TUSCANY イタリアワインとグルメ食材の店
Interview

突撃インタビュー

2017/07/27

ヴィーノ デッラ パーチェ 内藤和雄ソムリエ

「イタリアワインの巨匠」内藤ソムリエによるフランチャコルタ「モンテロッサ」と料理のマリアージュ

ヴィーノ デッラ パーチェ 内藤和雄ソムリエと
1972年創業の「モンテロッサ」はフランチャコルタのみ造り続けるこだわりの生産者で、先代のオーナー、パオロ氏はフランチャコルタワイン協会の初代会長を務める等、昔からこのエリアを代表する「顔」と言うべき存在で、伝統的味わいのフランチャコルタでプロフェッショナルからも安定した人気を誇っています。今回、日本における「イタリアワインの巨匠」である西麻布『ヴィーノ デッラ パーチェ』の内藤和雄ソムリエにモンテロッサの魅力、ソムリエならではの視点による「フランチャコルタと料理のマリアージュ」、レストランにおけるフランチャコルタのサービスについてお話を聞きました。

日本におけるイタリアワインの第一人者

内藤ソムリエ内藤和雄ソムリエ

西麻布の『ヴィーノ デッラ パーチェ』ディレクター兼シェフソムリエ。日本におけるイタリアワインの第一人者。1987年より定期的にイタリア各州を訪問し、イタリア全州のワインと料理、風土を学ぶ。第3回イタリアワインソムリエ技能コンテスト優秀ソムリエ。第1回ポメリーソムリエスカラシップ ファイナリスト。第1回JET CUPイタリアワインベストソムリエコンクール優勝。ワイン関連の出版物にも多数登場、ワインスクール講師を務める等、ソムリエの視点でイタリアワインの魅力を伝える「巨匠」的存在。

「モンテロッサのような華やかなフランチャコルタは数える程」

「フランチャコルタしか造っていない」
まず、モンテロッサについてですが、「フランチャコルタしか造っていない」という点が一番の特徴です。カンティーナにも2度訪問しましたが赤、白ワインは造っていません。そこが潔く、こだわりが感じられます。私のお店でもモンテロッサの「プリマキュヴェ」、サテン「サンセヴェ」、トップキュヴェの「カボション」を取り扱っています。


「モンテロッサのような華やかなフランチャコルタは数える程」
変に凝縮させた強い味わいではなく「大人が飲んで楽しいスプマンテ」だと思います。モンテロッサは昔ながらのフランチャコルタの良さを残しながら、非常に華やかさがあります。モンテロッサのような華やかなフランチャコルタは数える程で、特にカボションは泡好きの方に共通する華やかな味わいがあります。そしてカボションの「コストパフォーマンスの高さ」。この値段でゴージャス感が味わえるのが魅力の一つです。

地図

「標高が高く、日当たりが良さと風が良く吹き抜ける恵まれた畑」
モンテロッサの畑は他のフランチャコルタより標高が高く、森に囲まれた環境にあり、イゼオ湖の水面が見える高さに位置しています。日当たりの良さ、風が良く吹き抜けるので、(これらの要因が)エレガントな味わいに繋がっていると思います。

ブドウはコルドン仕立てですが、他のフランチャコルタと違ってブドウをあえて高く仕立てています。その高さは地面から70センチで、イゼオ湖からの湿気をケアした栽培となっています。カ デル ボスコはシャンパーニュと一緒で30センチの高さで仕立てています。19のクリュを畑の周りだけではなく離れた場所にも所有していて、色々な場所のブドウが使える古株のワイナリーならではの強みもあります。

セラーフリウリのフェッルーガの樽を使って熟成
モンテロッサのフランチャコルタは全てオーク樽を使っています。スタンダードにも一部使っています。キュヴェ毎にその割合は異なります。使う樽はバリックが主流で、私がモンテロッサに行った時は300リットルの樽もありました。フリウリのフェッルーガの使い古した樽をもらい受けて使っています。樽の効きが上品で、嫌な感じがありません。

モンテロッサの味わいが総じてデリケートな要因のひとつとしては、液体の醗酵にポンプを使わないでエレベーターを使っています。つまりタンクがそのままエレベーターになっていて、タンクごと果汁を上に移動させています。同じ階にはポンプは使いますが、上下移動には必ずエレベーターを使っています。(果汁に余計は負荷がかからない)

フランクシナトラ夫妻に愛される最高峰キュヴェ「カボション」

カボションフランクシナトラ夫妻に愛される最高峰キュヴェ「カボション」
「カボション」 は、モンテ ロッサ社が20 周年を迎えた1992 年に、ファースト・ヴィンテージ1987 がリリースされました。宝石のカット方法の呼び名である「 カボション」 は、その名にふさわしくイタリアの高級宝飾ブランド「ブチェラッティ」のデザイナー、ジャンマリア・ブチェラッティによるデザインのラベルをまとい、幸運にも恵まれリリースとともに大成功を収めました。 そして2004 年、ガンベロ ロッソ社が発行するイタリアワインガイドで優秀スプマンテに選ばれる栄誉を与えられました。 カボションを初めてリリースしたときフランク シナトラの妻バルバラの開催した慈善パーティでカボションを提供したところ出席していた著名人、そしてシナトラ夫妻から熱狂的な賞賛を受け、一気に知名度を高めるという幸運に恵まれました。

「肩肘張って飲む必要もないけど、魅力がいっぱい詰まっている。そんなフランチャコルタです」

ここからはフランチャコルタを試飲しながら、お店ではどんなシチュエーションで使うのか、料理とのマリアージュについて、お話を聞きました。

料理によってフランチャコルタを使い分ける
私のお店ではアッビナメント(ワインと料理との相性)を求めていらっしゃるお客様が多いので、まずその日のスタートのお皿が「どんな泡に合うのか」という所からフランチャコルタを決めます。その為には色々な味わいのタイプのスプマンテが必要です。取り扱っている泡は瓶内二次醗酵のものに限っています。基本的に最初に使用するスプマンテは、フランチャコルタ、トレント、アルタランガの物が多いです。最近では土着品種のスプマンテもあります。そういった様々なタイプの中から、その日の最初のお皿に合わせて決めていきます。

~「魔法を使ったように一瞬で人が笑顔になれる」そんなフランチャコルタ。~
プリマキュヴェQ.
モンテ ロッサのスタンダード「プリマキュヴェ」はフランチャコルタらしからぬ味わいの深さがありますね。


恐らくブドウ樹の仕立てが古いからだと思います。モンテロッサの創業は1972年と古く、フランチャコルタの歴史が始まってすぐの生産者です。ブドウ樹の密植度も1ヘクタール当たり5000株で、シャンパーニュ等から比べるとかなり緩やかな密植度です。

モンテ ロッサを飲んで、いつもと思うのは「気難しさが無く、味わいが厳しくなりすぎていない」と言う点です。モンテロッサを飲むと、すぐに楽しくなってしまう良さがあり、ホッとさせてくれる享楽的な味わいがあり、好きですね。「魔法を使ったように一瞬で人が笑顔になれる」そんなフランチャコルタです。また、アウトドア等でお友達と緊張をとき解すかような、そんなシチュエーションで使いたいフランチャコルタです。

~「肩肘張って飲む必要もないけど、魅力いっぱい詰まっている。」~
「プリマキュヴェ」は初めての顔合わせの接待での最初のワイン、女性が3割~5割いらっしゃるようなお席、レストランで少し緊張されている方に、お出ししたい気難しさのない味わいです。是非30~40代方に飲んでもらいたいですね。肩肘張って飲む必要もないけど、魅力がいっぱい詰まっている。そんなフランチャコルタですね。



~ガス圧が低いからこそ原酒の質が問われるフランチャコルタ「サテン」~
サンセヴェQ.
「サテン」は他のフランチャコルタに比べガス圧が低いですが、どのような工程からですか?


糖分の量を調整する事でガス圧は調整されます。4~6gで一気圧が目安となっています。ですので、ガス圧の低いサテンは、一般的なフランチャコルタに比べ糖分添加が少ないです。だからこそ原酒となるブドウの味わいがハッキリと分かります。だから造りに手が抜けない。生産者自ら高いハードルを掲げる事でフランチャコルタにしかない「サテン」が成立しているのです。

私の好きなサテンの一つ「サンセヴェ」
サテン「サンセヴェ」はサテンの特徴は柔らかい味わいです。モンテロッサらしい酸も保ちながら、繊細さも持ち合わせていて、余韻も感じられる。私の好きなサテンの一つですね。お店ではアペリティーヴォで出す事もあります。ガスが強くなく、飲みやすいので緊張したご接待のテーブルに持っていくと、ついつい飲み過ぎて本音が出てしまうようですね(笑)サテンはお客様同士が楽しめる飲み心地と、品の良さも持ち合わせています。

「フランチャコルタは買ってすぐ飲むよりも数日置いた方がベター」

ビリヤード

~フランチャコルタは買ってすぐ飲むよりも数日置いた方がベター~
Q.
自宅でフランチャコルタを美味しく飲むアドバイスを教えて下さい。


泡はクリーミーなものと相性が良いですね。デリケートな味わいもあるので乳製品やチーズが良いでしょうね。味が強すぎる種類の物よりは軽やかなタイプが良いです。

そして、しっかりと冷やしておいた方が良いですね。その日に買ってきたものではなくて、冷蔵庫で数日冷やした方が味(泡)が落ちつきます。扉の内側だと開け閉めで泡が揺られてしまい衝撃をうけるので、野菜室等での保管が良いですね。食べ物なら迷ったお寿司ですね。酢飯には合うと思います。

私のお店では非常に気を付けていて、少しでも衝撃を与えたボトルは使いません。お店でスプマンテに触る事が出来るのは私だけです。スプマンテは冷蔵庫の中で冷風の位置を考慮してよく冷える場所を把握して都度場所をローテーションしています。

隣のボトルにコツンと当たってしまったものでもお店では出していません。私たちはプロフェッショナルなので、最初の一杯から「美味しい」と思ってくださらなければ、仕事をやる意味はないと思います。最初の一杯がお店の第一印象を決めます。「アスタビリゼーション」(安定した味わい)を目指して保管、サービスをしています。

また、お店ではお客様のシチュエーションのよって温度を変えています。そのお客様が歩いてきたのか、そうでないかによって空調も変えます。空調によってもワインの味わいが変わってくるので。冷たいスプマンテをお出しする時はあえて空調を切る時もあります。逆に冬場だと寒くなりがちなので気を付けています。どの席が暖房が効いているかを把握して、出すワインの温度を都度変えています。

~泡は総じてマグナムボトルの方が美味しい~
マグナムボトルQ.
マグナムボトルは使いますか?


泡は総じてマグナムボトルの方が美味しいですね。大きいボトルの方がゆっくりと熟成が進みます。また、人数にもよりますが。ホームパーティー等にはフルボトルよりマグナムが効率的です。ホームパーティーだと準備に追われ、最初のお出迎えから乾杯までフルボトルだとワインが間に合わない、足りないケースもありますが、マグナムを冷やしておけば、料理を造りながらでも次のボトルを準備する手間が無くなり、対応しやすいです。

そして、いよいよ内藤ソムリエとの試飲です!!

今日初めてスプマンテを飲むという方でも惹きつける楽しさ

口当たりの柔らかさがモンテロッサの信条で、今日初めてスプマンテを飲むという方でも惹きつける楽しさがあります。安定感抜群で、常に口当たりの柔らかさがあり、キレの良さも感じます。

口に入った瞬間に味わいが横に広がり、スタンダードでもあっても華やかさがあります。「フランチャコルタが一瞬の内に人を楽しくさせる泡である」とするならば、プリマキュヴェはその代表的な例だと言えます。
プリマ キュヴェ フランチャコルタ ブリュットNV

試飲
コメント

薄いライムイエローの色調で、香りは白い花、キンモクセイ、ほおずき、洋梨、メロンの香りがあります。ガスはクリーミーに溶け込んでいます。口当たりの柔らかさ、モレーン土壌の塩味、ミネラル感があり、非常に軽やか。ベースとして飲むには十分過ぎる味わいです。

サーモンとサワークリームのクレープ巻き、ロメインレタス、クルミ、スライスしたリンゴを使ったサラダを自家製のサワークリームで。また酢飯にも相性が良く、難しい組み合わせとされるコハダでも新子(生後4か月位の呼び名)だったら合わせられそうです。白身魚のコチ、カレイをレモン等の柑橘の風味で、ユリ根や白アスパラの天ぷらとも面白いと思います。プリマキュヴェは日本ソバもいけそうです。この場合は二八ソバが良いでしょう。

合わせるバリエーションが多いですね。全ての事を想起させる最も近くに置いておきたいとフランチャコルタだと思えるし「高いものだけが良いものではない」という事を体現しています。「お手頃な価格で小さな喜びがあり、常に裏切らないフランチャコルタ」です。

ご自宅のパーティー、ベランダでのんびりと飲みたいフランチャコルタ

シャルドネ100%のブラン ド ブランです。他のフランチャコルタに比べ酸がしっかりとしています。フィネスがあり、優雅でクリスピー。香りも楽しめ、「ランクがひとつ上がった雰囲気」があります。心なしか残糖も少なく感じます。ミネラルも高めで存在感があり、塩っぽいミネラルを持つキメ細やかなワインです。

アッパーな接待や普段はシャンパーニュを飲むような経験値のある方にアペリティーヴォでお出ししたいフランチャコルタですね。
PRブリュット フランチャコルタ ブランドブランNV

試飲
コメント

夏山の草を食べて育った牛のミルクで造ったチーズ「ストラッキーノ」をパンの上に載せて。セミハードであれば、牛だけではなく羊も入ったチーズ、または、バッカラのムースに。

バンバンジーをゴマダレで。ゴマダレで食べる豚しゃぶと食べる水菜のシャキシャキ感にも合います。お寿司だと、しっかりと包丁仕事が入った質の良い赤貝もいいですね。塩味もあるので小さなアワビ、鰆、太刀魚にも合います。非常に整った辛口の味わいがあります。プリマキュヴェが入門編とするならば、PRブリュットは「より良い食事を食べたくなる味わい」があります。残糖が少ないスタイルで飲みやすく、酸が高いので、温度が上がっても味がブレていないですね。常に良い酸の状態を保ってくれているので、ご自宅のパーティー、ベランダでのんびりと飲みたいフランチャコルタですね。

仔牛、仔羊とも合わせられるフランチャコルタ

ラズベリー、グロセイユ、熟度を感じるミルキーな香りがあります。一次発酵の44%をオーク樽使用しています。ドサージュしていないので余韻が長い。例えば、メインディッシュの肉料理で乳のみ仔牛のロースト、子羊のローストに合わせた時、赤ワインが飲めませんと言う方にお出ししたいですね。
クペ フランチャコルタ ノン ドザートNV

試飲
コメント

サワークリームの上にキャビアを載せて。ドサージュしていないので、キャビアとの相性も良いです。焼き鳥のささ身を塩で少し半生程度に焼いたものや、お寿司であればヒラメや鯛、温度が少し上がったら少し苦味が感じられるのでスズキも良いでしょう。

温度によって勧める料理を変えるかも知れません。あとアジアン料理のカオマンガイ(蒸し鶏料理)鶏出汁のライスも良いでしょう。温度が上がるとクリーミーさとボリュームが勝ってくるので、野菜料理よりも肉や魚といったタンパク質メインの料理と合わせた方が良いですね。時間が経つとノンドゼのピュアな味わいにバターの風味の華やかさが出てきましたね。温度が上がってもシャンパーニュを飲んでいるかような品の良さがありノンドゼの特徴が感じられます。

私の好きなサテンの一つ。穏やかさ、デリケートさがあり構えずに楽しめる

シャルドネ100%のサテンです。熟れた洋梨、パイナップル、パパイヤ感じられる香り。ガスはキメ細やかで溶け込んでいます。サテンの柔らかな味わいを楽しむには温度は低めが良いでしょう。

サテンは最初から強いガスに頼らないワインの構成となっていますので、繊細さと言う点ではより気を使っていると言えます。つまり良いブドウを使わないとサテンの本当の魅力は出て来ません。だからこそサテンは他のレンジに比べ値段が高いと言えます。
サンセヴェ フランチャコルタ サテン ブリュットNV

試飲
コメント

モンテロッサらしい酸も保ちながら、繊細さも持ち合わせていて、余韻も感じられる。私の好きなサテンの一つですね。お店ではアペリティーヴォで出す事もあります。ガスが強くなく飲みやすいので緊張した雰囲気の接待のお席に持っていくと、ついつい飲み過ぎて本音が出てしまうかも知れませんね(笑)

サテンはお客様同士が楽しめる飲み心地と、品の良さも持ち合わせています。色々な料理と合いますね。手軽なのはクラッカーにカッテージチーズのせたもの、レストランであれば、生ハムをムースにしたもので直接的な塩味ではなくマイルドな味わいが合いますね。ズワイカニでチャーハンなどにも良いですね。酢飯にも合います。寿司だと金目も合います。かんぴょう巻を食べ終わって咀嚼し終わった後に飲むとサッパリとします。サテンは穏やかさ、デリケートさがあるので構えずに普通に楽しめる良さがあります。

小さいからこそ目が行き届く品質のヴィンテージフランチャコルタ

ブドウの出来が良かった年のみ、日当たりと条件の良い9つの自社畑から厳選して収穫したシャルドネ100%で造られるミッレジマートフランチャコルタがサルヴァデックです。SALVADEK とは、ロンバルディアの方言で「野性的」という意味があります。95%は最良のクリュのブドウを醸造、5%はリザーブワインを使用しています。

ある程度リザーブワインを所有している生産者はベッラヴィスタ、カデルボスコやコントラット等です。モンテロッサはフランチャコルタの中でもリザーブワインを持っている生産者です。カデルボスコに比べ規模は小さいですが、小さいからこそ目が行き届く品質があります。
サルヴァデック フランチャコルタ エクストラ ブリュット ミッレジマート2010

試飲
コメント

熟成香の複雑な香り。リザーブワインは5%のみしか使っていませんが非常に複雑な印象です。辛口でブリウォッシュを思わせる香りがあり、イースト香がハッキリと感じられ、酸も豊富で残糖も少ないですね。ミレジマートでありながら複雑です。

ツナと相性が良いですね。ツナサンドと合わせてみたくなります。ミネラルが豊富で苦味も良いです。塩茹でしたレンズ豆のサラダをオリーブオイルで。味の爆発力があるのでお肉料理とも併せてみたいです。ローストポークを塩とオリーブオイルの味付けで。四国等で食べられている、たちうお天等の白身魚の天ぷらも良いですね。

ゴージャスな香りとミネラルの旨み、シャルドネ自体のボリュームとピノネーロの豊かなアロマ

香りも最初からとても華やかですね。ブリウォッシュ、クロワッサン、モカ、タバコ、パイナップル、ジュニパーベリーのゴージャスな香りです。温度は冷やしめの方が味わいの重心が低くなり、余韻もより強く感じられます。前半部分のゴージャス感は凄いですね。ミネラルの旨み、塩っぽさ、シャルドネ自体のボリュームも感じられますし、ピノネーロのアロマも豊かです。

フランチャコルタの南にレストランがあって、そこで食べた料理が伝統的な仔牛肉のロースト。ミルクで炊いて臭み抜きをしたニンニクのペーストがお肉の下にひいてあってカボションと合いました。
カボション フランチャコルタ ブリュット ミッレジマート2011

試飲
コメント

リコッタチーズを使ったラビオリのバターソース、温かいブリウォッシュとフォアグラ、パイの中にエビやクリームを詰めたもの、お寿司ならば天然のカンパチ、シマアジ、金目鯛等、噛み応えがある魚、焼き鳥ならばハツ、ももを塩焼きで。

牛肉のカルパッチョを肉の香りを炊き込んだマッシュルームとビネガーで味付けしたものにタマゴタケ(キノコ)のスライスにゆで卵、パルミジャーノスライスを添えて。マイタケ、しめじの天ぷらを天つゆで。中華のきくらげ、ピータン、北海道のチャンチャン焼きでも良いですね、しめじバターソテーや、仔牛のミルク煮込み等も相性が良いですね。

インタビューを終えて

内藤ソムリエがフランチャコルタと合わせるマリアージュ料理が驚きの連続でした。イタリア料理のみならず、和食、中華、アジアン料理までとっても幅広く、次から次へとドンドンと思いもしないような意外な組み合わせ、かつ素晴らしいマリーアジュの表現で、想像するだけで終始お腹がすいてしまった、なんとも贅沢なインタビューとなりました。

常に研究を怠らない内藤ソムリエが、こそっと話してくれたのが、「タンニンの強いサグランティーノに柴漬けに合う事を発見したんですよ」「世界一お金のかからないマリアージュ」と笑って話してくれました。これには一同大爆笑。柴漬けのポリフェノールがサグランティーノのタンニン(ポリフェノール)と非常に合うのだとか。「学会が有ったら発表したいですね」とまたまた大爆笑。理論に基づいた的確なコメントがありながらも、お客様を楽しませるユーモア、ホスピタリティがあって「流石は超一流」と改めて納得。

ついつい頭で考えがちなワインと料理のマリアージュですが、話を聞いて、色々料理と楽しんで見たくなりました!内藤ソムリエも「モンテロッサはどのキュヴェも個性がありその造り分け感が凄く、それぞれ一つ一つがどれも心おきたくなる程のレベルの高さがあります」と太鼓判を押していました!モンテロッサのミュズレ(コルクを止める針金)はビリヤードの球を模していて、番号はランダムに入っているそう。味わいのレベルの高さもさることながら、モンテロッサのミュズレも集めてみたくなる楽しさもありますね。
ヴィーノ デッラ パーチェ 内藤和雄ソムリエとトスカニースタッフ

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