々は、冷涼なワイン産地に目を向けるようになりました。ヴァルテッリーナも、そのひとつです。昔は寒冷すぎて充分な熟度が得られにくい地域でしたが、今では充分な日照量と気温のバランスが取れていて、酸味も伴った素晴らしいブドウが収穫できています。
以前のヴァルテッリーナのワインは、陰影に富み果実味よりはスパイスやなめし皮の印象が強く固さのあるワインでした。近年は、酸を保ちながら柔らかい果実感もあり、タンニンも熟しているため柔和で飲み心地の良いワインが増えてきています。また、かつてはビックヴィンテージと呼ばれた気品に満ちたワインが、毎年のように生産されるようになってきています。
以前のヴァルテッリーナのワインは、陰影に富み果実味よりはスパイスやなめし皮の印象が強く固さのあるワインでした。近年は、酸を保ちながら柔らかい果実感もあり、タンニンも熟しているため柔和で飲み心地の良いワインが増えてきています。また、かつてはビックヴィンテージと呼ばれた気品に満ちたワインが、毎年のように生産されるようになってきています。
ヴァルテッリーナと料理
ヴァルテッリーナがあるロンバルディア州ソンドリオ県は、山のワイン産地です。アルプスの麓でもあるためにかなり寒さもあり過酷な環境であります。痩せた大地のため作物は育ちにくく、狩猟・酪農の食事が多いです。この地方特産の牛肉のハムのブレザオラや羊乳で造られたチーズもあります。小麦の代わりに蕎麦を育てているのも特徴的で、ピッツォッケリというそば粉を使ったパスタにじゃがいもとチーズたっぷりのソースを絡める素朴ながら濃厚な味わいの郷土料理が親しまれています。
北のネッビオーロらしく、酸味を活かして楽しむことをおすすめします。トマト煮込みなど酸が残る料理の仕立てのものが寄り添いやすいです。スフォルツァートなど陰干したものには、ジビエなど食べ応えのある素材や牛肉、肉感をより感じられる塊での煮込みをお試しください。
北のネッビオーロらしく、酸味を活かして楽しむことをおすすめします。トマト煮込みなど酸が残る料理の仕立てのものが寄り添いやすいです。スフォルツァートなど陰干したものには、ジビエなど食べ応えのある素材や牛肉、肉感をより感じられる塊での煮込みをお試しください。