TUSCANY イタリアワインとグルメ食材の店
Interview

突撃インタビュー

2022/10/19

ロベルト ダモンテ氏 Mr. Roberto Damonte

アルネイス最古の畑「レネジオ」の8割以上を所有!複数のクリュやSO2無添加、熟成VTまで多種多様なアルネイスを生み出すロエロ屈指の造り手「マルヴィラ」突撃インタビュー

生産者さん
ピエモンテ南部ロエロ地区を代表する家族経営ワイナリー「マルヴィラ」。バローロ、バルバレスコを生む銘醸地ランゲ地区と川を挟む形で隣接する同地区は、ネッビオーロビアンコとも呼ばれるアルネイス種の名産地として知られています。1950年に創業したマルヴィラは、そのアルネイス最古の畑として知られる「レネジオ」の80%以上を所有する生産者。生産するアルネイスのラインナップは多岐にわたります。畑違いのアルネイス、長期熟成ポテンシャルを秘めた熟成アルネイス、SO2無添加アルネイスなど、ロエロというテロワールを表現しつつ、一貫して口当たりの柔らかい上品なワインを生み出しています。今回は、当主のロベルト氏をお招きしてお話を聞きました。

ロエロ地区で700年の歴史を持つダモンテ家が所有するアルネイス最古の畑「レネジオ」

――それでは、今日はよろしくお願いいたします。お久しぶりですね。
 ちょうどコロナ騒ぎの時に来日して以来なので、3年ぶりの日本です。3歳、年を取ってしまいましたね(笑)。さて、今日はお時間いただきましてありがとうございます。マルヴィラはロエロに拠点を持つ家族経営ワイナリーです。私たちダモンテ一家は700年前からロエロに住み、農業を営んできました。私の父ジュゼッペの代から、ブドウ農家として情熱を注いできました。私が醸造学校を卒業する頃に所有していた畑は2.5ヘクタールでした。その後、徐々に拡大を続けていき、今となっては43ヘクタールまで広げています。

 コロナの間、息子たちも会社に入りました。私の一人息子ジャコモは醸造部門として働いています。私の弟マッシモの息子たちも参画しています。「ヴィッラ ティボルディ」というレストランとホテルが併設されたアグリツーリズモも家族で運営しています。本当に素晴らしい場所なので、ぜひいらしてくださいね。


ロベルト氏が参画後、徐々に拡大を遂げて複数のクリュを所有!
8割以上も所有するアルネイス最古の畑「レネジオ」

――ロベルトさんは、いつマルヴィラに参画したのですか?
 1981年です。仕事を始めてから数ヶ月した時に、「サリエット」という畑の小さな区画を購入しました。実は、その年に結婚もしたのですが、妻への最初のプレゼントがそのサリエットの畑です(笑)。トラクター付きでね(笑)。

――そんな人、なかなかいないですよね(笑)。
 私から離れないようにテストしたんです(笑)。1983年になると、「レネジオ」という最も歴史あるアルネイスの畑でブドウを栽培し始めました。文献によると、1478年にはアルネイスを栽培していたという記録があるほどの畑です。最初は、15年ほど借地として利用していて、その後チャンスがあり購入しました。

――どれほどの面積があって、誰と分割しているのですか?
 全部で9ヘクタールあります。そのうち、7.5ヘクタールをマルヴィラが所有しています。それ以外は、4つの会社が分けて生産しています。

バローロ生産エリア、ラ モッラ村ボイオーロ区画にも所有!
 次の大きな買い物は、カンティーナがある「トリニタ」でした。丘の上にある礼拝堂から名付けられた畑です。ダモンテ一家の中心であるカンティーナ、自宅、ヴィッラ ティボルディが位置しています。私たちのメインとなる畑はトリニタとレネジオで、少しずつ他の畑やクリュを増やしていきました。

 2006年には、ラ モッラ村のボイオーロという区画の畑を購入しました。私の姉が嫁いだ先がバローロの畑を所有していたので、いくつかの畑を購入しました。「なぜロエロの生産者がバローロの畑を所有しているのか」とよく聞かれるのですが、いつも「姉とバローロの土地を交換したんです」と冗談を言っています(笑)。

――お姉さんの嫁ぎ先も生産者だったのですか?
 違う仕事をしています。ブドウ畑を所有していて、他の生産者に細かく貸していたんです。その区画をいくつか購入して、徐々にマルヴィラとしても拡大していきました。いいビジネスになりましたね(笑)。

複数のクリュアルネイスや有機栽培、SO2無添加、熟成VTまで!
創業当初から変化をいとわず挑戦し続ける「マルヴィラ」

異なる個性が見事に表現された3つのクリュ「トリニタ」「レネジオ」「サリエット」
マルヴィラは、ロベルト氏が「当初は奇妙なことだった」と話すように、クリュアルネイスを先駆けて生産し始めた造り手です。「トリニタ」「レネジオ」「サリエット」で造られる3つのクリュは、はっきりと個性の違いを感じ取れるほど見事に造り分けられています。

●トリニタ
カンティーナや住まいが位置するマルヴィラの中心地。1986年に購入した14ヘクタールの土地。砂粘土壌、南西から東を向いたすり鉢形の畑。

●レネジオ
アルネイス最古の畑。アルネイスのことをレネジオと呼んでいた時代があるほど。石灰粘土質土壌、カナーレにある南向きの畑。

●サリエット
レネジオの下方に位置する南向きから南西向きの畑。アルネイスに最も適した石灰粘土質土壌。

(左から、トリニタ、レネジオ、サリエット)

――試飲すると「トリニタ」「レネジオ」「サリエット」の3つのクリュは、面白いくらいに個性の違いがわかりますね。
 そうなんです。90年代初頭からクリュで造るようになりました。当時やっていた人はいなかったので、少し奇妙なことでしたね。

――どういった影響を受けられて、クリュで造ろうと思われたのですか。
 ブルゴーニュの影響が強いです。ブルゴーニュを訪れた時、区分けされているクリュを見て衝撃を受けました。クリュを表現する上で、農民として言えることは「種をまかなければ芽は出ない」といった気持ちでしょうか。今日まで試行錯誤をしながら少しずつ成果を出していきました。マルヴィラのワインを全て紹介するとなると3日ほど時間がかかりますが(笑)、ぜひともアルネイスの三つのクリュの違いは知っていただきたいですね。


変化をいとわないマルヴィラは、先駆けて生産したクリュアルネイスにとどまらず、有機栽培、SO2無添加、熟成ヴィンテージなど、多種多様なアルネイスの生産に挑戦し続けています。

2017年、EUオーガニック認証「ユーロリーフ」取得
 ワイナリーとしては、2014年に有機栽培でワイン生産を行うことを決めました。最初の1年は、土を洗浄する役目があるカラシナなどを畑と畑の間に植えました。その3年後にオーガニック認証を取得したので、2017年ヴィンテージからラベルに認証マークがつくようになりました。

――全てのワインに適用しているのですか?
 いくつかのワインは違います。全て有機栽培で生産していますが、隣接する(他の会社)の畑がそうでない場合は、オーガニックとは言えないため適用されないワインもあります。

――ロエロ地区でオーガニックの造り手は増えていますか?
 毎年少しずつ増えています。やはり考え方が変わってきている印象で、オーガニックに対して前向きな人は多くなっています。決して商業的な理由で行っているのではありません。私たちが住む場所(畑)ですし、自分自身の健康を考慮した結果です。そして、消費者のみなさんにも、いいワインを飲んでいただきたいという気持ちが大きいです。

空気に触れさせないよう徹底して造るSO2無添加ワイン
――SO2無添加である「ロエロ アルネイス No So2」は、独特でトースト香の印象が強いですね。それでいて非常に綺麗です。
 ありがとうございます。私が好奇心で造ったワインです。北欧では大変人気です。ナチュラルワインは、無添加と言っても少量含まれていることが多いですが、これは違います。SO2なしで造ると、6~7ヶ月すると品質が落ちる中、このワインは不思議とそれが起こりませんでした。

――SO2無添加にすることで、苦労されたことはありますか?
 まず、ブドウが完璧である必要があるので、とても難しかったです。一番大変で気を遣うのは、ボトリングをする時です。防御するものがないワインなので、空気には触れさせてはいけません。ボトルにCO2と窒素を通してからワインを入れていきます。完璧な機械でないとできないことです。こうして、実験に成功したものだけをリリースしています。

長期熟成ポテンシャルを秘めたワインを造るマルヴィラの哲学
バローロのような熟成を遂げる、歴史や情熱を体現した熟成ヴィンテージ


マルヴィラの歴史や情熱を体現した、知られざるロエロの熟成ヴィンテージ
「バローロのような熟成力を秘めたロエロのワインを知ってほしいです」

――今回試飲するワインにはバックヴィンテージのものも多いです。これはあえてストックしているのですか?
 マルヴィラにとって、バックヴィンテージとは歴史や情熱そのものです。その歴史を体現するという意味でも、熟成ワインを多くストックをしています。また、近年では、早く熟成させるために小さな木樽を用いて早くリリースする傾向がありますが、私たちの方針は逆です。ゆっくりと熟成させて、ワインの魅力が十分に抽出された頃にリリースすることを長年行ってきました。

 一般的にロエロは、熟成によって進化を遂げるエリアとしては認知されていません。しかし、こうやって5年、10年と経過したワインを飲んでいただくことによって、そのイメージは変わると思います。バローロのような熟成力を秘めたロエロのワインを知ってほしいです。私たちは、時を経て発展していくロエロのワインを体現している最中です。カンティーナには、98年のヴィンテージから試飲できるのですが、これは世界のソムリエから大好評です。

 アメリカのワイン収集家には、6~12ヴィンテージが入った木箱入りセットが大変好まれています。2019年に、『Vinous』誌の15人のジャーナリストに、異なる10VTを試飲していただいたことがあります。その時に大多数の方が好んだのが2008年ヴィンテージでした。興味深い熟成を遂げることがわかっていただけると思います。

複数区画ブレンドで造る表情豊かなエントリーアルネイス

ロベルト氏:
「5つの異なる区画から収穫したアルネイスを使用して造っている白ワインです。全てステンレスタンクで醸造していて、マルヴィラはどの白ワインもクリオマセラシオンは行っていません。最も多くの本数をリリースしています。そのため、年に3~4回ボトリングを行うので、最初のロットと最後のロットで微妙に味わいに違いが生まれます。最後にボトリングしたものは、この先も長く熟成していきます。消費者の方にとってはわかりにくいかもしれませんが、規則でロット番号を記載しないといけないんです。裏ラベルを見ていただくとわかります(試飲したボトルには“L4”と記載)」
ロエロ アルネイス2020

試飲
コメント

淡い麦わら色。マスク越しでも伝わる力強い香り。洋ナシなどの白い果実、青リンゴ、ミネラル感。柔らかく繊細な口当たり。綺麗な白い果実と芳しい風味の美味しさがあります。デリケートながらも、じわじわと果実味が口中に広がっていき、心地よい余韻を演出します。

奥深いミネラルと美しい酸!単一畑「トリニタ」の古樹アルネイス

ロベルト氏:
「ビオ認証を受けているクリュのアルネイスです。所有畑の中で一番大きなトリニタ畑の、最も樹齢の高いブドウだけを使用しています。このエリアはもともと海だったので、砂質土壌で貝殻が出てくるほどです。年によって異なりますが、一部で旧樽のオーク樽、ダブルバリック(450リットル)で造っています。木の香りをつけたいわけではないので、ワインを熟成させるためです。6月から7月にボトリング。お客様にはできるだけ古いヴィンテージ、前の年を選んでいただくようにしています。19年と20年は暑すぎる年ではなかったので、理想的なタイミングで収穫ができ、ブドウのポテンシャルが高くなりました。アルネイスはもともと酸が高いわけではなく若い時から飲みやすいですが、当然1~2年経ったほうが複雑味が増しますね」
ロエロ アルネイス トリニタ2019

試飲
コメント

淡い麦わら色。エントリーのロエロアルネイスに、厚みと南国系果実のニュアンスが加わった印象です。あとから白い花や黄色い花、ミネラル感が存在感を表します。口に含むと、柑橘の皮のような酸味が舌上を駆け上がります。全体的に優しく繊細な味わいで、かつ厚みもあります。力強さ、複雑さ、厚み、全ての要素が同程度のボリューム感で、バランスよく保たれています。

長期熟成ポテンシャルを秘めた単一畑アルネイスリゼルヴァ

ロベルト氏:
「私の妻にプレゼントした古いサリエット畑です。2018年からリゼルヴァとなりました。今までは、ダブルバリックだけでしたが、2500リットルのオーストリア産の大樽を使用するようになりました。ストッキンジェールというメーカーの樽です。バリック界のフェラーリですね(笑)。この変化による出来に、大変満足しているんです。このワインは、三つのクリュの中では最も長期熟成が興味深いです。フレッシュさがありながら、丸みやとろみ感があります」
ロエロ アルネイス サリエット リゼルヴァ2018

試飲
コメント

麦わら色。複雑で力強い魅惑的な香り。マンゴーなどの南国系果実や黄色い果実を感じさせます。口当たりは柔らかく非常にまろやか。香り同様の味わいが口中に広がり、あとからレモンのような柑橘果実のニュアンスを感じます。

アルネイス最古の畑「レネジオ」で造る熟成ロエロ アルネイス

ロベルト氏:
「ロエロアルネイス発祥の地、歴史ある畑レネジオです。有名なブルゴーニュのモンラッシェのような、アルネイスのトップワインですね(笑)。ステンレスタンク100%で造っています。レネジオの畑を表現したいので、木樽を使いたいと思ったことがありませんでした。しかし、サリエットに使用した2500リットルの樽(ストッキンジェール)がとても良かったので、今後は一部使ってみても良いなとも思っています。

私はこのワインに対してサフランのアロマを感じます。ブラインドで飲むと、2013年よりずっと若いワインだと感じていただけると思います。13年と14年は、近年における最後の冷涼な年だったので、収穫は9月中旬以降にしています」
ロエロ アルネイス レネジオ2013

試飲
コメント

綺麗に輝く麦わら色。南国系果実、柑橘系果実、梅、ハーブが香るクリーンなアロマ。口に含むとキレのある酸味があり、繊細でエレガントな味わいです。

長期熟成して飲み頃を迎えた単一畑「サリエット」の熟成アルネイス

ロベルト氏:
「私たちが所有する古い単一畑サリエットの2014年です。リゼルヴァになった2018年とは異なり、大樽ではなくダブルバリックを使用しています。私たちは早く飲めるワインを造るのではなく、時間をかけて熟成させてからリリースすることを心がけています」
ロエロ アルネイス サリエット2014

試飲
コメント

黄金よりの麦わら色。南国果実やバニラの繊細な香り。飲み口はスムースで、ミネラルと果実味が綺麗に溶け合うデリケートな味わいです。

熟成シャンパーニュのアロマが香るノンフィルター&SO2無添加アルネイス

ロベルト氏:
「これはトリニタの畑のアルネイスをステンレスタンクのみで造るノンフィルター&SO2無添加の実験的なワインです。多くのナチュラルワインは、無添加と言っても結局少量入っていますが、これは違います。SO2なしで造ると、6~7ヶ月すると品質が落ちてきますが、このワインは不思議とそれが起こりませんでした。従来はボトリングする際に、20度くらいに温度を上げてCO2を飛ばしますが、これはそのまま入れたままにしています。結果的にそれが自然な酸化防止債の役割を果たしているのです。

抜栓してから3時間ほど経った後も興味深い変化が起こります。香りは、古いシャンパーニュのアロマがあり大変印象的です。ホワイトビールのようなニュアンスもあります。北欧では非常に人気が高いです。毎年は造っておらず、私の好奇心で造っています」
ロエロ アルネイス No So22014

試飲
コメント

淡い黄金色。注いだ瞬間、トースト香のような独特で力強い香りが立ち込めます。口当たりは非常に柔らかく、果実味に溶け合うミネラルやトースト香のような複雑な味わいがあります。と同時に、心地よい酸味がじわじわと広がります。注いでから飲み込むまで個性的な風味が際立ちますが、それでいてバランスの良さを感じさせるユニークなワインです。

3000~6000本のみの少量生産!標高600メートルのアルタランガで造るリースリング

ロベルト氏:
「私はモーゼルのリースリングが好きなんです。これは、私たちの土地ではどんなリースリングができるか試してみたワインでもあります。最初に造ったのは2013年でしたが、あまりにも酸が強すぎてボトリングしませんでした。そのため、次の2014年がファーストリリースです。3000~6000本のみの少量生産です。ドイツの苗屋から購入したリースリングを使用しています。今は、友人が所有するアルタランガの畑を借りて栽培しています。北の品種ということもあり、標高600メートルという地形が合っています」
ランゲ リースリング2018

試飲
コメント

やや淡い黄金色。緑色のフルーツ、ペトロール香などのアロマティックな香り。白桃、青リンゴ、ミネラルを感じるジューシーな味わい。心地よい酸味、塩味、若干の甘みが綺麗に溶け合う美味しさがあります。

ロマネコンティのオーナーも驚く3種のブレンドで造る長期熟成ポテンシャルを秘めた白

ロベルト氏:
「トレウーヴェは、その名の通り3つの品種のブレンドです。450リットルのフランス産オーク樽を使用しています。ほとんど旧樽で、1つ、2つ新樽を用いています。試飲しているのは2013年ですが、2015年からオーストリアのバリックを使用し始めました。長期熟成タイプでもあり、25年は熟成できる白ワインです。99年ヴィンテージもストックにありますが、飲み頃を迎えています。

数年前、ロマネコンティのオーナーが来て、トレウーヴェの2004年を一緒に飲んだことがありました。そこで彼は聞いてきたんです。“すごいいいワインですね。何の品種を使っているんですか”と。リースリング、アルネイス、シャルドネだと答えると、“リースリングとアルネイスを加えてるんですね!”とショックを受けながらも、“ピノネロとシャルドネを混ぜているようだ”と大変気に入っているようでした」
ランゲ ビアンコ トレ ウーヴェ2013

試飲
コメント

麦わら色。力強く複雑な香り。白い花、白い果実、ハーブなどの熟成を感じさせないフレッシュな香り。口当たりは柔らかく、果実と酸が絶妙なバランスで厚みのある味わいです。柑橘系やハチミツのようなニュアンスも。

繊細なタンニンと豊かな果実味!様々な食事に寄り添うオールラウンドバルベーラ

ロベルト氏:
「バルベーラは高い気温に強い品種です。地球温暖化で、この10年、15年で品質が向上しバランスが良くなってきています。良い熟し方をするので、国際的な味わいになってきています。2018年は暑い年で、樹上で乾燥したことによりアマローネのような感じもします。タンニンも控えめなので気軽に楽しめる美味しさがありますよね。様々な食事に合わせられるオールラウンドなワインです」
バルベーラ ダルバ2018

試飲
コメント

ルビー色。赤い花や潰した花、黒と赤の完熟果実の魅惑的な香り。アタックは柔らかく、デリケートな赤と黒の果実が心地よさを演出します。タンニンは繊細で、全体的に軽やかな印象です。

魅惑的な風味が長く持続!複数区画の若いネッビオーロで造るエントリー赤

ロベルト氏:
「最初に試飲したロエロアルネイスと同じで、複数の畑から造っています。ステンレスタンクで発酵、450リットルのダブルバリックで熟成しています。私たちが造る赤ワインは、全て木樽で熟成しています。10年から20年ほどの若いネッビオーロです。もっと若いネッビオーロは、最近造り始めたスプマンテのロゼに使用しています」
ロエロ2017

試飲
コメント

ガーネット寄りのルビー色。赤系果実の凝縮した香りが際立つ、バニラやチョコのようなニュアンスもある複雑な香り。マルヴィラのどのワインにも通ずる柔らかな口当たりがあり、香り同様の魅惑的な味わいが長く持続します。

歴史あるクリュ畑からなる樹齢60年のネッビオーロ!華やかで複雑なロエロリゼルヴァ

樹齢60年のネッビオーロで造るロエロ リゼルヴァ レネジオ2016年。ステンレスタンクで発酵、マセラシオン。オーク樽で熟成後、さらに瓶内熟成を行います。ドライローズ、ミント、スパイス、タバコなどの香り。力強く複雑さがあり、ブルーベリーやチョコレートのニュアンスが感じられます。
ロエロ リゼルヴァ レネジオ2016

試飲
コメント

ガーネット色。花やハーブ、森を感じさせる華やかで複雑な香り。ソフトな口当たり。香りに感じた複雑な風味が口中を満たし、中程度のタンニンが余韻まで心地よさを持続させます。

魅惑的な香りが引き出された、最高88年の古樹で造る熟成クリュ ロエロ リゼルヴァ

ロベルト氏:
「最も古い88年のネッビオーロを含んだトリニタの畑で造られています。2010年はグランヴィンテージで、構造的に優れた力強さがあります。1週間ほど低温マセラシオン(10-12度)を行っていて、本当に素晴らしい香りが引き出されています」
ロエロ リゼルヴァ トリニタ2010

試飲
コメント

ガーネット色とルビー色が綺麗に混ざり合った外観。赤い凝縮果実と潰した赤い花を感じさせるエレガントかつ華やかな香り。非常に柔らかな口当たり。香りと味わいまでが見事に一貫しており、バランスの良さが表現されています。クリーンかつ厚みのあるフルボディで美しさをも感じる味わい。ステーキなどの肉料理が欲しくなる逸品。

複雑でエレガントな風味に満たされるラ モッラ村南部ボイオーロのバローロ

ロベルト氏:
「ラ モッラ村南部ボイオーロという区画のバローロです。ご存じの通り、ピエモンテにとって2016年は秀逸なヴィンテージです。この年は特に香りが素晴らしいです。森のような香りが際立っていますが、まだ若いので今後どんどん発展を遂げていきます。2016年のバローロやバルバレスコはもう完売で、どこにも売っていません。価格もどんどん上がっている状況です」
バローロ ボイオーロ2016

試飲
コメント

綺麗なガーネット色。力強さ、華やかさ、フルーティさ、エレガントさ、全てが突出しています。花、凝縮果実、ドライフラワー、ハーブの魅惑的な香り。色、香り、味わい全てが美しく、最初から最後まで複雑でエレガントな風味が余韻として長く続きます。

インタビューを終えて

多種多様すぎると言っていいほどのバラエティに富むアルネイスの飲み比べは、大変美味しく、大変興味深いものでした。また、オーナーのロベルトさんの人柄も相まって、話が絶えることなく非常に盛り上がり、今回の記事には書ききれないほどの情報量が詰まったインタビューとなりました。

ワインの情報についてお聞きすると、必ずと言っていいほどロベルトさんは「年によりますが…」と前置きをされます。これは、毎年のように醸造などの方法を変えていて、常に試行錯誤を繰り返している証拠だと思います。その結果、ここまで多種多様な(しかも上質な)アルネイスが生まれているのだと感じました。

白ワインはもちろん、赤ワインにもとても驚かされました。特にロエロ リゼルヴァ トリニタとバローロ ボイオーロ。トリニタは、優れたバランスと、クリーンかつ厚みのある美しい味わい。バローロは、力強さ、華やかさ、フルーティさ、エレガントさ、全てが突出していました。本当に素晴らしかったです。

余談ですが、ロエロの方たちが飲むワインを聞いたところ、興味深い回答をいただきました。
「年代によって変わります。基本的には、ロエロでは平日にバルベーラを飲み、休日にネッビオーロを飲みます。一方で、ランゲでは平日にドルチェット、休日にバルバレスコやバローロを飲みます。川を隔てただけで全然違います。私たちは、ドルチェットをそもそも造っていないので飲む習慣はありません。

私の親の世代は辛口の白ワインを飲まなかったです。今は食文化が発展してきて、多くの方がデリケートな食事には白、お肉には赤を飲んでいます。私たちの地域も、少しずつあか抜けて洗練されてきました(笑)」

ロエロ屈指の造り手「マルヴィラ」が造る、多種多様で上質なアルネイスと美しくエレガントなネッビオーロを、ぜひご堪能ください!
生産者さんと

20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。
当サイトでは20歳未満の方への酒類の販売は行っておりません。