突撃インタビュー
2022/05/25
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パオロ ボゾーニ氏 Mr. Paolo Bosoni ディエゴ ボゾーニ氏 Mr. Diego Bosoni
ヴェルメンティーノの代表産地「コッリ ディ ルーニ」をDOCに押し上げた先駆者!『ガンベロロッソ』13年連続最高賞、年間最優秀白ワインも獲得した「ルナエ」突撃インタビュー
代表作のネーラやグリージャにとどまらず、地中海を感じるメトドクラシコや樽熟成ヴェルメンティーノも生産。その他にも、地元の農夫と行う農業プロジェクトや、後継者が不在だった高品質リキュール工房の保全プロジェクトなど、コッリ ディ ルーニ地域で大きな役割を果たすルナエ。そんなルナエの当主のパオロ ボゾーニ氏とご子息でエノロゴのディエゴ ボゾーニ氏に、ワインジャーナリストの宮嶋勲氏に通訳と解説をしていただき、オンラインでお話を聞きました。
ガヤなどボルゲリの一流生産者が愛飲!
古代ローマ時代からワインの銘醸地として繁栄を極めた「コッリ ディ ルーニ」
当主のパオロ氏に、ルーニの街とそれに紐づくルナエの名前の由来について話していただきました。
「ルーニの古代の港は、真っ白な大理石に覆われて非常に美しいものでした(夜になると月の光が大理石に反射して輝いて見えていた)。そもそもこの辺りは、大理石で有名な地域です。古代ローマでは大理石が非常に重要で、ミケランジェロのダビデ像が作られた大理石も生まれました。私たちのワイナリー名は、その古代ローマの栄光の地名(ワインなどの貿易で使われた港町“LVNAE”)から取って、ルナエと名付けました」
古代ローマ時代の伝統を引き継ぎ、いち早くコッリ ディ ルーニの生産を開始!
「私は高品質ワインの生産という古代ローマ時代の伝統を引き継いできました。しかし、造り始めた頃のコッリ ディ ルーニは無名で、当時は3社しか生産していませんでした。そのうちの一つが私たちルナエです。私は最初から、この地区で最も重要な品種であるヴェルメンティーノに力を入れ、高品質を追求するために特に良い土壌、良い畑の傾斜など好条件の場所を探してきました。
コッリ ディ ルーニは非常に恵まれている地域です。近年イタリアは干ばつに苦しんでいて、去年の2021年は特に雨が降りませんでした。州によっては生産量がかなり減少しました。しかし、このエリアは全くその心配がありません。灌漑する必要もないんです。春と秋に降る雨のおかげで、土の中に水分が保持され、エレガントなワインが生まれるのです。去年も問題なく、ワインには瑞々しさが出ています」
ティレニア海全域の中でも最も優美で優れたバランスを生むヴェルメンティーノ
ほぼゼロから「コッリ ディ ルーニ」の地位を確立し、地域の発展に大きく貢献した「ルナエ」
他の地域で造られるヴェルメンティーノと比較したコッリ ディ ルーニの特徴について、ディエゴ氏に話していただきました。
「ヴェルメンティーノはティレニア海全域で栽培されています。例えば、サルデーニャのヴェルメンティーノは、アルコール度数が13.5~14%になり、非常にパワフルで雄大な魅力を持っています。トスカーナのマレンマのヴェルメンティーノは果実味が非常に豊か。コッリ ディ ルーニは、その中でも一番エレガントなヴェルメンティーノができます。優美でバランスの良いワインが生まれます。その背景には、独自の土壌と微気候があるんです」
ガヤなどのボルゲリの一流生産者が愛飲する白に定着した「コッリ ディ ルーニ」
コッリ ディ ルーニが持つポテンシャルを最大限に引き出してきたパオロ氏の功績もあり、1989年にコッリ ディ ルーニはDOC認定を受けます。また、ワイナリーはさらなる飛躍を目指すべく、90年代からトリノ大学との共同研究を行ってきました。その結果、ルナエを筆頭にコッリ ディ ルーニの品質はさらに向上。今や、ガヤなどボルゲリの一流生産者が地元レストランで魚料理と合わせる白ワインとして定着しています。ほぼゼロからコッリ ディ ルーニの地位を築き上げたルナエは、このエリアの発展に大きく貢献したのです。
コッリ ディ ルーニの先駆者にして、最高峰ヴェルメンティーノの造り手「ルナエ」
僅か3キロしか離れていない海と山に挟まれた唯一無二のテロワール
名実ともにイタリア最高峰ヴェルメンティーノの造り手「ルナエ」
コッリ ディ ルーニをDOCに押し上げた先駆者「ルナエ」は、リグーリアを代表する造り手として数々の評価誌で高評価を得ています。『ガンベロロッソ』ではトレビッキエリの常連で、「エチケッタネーラ」は13年連続最高賞を受賞(2022年6月現在)。『ガンベロロッソ2020』では、同じく「エチケッタ ネーラ」の2018ヴィンテージが年間最優秀白ワインにも輝くなど、まさにイタリア最高峰ヴェルメンティーノの造り手として地位を得ています。
ティレニア海とアプアーネ山脈に挟まれた「他にはない独自のテロワール」
そんなイタリアを代表する造り手ルナエが持つ大きな特徴の一つに、海と山に挟まれた稀有なテロワールがあります。拠点を置くカンティーナは、海からも山からも非常に近く、約3キロしか離れていません。目の前にはティレニア海、背後にはアプアーネ山脈がそびえ立ちます。ディエゴ氏は、この立地について以下のように話します。
「海から数キロしか離れていないことは非常に特徴的です。アプアーネ山脈は、北からの冷たい風を守ってくれると同時に暑くなりすぎるのを防いでくれます。両方の役割を果たしてくれる特殊なテロワールです。海と山が迫っていることにより温度差が生まれ、前方には海が広がっていて非常に日当たりが良いので、昼夜の温度差が激しくなります。常に風も吹いています。他にはない独自のテロワールと言えます」
モザイク画のように重なり合い、異なるキャラクターを生む3つの区画
「平野部」「山の麓」「丘陵地」
「所有する畑にも特徴があります。それは、平野部、丘の麓、丘陵地と3つの地域に分かれていることです。コッリ ディ ルーニは、様々な土壌のタイプがモザイクのように重なっているので、それぞれ畑の特徴やテロワールが異なります。平野部は砂質土壌、丘の麓は川が運んできた沖積土壌、丘陵地は小石が多く水はけの良い土壌です。ワインはエリアごとに造られることが多く、当然出来上がるワインの特徴も異なります」
その違いをはっきりと感じられるのが、ワイナリーを代表する3つのヴェルメンティーノ「ラビアンカ(※)」「エチケッタ グリージャ」「エチケッタ ネーラ」です。海により近い平野部で造られる「ラビアンカ」は、フレッシュでどこか海を感じさせるミネラルが特徴。平野部と丘陵地帯の間、丘の麓で造られる「エチケッタ グリージャ」は非常に調和の取れた味わい。丘陵地帯で造られる「エチケッタ ネーラ」は凝縮感があり深みのある風味が引き出されます。
※ラビアンカのセパージュは、ヴェルメンティーノ80%&マルヴァジア20%
エリア別ワイン一覧
・平野部
ワイン:ラビアンカ、チリエジョーロ
特 徴:非常にフレッシュで飲みやすくデリケートなワイン
・丘の麓
ワイン:エチケッタ グリージャ、コッリ ディ ルーニ ロッソ
特 徴:飲みやすさと複雑さを兼ね備えたバランスに優れたワイン
・丘陵地
ワイン:エチケッタ ネーラ、ヌメロ キウーゾ
特 徴:深みのある香りと味わいで、より複雑で凝縮感のあるワイン。優れた長期熟成能力
10年の研究を経てついに完成させた地中海的メトドクラシコ
反対していた父も大満足!息子ディエゴ氏考案の樽熟成ヴェルメンティーノ
ワインジャーナリスト宮嶋さんも絶賛!
コッリ ディ ルーニを感じられるメトドクラシコ「キュヴェ ルナエ」
インタビュー時に試飲して、宮嶋さん含めトスカニースタッフ一同で大好評だったのが、このメトドクラシコ「キュヴェ ルナエ」。パオロ氏が、10年かけて初リリース(6000本)するに至ったという「キュヴェ ルナエ」の誕生秘話を話してくれました。
「フランチャコルタともトレントとも全く違う、ここでしか生まれないメトドクラシコを造りたい」
「瓶内二次発酵スパークリングを造る目的は、美味しいものを造ることよりも、自分たちの土地の特徴を反映したワインを世に送り出すこと。(エチケッタネーラなど)私たちのヴェルメンティーノを飲まれた時と共通したものを感じてもらえるようなメトドクラシコを造るということです。それはミネラル感、優美さ、フレッシュさです。飲むとコッリ ディ ルーニを感じられる、地中海的メトドクラシコとも言えます。フランチャコルタともトレントとも全く違う、ここでしか生まれない瓶内二次発酵スパークリングワインを造りたかったんです。
実はリリースするまでに10年かかりました。この2018年がファーストヴィンテージです。それ以前も造っていたのですが、なかなか納得できず多くの試行錯誤を繰り返しました。セパージュはヴェルメンティーノとアルバローラの半々ですが、最初は違いました。アルバローラを増やしたり、単一ヴェルメンティーノも試しました。最終的には品種同士がケンカしないハーフ&ハーフに落ち着きました(笑)。2018年はとてもエレガントで素晴らしいヴィンテージとなり、ついに納得できたのでリリースしました。生産本数は6000本です。
(10年造ってきた苦労話は?という問いに対して)
根気、我慢が必要でした。なぜなら、試作してもその結果が出るのは2年後だからです。イーストコンタクトで2年以上置いておくわけですから。まあ、私は6ヶ月ごとに開けては飲んでを繰り返してましたけどね(笑)」
息子エノロゴのディエゴ氏が、父パオロ氏の反対を押し切り挑戦!
結果、父も大満足の樽熟成ヴェルメンティーノ「ヌメロ キウーゾ」
樽熟成ヴェルメンティーノ「ヌメロ キウーゾ」は、日本語に訳すと「限定数」という名の通り2600本しか生産されない希少な白ワインです。ディエゴ氏がこのワインを発案した当初はパオロ氏に猛反対されていたそうで、ディエゴ氏はその時の話をこう語ります。
「ヌメロ キウーゾは、最高峰のヴェルメンティーノを表現するために樽熟成させたワインです。ヴェルメンティーノは、すぐに飲めるフレッシュワインと思われることが多いですが、熟成させると非常に興味深いワインになるということを示したかったんです。初ヴィンテージは2008年。このワインは良い年しか造っていません。生産量は20ヘクトリットルの樽1個分なので、生産本数は毎回2600本です。
私のアイディアで造り始めたのですが、保守的な父はヴェルメンティーノを熟成させる発想がなく全然賛成していませんでした。熟成中は“お前は間違っている”とずっと文句を言われていました。だから、今後造られることはないだろうなと思い、ヌメロ キウーゾと名付けたんです。しかし、実際にワインが完成すると、反対していた父は一転して大満足(笑)。そのおかげで、それ以降も生産し続けています」
地元農夫の畑を守りながら生産強化を図る農業プロジェクト!
後継者不在の伝統ある自然派リキュール工房を継承
地元農夫とルナエが協働して行う農業プロジェクト
ルナエは、100を超える地元の兼業農夫たちとコミュニティを形成し、彼らの高品質ブドウを購入しワイン生産を行う農業プロジェクトを行っています。これは、コッリ ディ ルーニの生産強化を図ると同時に、地元農夫たちが畑を捨ててしまわないようにする社会経済プロジェクトでもあります。そのことについて、ディエゴ氏にお話を聞きました。
「地元には100軒以上の兼業農夫がいます。中には樹齢の高い高品質ブドウを生む畑もあります。しかし、彼らが持つ畑は1軒あたり約0.2haと小さく、コッリ ディ ルーニには生産者協同組合もないため、このままでは彼らは畑を手放すところでした。
そこで、私たちルナエは30年前から彼らとタッグを組み、彼らのブドウを購入、使用してワイン生産を行っています(主にエチケッタ グリージャ)。彼らは普段別の仕事をしているので、ブドウの生育から収穫に至るまでルナエの農学チームが携わっています。そうすることで、ルナエとしての品質も上がり、重要な文化遺産を守るという倫理的使命、社会的使命も果たせているのです」
リグーリア独自のレシピを持つ歴史ある自然派リキュール工房を継承!
ルナエは、当時存続が危ぶまれたリグーリアの伝統的リキュール工房の保全活動も行いました。その時の様子を、ディエゴ氏に話していただきました。
「1990年代の末に、ラ スペツィアの中央に位置していたエッセンティエという小さなラボラトリーを継承しました。リグーリア地方の非常に古い独自のレシピを持つ職人的なリキュール工房です。当時、フィオレッラ ストッパさんという女性が一人で運営しており、彼女は地元の古いレシピを研究し、着色料、保存料を一切使わない自然の手作りリキュールを造っていました。しかし、彼女は一人で続けていくことが難しく、後継者もいない状況でした。そこで、彼女と知り合った私は“一緒に仕事しませんか?”と声をかけさせていただき、ルナエが工房を受け継ぐことになりました。
私たちは、このような伝統的製法や文化遺産を守りたいんです。彼女が一緒に働くことを承諾してくれたおかげで、この伝統は次世代へ伝えることができました。86歳になった彼女は去年引退し、独自のレシピは現在働く二人の女性に伝承されています。
伝統的に食後酒としてストレートで飲まれることが多いです。温度は低めがいいと思います。近年はカクテルにも使用されていて、優秀なバーテンダーさんがこのリキュールでオリジナルカクテルを作っています。品質の評価が高く、イタリアで有名なレストランやホテル、世界中のホテルでも使っていただいています」
ワインジャーナリスト宮嶋さんも絶賛!
フランチャコルタともトレントとも違う「ルナエしか造れない」地中海的メトドクラシコ
ワインジャーナリスト宮嶋さんは、美味しいと絶賛していました。
「とても美味しいですよね。食事と一緒に楽しんでいただきたいスパークリングワインです。ヒラメやタイのカルパッチョの上に、このエリアで採れるハーブと、ルナエが造る美味しいオリーブオイルをかけて食べたらこの泡は最高ですね(笑)」
海の近くで造るフレッシュでデリケートな夏向きの白!
マルヴァジア由来のチャーミングなアロマ
「コッリ ディ ルーニの平野にある畑で造られています。このエリアの特徴は非常にフレッシュでデリケートなワインができること。非常に夏向きで、夏に飲んだら美味しいワインができるテロワールです。この地域の平野部は、力強さや複雑なワインは生まれないですが、非常にフレッシュで飲みやすくて、デリケートなワインが生まれます。デリケート&フレッシュで夏向きというキャラを強調するために、20%のマルヴァジアをブレンドしています。マルヴァジアがアロマを足してくれるんです」
試飲
コメント
麦わら色。マスク越しでも伝わってくるアロマティックなアロマ。繊細な白桃の香り。味わいも繊細で柔らかく、心地よいチャーミングな味わい。白い果実と黄色い果実が溶け合い、果実由来の甘やかさとほろ苦さが綺麗にまとまっています。非常に飲み心地の良い白ワイン。
「これぞ、まさにコッリ ディ ルーニのヴェルメンティーノ」
飲みやすさと複雑さを兼ね備えたワイナリーを代表する白
「飲みやすさもあるし複雑さもあるワインで、難しい理屈をこねなくても楽しめる優れたバランスがあります。これがまさにコッリ ディ ルーニのヴェルメンティーノだと思える香りと味わいがしています。フローラルな香りから黄色い果実の香りまで、ある程度の幅があります。非常に喜ばしい香りで、力強すぎることもないし、ぐっと押し寄せすぎることもなく、非常にエレガントな香りと味わいです。そのフローラルや黄色い果実のトーンは口の中でも感じられますが、しっかり酸に支えられていて、余韻が非常に長いことも特徴です。非常に調和が取れています。もちろん軽いワインではないですが、持続性は十分にあります」
試飲
コメント
ラビアンカよりやや濃い麦わら色。花や黄色い果実が香るエレガントなアロマがあります。口に含むと、力強さ、複雑さ、風味、どれも同程度で優れたバランスを感じます。全体的に柔らかく、心地よい酸味と親しみのある味わいが余韻として長く続きます。
最良区画のブドウのみを厳選して造るイタリア最高峰白
丘陵地で造られる長期熟成能力を秘めた深みのあるヴェルメンティーノ
「エチケッタ ネーラは、標高250~300メートルの丘陵地で造られていて、コッリ ディ ルーニの潜在力、可能性を示しています。複雑で深みがあります。長期熟成能力もあります。香りも味わいもより深みが生まれて、複雑で凝縮感のあるワインになります。最良の区画のブドウのみを厳選して造っています。アロマは非常に複雑です。アロマティックハーブから、ヴィンテージによってはトロピカルフルーツのようなトーンが出てきます。このワインは酸とミネラルに支えられているので、たとえトロピカルフルーツのトーンが出ても横に広がりボテッとなる産地ではなく、常にシャープさがあります。それが、このコッリ ディ ルーニの特徴でもあるんです」
試飲
コメント
麦わら色。香りは力強く複雑で、花、ハーブ、グレープフルーツなどの柑橘類、凝縮感のあるアロマ。味わいはミネラル感が際立ち、ボリューミーで味わい深さがあります。口の中を覆う濃厚な風味の余韻に長く満たされます。
2600本限定の超希少な熟成ヴェルメンティーノ!
「丘陵地帯にある畑の2区画から一番いい房だけを選んで造っています。ワインの香りはフローラルでフレッシュなものよりは、ハーブやはちみつ、マツヤニ、熟した果実のトーンが出てきます。2017年は暑いヴィンテージでしたが、うまく醸造できたのでフレッシュさや生き生きとしたトーンがまだ残っています。丸みのある味わいで、ビロードのような舌触り。包み込むようなニュアンスがありますが、エネルギッシュな酸にしっかりと支えられています。本来のコッリ ディ ルーニの特徴は完全に保持しているところを見ていただきたいです」
試飲
コメント
やや淡い黄金色。香りは力強く複雑。ハチミツ、ハーブ、南国系果実、アプリコット。樽由来のバニラのニュアンスもあります。口に含むと、まず力強い重厚さを感じます。黄色い果実、熟した果実、バニラの甘やかさ。口中を覆うタッチ、濃厚さがありながら、決して重すぎず調和の取れた味わいです。
赤い果実のフレッシュなアロマが広がる、軽やかでデリケートな夏向きの赤!
「海の近くで生まれる赤ワインを作りたかったんです。ラビアンカと畑が近く、軽やかでデリケートなところが非常に似ています。赤い果実、チェリーのアロマがあってフレッシュなので、ちょっと低めの温度でサーブしてもいいです。夏に楽しむにはもってこいです。色も味わいもピノ ネーロのような感じで、フレッシュで非常に飲みやすいワインが生まれます。サラミ、ペコリーノ、地元の料理である魚のトマトスープと最適です」
試飲
コメント
淡いルビー色。赤い果実のフレッシュな香り。口当たりは軽やかな酸が印象的で、フレッシュ&フルーティな味わい。爽やかな余韻が心地よく続きます。
トスカーナの土着品種で造るクリーンで繊細な赤!
平野部ヴェルメンティーノと共通したテロワール
「コッリ ディ ルーニはトスカーナの影響を受けている産地で、典型的なトスカーナ品種で造っています。サンジョヴェーゼ70%、残りの30%はカナイオーロ、チリエジョーロのブレンドです。もちろんコッリ ディ ルーニで植えられるとトスカーナと違う特徴を持つワインになります。クリーンでフレッシュ。パワフルになることはありません。タンニンは繊細で、キャンティ クラシコ地区に感じる収斂性のあるタンニンはないです。長年の研究によって、サンジョヴェーゼが本来持っている強固なタンニンをできるだけ制御するようにしました。白のワインに共通するような風通しの良い印象。凝縮感があっても非常に飲みやすさがあります。ヴェルメンティーノに感じられたものが、赤ワインでも感じられて、共通したテロワールがあると思います」
試飲
コメント
やや濃いルビー色。チェリーやベリーなど赤い果実のアロマ。滑らかなでクリーンな口当たり。タンニン、酸、赤い果実の程よい果実味とが見事に調和した味わい。
「キュヴェ ルナエ」に次いで一同大好評!
香りと味わいが綺麗に表現されたセイヨウスモモのリキュール
試飲
コメント
実はトスカニースタッフで「キュヴェ ルナエ」に次いで大好評だったのが、このリキュール「リクオーレ ディ プルーニ」。香りと味わいが綺麗に現れていて、もちろん甘さ、アルコール、果実味、全てにおいて存在感がありますが、どれもバランスに優れていてしつこさは一切ありません。やや透明感のあるピュアな味わいも魅力的です。
レモンの香りを放つ落葉低木のハーブで造る繊細で爽やかなリキュール
試飲
コメント
プルーニと比べると香りはよりデリケートで、よりフレッシュです。アルコール度数も低く(34度)、より繊細な印象があります。レモンのリキュールではないですが、レモンの爽やかさ、レモンの皮のほろ苦さが香りから伝わってきます。口当たりは非常にソフトです。爽やかな風味と、じわじわと感じるアルコールが余韻として長く続きます。
夏のエッセンスや地中海をイメージさせるオレンジのリキュール
ディエゴ氏:
「地中海的という意味では、このアランチャ(オレンジ)のほうが適しています。有機栽培のオレンジの皮をアルコールに漬けて作ります。みんな手で洗って、皮の部分だけ薄く切ったものを漬けます。ですから、オレンジの品質が全てです」
試飲
コメント
プルーニほどではないものの、力強いオレンジの香り。口に含むと非常に滑らかなタッチが口中を覆い、文字通りオレンジピールとアルコールが見事に溶け合う綺麗な風味。
インタビューを終えて
ルナエは自社畑の他に、100を超える兼業農家からもブドウを購入しています。これらの農家は素晴らしい古木と畑を所有しているものの、1軒あたり平均約0.2haと小さく、ルナエがブドウを買わなければ畑は捨てられてしまうはずだったとのこと。後継者不在の女性一人で切り盛りする歴史ある自然派リキュール工房の独自のレシピを守るために継承したという話も共通して、ルナエがコッリ ディ ルーニで担っている役割の大きさを感じさせるものでした。
こうした古きを温める情熱を持ちながら、同時にトリノ大学と共同研究を行うルナエ。そんな進化を続けるルナエがリリースした新しいワイン「キュヴェ ルナエ」と「ヌメロ キウーゾ」は、どちらも大変美味しく、トスカニースタッフ一同大好評でした!
「私たちは何世代にもわたりブドウ栽培を行ってきた農夫で、私はワインの中に生まれたんです。この大地に強く結びつく農家として、この土地やワインの価値を守り、前に進んでいくことを常に考えています」と話すパオロ氏。その姿に、故郷、伝統、そしてその未来までも考える志の高さと情熱を感じました。
インタビュー中、情熱的な姿と同時に、実は茶目っ気たっぷりな一面を随所に見せていたパオロ氏。ご自身が退出される際に言い残した言葉が特に印象的でした。「自分は農夫だからトークを学んでこなかった。だから、イサオ(宮嶋さん)、俺に喋りを教えてくれ(笑)。あ、そうだ。祖父からの教えをみなさんにお伝えします。“ワインを愛して女性を愛さない人間は、昼も夜も罪を犯している”。それでは、チャオ!」
土地の歴史、稀有なテロワール、地元密着プロジェクト、造り手ご自身、全てが魅力に溢れるルナエのワインを、ぜひお楽しみください!
試飲
コメント
麦わら色。果実のフレッシュさとキレのあるアロマ、ややトロピカル果実と柑橘系の香りがあります。口に含むと、フレッシュでミネラル、塩味を感じます。最後までその余韻がずっと口全体に残り続けます。香りと同様に、フレッシュな果実味、やや南国系の果実、柑橘類など、複雑な味わい。