突撃インタビュー
2022/07/26
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フレスコバルディ社 アルベルト オレンジャ氏 Mr. Alberto Orengia
念願のキャンティ クラシコエリア「ガイオーレ イン キャンティ」に進出!トスカーナの多様性を育み「ニポッツァーノ」「カステルジョコンド」「ペラーノ」で偉大なサンジョヴェーゼを生み出す「フレスコバルディ」突撃インタビュー
トスカーナの悠久の歴史と伝統を築き上げたフレスコバルディ家
同州の多様性を育む信念「Cultivating Toscana Diversity」
ルネサンスの文化的な中心地フィレンツェで銀行家や商人として名を馳せると、その事業で得た富を用いて街への恩返しを始めました。その一例が、フィレンツェの有名な橋「ポンテヴェッキオ」の隣にあるサンタトリニタ橋の建設です。そこからほど近いサントスピリト聖堂の建築にも携わりました。輸出マネージャーのアルベルト氏は、「観光客のみなさんがポンテヴェッキオを撮影している場所はだいたいサンタトリニタ橋なんですよ(笑)」と話してくれました。フレスコバルディ家は、トスカーナの歴史と伝統、そしてフィレンツェの優美な景観に深く結びついているのです。
Cultivating Toscana Diversity ~トスカーナの多様性を育む~
フレスコバルディ家はイタリア国内に多数のワイナリーを所有しています。3つの独立ブランドであるマッセート、オルネッライア、ルーチェに加え、フレスコバルディブランドとしてトスカーナで手掛ける8つのワイナリー。フリウリでも2つのテヌータでワイン生産を行い、高級オリーブオイルのラウデミオも生産しています。
アルベルト氏が「最も重要なエステートと言える」というニポッツァーノ、カステルジョコンド、ペラーノが属すトスカーナで手掛ける8つの自社ブランドでは、彼らが強調するヴィジョンと信念が掲げられています。それは「Cultivating Toscana Diversity ~トスカーナの多様性を育む~」というもの。トスカーナ各地で独立してワインを造る計8つのエステートにおいて、それぞれのテロワールを反映したワイン造りを行い、トスカーナの多様性を高めることに専念しています。
その多様性を示すものとして、4月中旬の同時期に撮られた2枚の写真があります。最北部で標高700メートルの「ポミーノ」では雪が積もり、最南部「アンミラーリア」では日光浴、海水浴が楽しめます。トスカーナの中には、これほどの多様性が存在しているのです。
「キャンティ ルフィナ」「モンタルチーノ」「ガイオーレ イン キャンティ」
3つの銘醸地で造り上げる偉大なサンジョヴェーゼ
自社ブランドの中でも特に重要視するという3つのテヌータ「ニポッツァーノ」「カステルジョコンド」「ペラーノ」では、評価誌から高い評価を受ける偉大なサンジョヴェーゼが生産されています。キャンティ最小のサブゾーン「ルフィナ」で造る、世界中で愛される歴史的キャンティ「ニポッツァーノ」。モンタルチーノ最古の畑で偉大なサンジョヴェーゼ(ブルネッロ)を造る「カステルジョコンド」。新しく進出したガイオーレ イン キャンティの円形劇場型の優良畑で手掛ける新ワイナリー「ペラーノ」。それら3つのテヌータとサンジョヴェーゼについて、アルベルト氏に話していただきました。
フレスコバルディの象徴的存在!世界的に有名な歴史的キャンティ クラシコ「ニポッツァーノ」
キャンティで最小かつ最も標高の高いサブゾーン「ルフィナ」
「ニポッツァーノは、フィレンツェ東部のキャンティ ルフィナの中心、西暦1000年代に建築されたニポッツァーノ城でワイン造りを行っています。このお城は、かつて軍事的な意味合いを持っており、周りを見渡せるほどの標高400メートルの高台にあります。
ルフィナはキャンティで最小かつ最も標高の高いサブゾーンで、この標高の高さがルフィナを特別にしている理由です。飲むとピュアでエレガントなサンジョヴェーゼだと感じると思いますが、それはルフィナの標高から来るものです。高い酸がワインにおける背骨のような役割を果たしていて、1本軸があるような印象です。モダンというよりは昔からのサンジョヴェーゼの伝統的な味わいです。サワーチェリー、イチゴ、赤い果実、酸味を感じます。
このニポッツァーノ リゼルヴァは、フレスコバルディを象徴するワインで、低価格帯のレモーレの次に売れているワインです。世界的に有名になりすぎて、ルフィナで造っていることを知らない方も多いんですよ(笑)」
子どもの誕生祝いとして「ヴェッキエ ヴィーティ」が贈られるフレスコバルディ家の伝統
「ニポッツァーノ リゼルヴァの上級キュヴェとして知られる“ヴェッキエ ヴィーティ”には、フレスコバルディ家ならではの伝統があります。それは、子どもが生まれると誕生祝いとしてヴェッキエ ヴィーティを贈るというものです。男の子なら500本、女の子なら150本がニポッツァーノ城などのセラーにキープされ、大学卒業や結婚式などで開けられます。セラーに保存されているボトルのラベルには、30代目のランベルト氏直筆の西暦と誕生日が書かれています。もともとは自家用に造っていたワインで、市場に出るもののラベルにはプライベートコレクションと書いてあります。家族によって飲むペースが異なり、すでに飲み切った家族のセラーのスペースは空っぽだったりもします(笑)」
エレガントかつ力強いブルネッロを生み出すモンタルチーノの真髄
200年前から変わらない味わい「カステルジョコンド」
「カステルジョコンドはモンタルチーノの魂、真髄とも呼ばれています。畑は街の南西に位置し、350-450メートルと標高が高く、海風に恵まれています。300メートルを超えるとモンタルチーノの典型的なガレストロ土壌が現れます。これが、ワインにエレガントさと力強さを生み出しています。
私たちは最も古いブルネッロ生産者の一つで、この地では1800年代からブルネッロを生産していました。実は当時のワインと今のワインのデータを比べても違いがないんです。安定したワインを作れることが数字で証明されています。
ロッソとブルネッロの造り分けについて、明確な決まりはありません。毎年、状況に応じて栽培家と醸造家が決めています。広大な所有畑には様々なタイプのサンジョヴェーゼがあるので、区画ごとに試飲して最終的にブレンドを行います」
前所有者が残したメルローとそのポテンシャルを見出した29代目ヴィットリオ氏!
日本初公開!? 偉大なスーパートスカン「ルーチェ」の誕生秘話!
ルーチェが、トスカーナ「フレスコバルディ」家とカリフォルニア「モンダヴィ」家の出会いによって生まれたコラボレーションであることは有名ですが、アルベルト氏に改めてカステルジョコンドの購入背景を伺うと、ルーチェについて初めて耳にする話を聞くことができました。
「1950年代、カステルジョコンドは、Societe Viticole Europeenというボルドーの会社が所有する土地でした。フランスの生産者である彼らは、自国の品種を造りたいという理由でメルロー、カベルネ ソーヴィニヨン、ソーヴィニヨン ブランをたまたま植えていたんです。当時、その会社で醸造家としてコンサルタンティングをしていた29代目のヴィットリオは、“ここで偉大なメルローが造れる”ということを知ります。
その後、フランス企業がカステルジョコンドから撤退すると、その土地に精通するフレスコバルディが1989年に購入。1991年には、偉大なポテンシャルを持つメルロー100%キュヴェ「ラマイオーネ」がリリースされました。そして、アメリカから視察に来ていたモンダヴィがラマイオーネを試飲すると“これは素晴らしいワインだ”と驚き、フレスコバルディとモンダヴィのコラボレーションが始まりました。これが、サンジョヴェーゼ50%、メルロー50%のルーチェが誕生したきっかけです。ルーチェは、前所有者の突飛なアイディアから生まれたものなのです」
念願のキャンティ クラシコエリアに進出した「テヌータ ペラーノ」
「ガイオーレ イン キャンティ」の類稀なる自然が生んだ高標高で円形劇場型の優良畑
トスカーナの多様性を発信する造り手としては外せないエリア「キャンティ クラシコ」
完璧に手入れが行き届いた当時無名の“円形劇場型”優良畑
「私たちは、トスカーナの重要な土地でワインを造り、トスカーナの多様性を発信するトスカーナの代表的生産者でありたいと長年思い続けていました。それにもかかわらず、キャンティ クラシコエリアに畑を持っていない、ということにもどかしさを感じていたんです。それでも素晴らしい畑と巡り合うことはなく、このペラーノにたどり着くまでに10年以上の時間を要しました。
ペラーノは、キャンティ クラシコエリアのガイオーレ イン キャンティに位置するユニークな畑です。最大の特徴は、400-650メートルという“標高の高さ”と、すり鉢状に広がる“円形劇場型”の畑です。従来、標高が高すぎると酸がきつくなりますが、ペラーノ特有の急勾配な傾斜によって太陽光が集まり、果実がしっかり熟すんです。これほどの標高の高さでこんなにサンジョヴェーゼが成熟することはありません。類稀なる自然な形で作られたペラーノの畑は、水はけも良く、いいサンジョヴェーゼができる条件が揃っていました。
また、購入した時から畑が完璧の状態だったことも大きいです。前所有者はワイン生産を生業としていませんでしたが、畑の手入れを熱心にされていました。しかし、彼らはワインの販売に力を入れておらず、この畑は無名で全然知られていなかったんです。ですから、この恵まれた土地に出会えたことは本当にラッキーでした」
2015年の初リリースから『ワインスペクテーター』のTOP100ワイン(36位)に選出!
ペラーノのエントリーワイン「キャンティ クラシコ」
完璧に手入れされ、自然に恵まれた畑で造るペラーノのキャンティ クラシコは、初リリースから早速、世界中で高い評価を得ました。初ヴィンテージの2015年は、多数の評価誌から90点越えを続々と獲得。さらに『ワインスペクテーター』では、初登場でいきなり「TOP100ワイン」で36位に選出されました。アルベルト氏に、ワインについても話していただきました。
「ペラーノのキャンティ クラシコは、どこか昔ながらのトスカーナワインという印象を持ちます。ですが、サンジョヴェーゼ90%に国際品種のカベルネソーヴィニヨンとメルロー10%がブレンドされているので、伝統的とはまた違うモダンな造りです。生き生きとした果実があり、バランスに優れたキャンティ クラシコのアンナータです。
キャンティ クラシコ リゼルヴァは、サンジョヴェーゼとメルローで造られていて、アンナータよりクラシカルなスタイルが表現されています。私たちよりも昔からこの土地でワインを造り続ける近隣の優良生産者(カステッロ ディ アマなど)に近い味わいですね」
標高650メートルの単一畑で造るこだわりのグランセレツィオーネ「リアルツィ」
「単一畑リアルツィは、3つある円形劇場型のうちの1つの畑の頂上部に位置しています。標高は650メートルです。近年制定されたグランセレツィオーネの格付けには、様々なレギュレーションがありますが、私たちのグランセレツィオーネは単一畑で造るというこだわりを持っています。
ワインは凝縮感、濃密な印象です。リコリス、シガーボックス、タバコの葉も感じる複雑な要素があります。新樽バリックで24ヶ月、瓶内で12ヶ月熟成を行うことで生まれる複雑味を感じていただけると思います。と、私は言葉で表現しましたが、グラスの中のワインが語り掛ける以上の表現はないので、みなさんにじっくり味わってほしいですね」
カステッロ ディ ニポッツァーノ (フレスコバルディ)
キャンティ ルフィナ地区で造られるワイナリーを代表する歴史的キャンティ
赤系果実と熟した柑橘アロマ、繊細なフルーティさが長く続き、上品なスミレの香りへと移ります。最後にわずかに感じられるスパイス香によりブーケが完成されます。口に含むと魅力的な調和のとれた複雑さがあり、タンニンは緻密で、暖かみのあるスムーズ、濃厚で余韻が長く続きます。
テヌータ ディ カステル ジョコンド (フレスコバルディ)
カステル ジョコンドの若樹から生まれるベイビー ブルネッロ
輝きのあるルビーレッドの色調を呈しています。香りは黒スグリやベルガモットの凝縮感があり、新鮮なミント、リコリス、カルダモンとスミレのようなフローラルな香りに特徴があります。モンタルチーノのサンジョヴェーゼが持つクラシックなタンニンのテクスチャーはスムーズで、重厚であっても、時にはほっとするような変化も見せます。このワインには、凝縮感のある長い余韻があり、ヴィンテージの持つフレッシュさとテロワールの温かみが良く表現されています。
試飲
コメント
やや淡い美しいルビー色。マスク越しでも伝わってくる明るい果実のアロマ。ベリー系果実、繊細な花などフルーティで華やかな香りです。繊細ながら芯のしっかりした味わい。旨味も感じます。軽やかな印象ですが、リッチさ、ボリューム感、複雑さ、余韻、あらゆる感覚が同程度で抜群のバランスです。
テヌータ ディ カステル ジョコンド (フレスコバルディ)
モンタルチーノ最古の偉大な畑「カステルジョコンド」が生む最上ブルネッロ
いきいきとした、赤い輝きのあるルビーレッドの色調をしています。香りには、ブラックベリーが主体のベリー類とスミレの花が感じられます。黒コショウやカルダモンのスパイシーさにジュニパーや香ばしいコーヒー、ヘーゼルナッツの香りが続きます。エレガントなタンニンのある重厚な口当たりで、フルボディな味わいです。とても長く暖かみを感じる余韻は、スパイシーさとフルーティさが調和しています。
試飲
コメント
非常に美しいガーネット色。明るい赤系果実と凝縮した複雑でエレガントな香り。味わいも非常にエレガント。抜栓直後は少し硬い様子でした。香りに感じた赤系果実と、ほんの少しのドライフルーツ、凝縮果実が綺麗に溶け込んでいます。2日後に試飲すると、これぞブルネッロと言わんばかりのエレガントな香りが増し、綺麗な果実味が際立つ洗練された味わいでした。
テヌータ ペラーノ (フレスコバルディ)
「ガイオーレ イン キャンティ」に進出したペラーノのスタンダードキュヴェ
驚くほどフレッシュで上品な深み!
ブドウは手摘みで収穫され、温度管理されたステンレスタンクで丁寧にマセラシオンを行い、十分なポリフェノールを抽出して最適な色味と独特のストラクチャーを引き出します。その後、一部は木樽で熟成して第3アロマとなる成分の香りを丁寧に凝縮していきます。
上品に鮮やかに輝く赤いルビー色。アルコール漬けの果実や、赤や黒の果実の特徴的な香りに、スミレなどのフローラルさと繊細で淡いスパイス香が続きます。豊かな風味だけではなく、時間とともに洗練されていくタンニンは、フィニッシュにかけて滑らかさをも感じさせます。
試飲
コメント
ルビー色。赤系果実のピュアな香り。熟した赤系果実、花、黒系果実もあります。繊細でやわらかな口当たりながら、フレッシュな酸味とアルコールによってしっかりとした軸ができあがっています。深みのある味わいで、非常に優れたバランスです。
テヌータ ペラーノ (フレスコバルディ)
標高600メートルの優良畑で造られるキャンティ クラシコ リゼルヴァ
酸とアルコール、タンニンの優れたバランス!
ブドウは手摘みで収穫されたのち、細心の注意を払い選果し、温度管理されたステンレスタンクで発酵させます。果帽を頻繁に除去することでキャンティクラシコ特有の色とストラクチャーを形成するポリフェノールを十分に抽出していきます。スラヴォニア産オーク樽で24ヶ月熟成させていくことで、このワインが持つ深いストラクチャーを生み出します。
輝きがあり美しく深みのあるルビー色、ブーケは複雑で、サワーチェリー、ブルーベリー、ラズベリー、クワの実などのフルーティーな香りが広がり、スミレや野バラなどのフローラルなアロマも美しく香ります。リコリスやクローブなどの素晴らしいスパイス香も持ち、樽熟成させたことで生まれるトースト香も感じられます。口に含むと酸とアルコールのバランスが素晴らしく、タンニンはしっかり存在感を示しつつも滑らかです。
試飲
コメント
濃いルビー色。ベリー系のフレッシュな果実、凝縮果実、スパイシーなどの力強く複雑な香り。味わいも力強く、非常にフレッシュな酸と豊かな果実味が口中を覆います。樽由来のやや甘やかなスパイシーさもあります。余韻は非常に長く、調和の取れたフィニッシュです。
テヌータ ペラーノ (フレスコバルディ)
フレスコバルディの夢が詰まった単一畑グランセレツィオーネ
芳醇で独特の深みを併せ持つ複雑で美しい余韻
ブドウは細心の注意を払いながら育てられ、丁寧に手摘みされます。ワイナリーに運ばれた後、更に慎重に細かく選果されます。温度管理されたステンレスタンクで発酵させ、ポリフェノールを最大限に引き出すためにマセラシオンぺリキュールを行い、優しくルモンタージュを施していきます。 その後、24ヶ月間は新樽のフレンチオークのバリックで熟成し、瓶内で12ヶ月間熟成させていきます。
濃厚で鮮やかな赤いルビー色、フルーツ香とスパイス香が美しく一体となり、バランスに優れた複雑なブーケを備えています。ミックスベリーやサワーチェリー、スミレ、スパイス香、それに続き、トースト香やジュニパーベリーの香りが展開し、繊細なストラクチャーのあるサンジョヴェーゼであると実感できます。口に含むと芳醇で独特の深みを併せ持ち、凝縮したテクスチャーの中に柔らかでまろやかなタンニンが素晴らしく溶け合っていきます。フィニッシュは、複雑な要素が美しく長く続きます。
試飲
コメント
輝くルビー色。力強く複雑で、多種多様なフルーティさとスパイシーさが綺麗に混ざり合う香り。香り同様の力強く複雑な味わいです。豊かな果実と凝縮果実の濃厚で深みがあり、ハーブやタバコのニュアンスも感じます。持続性のあるフィニッシュで、充実感のある味わい。
インタビューを終えて
キャンティ クラシコエリアで新しく手掛ける「ペラーノ」の畑は、画像だけでも美しさが伝わってきて、つい見入ってしまいました。インタビュー後にグーグルマップで畑を見てみると、「太陽の光を集め、水はけのよい畑」であることがよくわかるほどの傾斜がありました。実際に現地を訪れた日欧商事さん曰く「声が出るほどの風景で、上から見ると下が見えないほどの傾斜でした」とのことで、実際に現地に行ってみたくなりました。
試飲したペラーノのワイン3種は、どれもフレッシュな酸と抜群のバランスが特徴的でした。スタンダードキュヴェ「キャンティ クラシコ」は、酸味とボディをしっかりと感じる深みのある味わい。リゼルヴァは、力強く豊かな果実味が口中に溢れます。単一畑のグランセレツィオーネ「リアルツィ」は、非常に複雑で、多種多様な果実とスパイスが綺麗に混ざり合った、充実感のある味わいでした。
フレスコバルディの独立ブランドかつ偉大なスーパートスカン「ルーチェ」にメルローが使われる背景には、カステルジョコンドの前所有者であるフランス企業の存在があったことも大変興味深く、「これは日本初公開なのでは?」と盛り上がっていました。
今回試飲したワインはどれもトスカーナらしさ、優れたバランスが見事に表現されていて素晴らしかったです。久しぶりにカステルジョコンドのブルネッロを試飲して、ノスタルジーに浸ってしまった瞬間もありました。とても美味しかったです。
トスカーナの歴史と伝統を築き上げてきたフレスコバルディのワインを、ぜひみなさんにも味わっていただきたいです。
試飲
コメント
美しく輝く濃いルビー色。明るい果実の中に凝縮したジャムのような紫果実の香りがあります。ややスパイシーさも感じます。ピュアさと複雑さが両立している印象です。フレッシュな酸味と果実味が同時に舌を駆け上がり、ややグリップ力があるしなやかなタンニンと見事に調和します。