絶滅危機にあった希少種!
涙と呼ばれる品種「ラクリマ」その特徴とお勧め7選
マルケ州原産のラクリマ種は、アンコーナ県を中心に生産されている黒ブドウです。ラクリマは、イタリア語で「涙」を意味しています。成熟期に実から涙を流すように果汁がこぼれることから名づけられたと言われています。ラクリマ ネーラやラクリマ ディ モッロと呼ばれています。
かつては絶滅の危機に瀕していましたが、徐々に栽培面積を増やし復興に成功しました。生産量は今でも少ない希少品種です。ラクリマという名前の付くカンパーニア州のラクリマ クリスティDOCやトスカーナ州のラクリマ デル ヴァルダルという品種とは、全くの別物です。
かつては絶滅の危機に瀕していましたが、徐々に栽培面積を増やし復興に成功しました。生産量は今でも少ない希少品種です。ラクリマという名前の付くカンパーニア州のラクリマ クリスティDOCやトスカーナ州のラクリマ デル ヴァルダルという品種とは、全くの別物です。
ラクリマ種の特徴
果皮が非常に薄いという特徴を持つラクリマ種。成熟するにつれ膨張した実は、自らの果皮を破り果汁が滴ります。果皮を破らないように、細心の注意を払い育てなければなりません。また薄い果皮は、病害への耐性も低く栽培自体にも難しさが伴います。
赤いバラを思わせる独特な芳香が最大の特徴。アロマティックで個性的な赤ワインになります。味わいは、チェリーや黒い果実、甘やかな密の中にスパイシーさや清涼感が感じられます。
赤いバラを思わせる独特な芳香が最大の特徴。アロマティックで個性的な赤ワインになります。味わいは、チェリーや黒い果実、甘やかな密の中にスパイシーさや清涼感が感じられます。
ラクリマ種の歴史
ラクリマ種はかつて中南部イタリアに広がるブドウ品種でした。古い文献では12世紀頃に、北イタリアを支配していたドイツのフリードリッヒ1世も飲まれたという逸話がある程です。栽培が難しいことから、一時は絶滅の危機に陥りました。
ラクリマ種の減少に大きく影響した要因として、フィロキセラ襲来があります。ラクリマ種は、アメリカ産の台木との相性が悪く、アメリカ産の台木を使用して数多くのラクリマの樹が死に絶えました。一時その栽培面積はたった4haにまで落ち込んだ程です。その後、相性の良い台木が見つかり絶滅の危機を脱しました。
諦めずラクリマ種に想いを込めた生産者の力により、徐々に栽培面積が増えるようになりましたが、栽培が非常に困難なため専門家からも「大量生産はまず不可能」と言われている希少品種です。現在は、マルケ州を中心に僅かながらウンブリア州やプーリア州で栽培が続けられています。マルケ州の一部を除き、ワインの風味付けに用いられています。
ラクリマ種を使用したDOC ラクリマ ディ モッロ
ラクリマ種を主体とした原産地呼称はひとつです。1985年にDOC認定を獲得しました。マルケ州アンコーナ県のモッロ ダルバという小さな町の周辺の僅か300haほどのエリアで造られています。海からミネラルに富む風が常時吹き、昼夜の気温差がしっかりとある地域です。
ラクリマ ディ モッロ/ ラクリマ ディ モッロ ダルバDOC
ラクリマ種を85%以上使用し、法定熟成期間は1年と定められています。香りの特徴を活かすため、醸造はステンレスタンクで行われ素早く出荷されることがほとんどで、フレッシュな味わいのものが多い。
スーペリオーレは、酸やタンニン、ミネラルがしっかりと感じられるものもあり、果実味もしっかりとした印象を持ちます。熟成も期待できる未知の可能性を秘めています。
パッシートも造られており、陰干しによって滑らかな果実味に濃厚さが増した甘口ワインになります。
ラクリマ種の楽しみ方
現地では、牛や豚、うさぎ等の香草焼きといったお肉料理と一緒に良く飲まれています。また漁業も盛んなアンコーナ周辺ということもあり、トマト風味の魚介のスープやサーモンやウナギ等の魚介料理とも合わせる事も多いそうです。
個性的な香りの好みは分かれるところながら、味わいはフードフレンドリーなものがほとんどです。白コショウや甘草などのスパイシーな味わいもあるので、タンドリーチキンやトムヤムクンとったお料理と合わせてみるのも面白そうです。ラクリマ種は個性的な芳香が主役となりがちですが、その魅力に取りつかれた途端、心地良い飲み口がクセになるワインです。
個性的な香りの好みは分かれるところながら、味わいはフードフレンドリーなものがほとんどです。白コショウや甘草などのスパイシーな味わいもあるので、タンドリーチキンやトムヤムクンとったお料理と合わせてみるのも面白そうです。ラクリマ種は個性的な芳香が主役となりがちですが、その魅力に取りつかれた途端、心地良い飲み口がクセになるワインです。