世界が注目する活火山のワイン生産地「エトナ」
その特徴とおすすめ10選
エトナ産地はイタリア最大の州、シチリア東部にあります。世界でも数少ない活火山の麓にあるワイン産地です。エトナ山は標高3326m。日照量が豊かで、300m-1200m付近の高さに山の周りをぐるっと囲むようにブドウが植えられています。日の当たりにくい北西側のブドウ畑は少なく、ピスタチオの生産地として有名です。
シチリアが誇る世界4大酒精強化ワイン「マルサラ」よりも早い、1968年にシチリアの中で最初のDOCに認定されました。赤、白、ロゼワインの生産が認められており、1200haの畑の中に区画(コントラーダ)が133区画(2022年現在)も細分化されています。この区画に注目し、区画ごとのテロワールの表現したワインつくりも盛んに行われています。
シチリアが誇る世界4大酒精強化ワイン「マルサラ」よりも早い、1968年にシチリアの中で最初のDOCに認定されました。赤、白、ロゼワインの生産が認められており、1200haの畑の中に区画(コントラーダ)が133区画(2022年現在)も細分化されています。この区画に注目し、区画ごとのテロワールの表現したワインつくりも盛んに行われています。
エトナワインの特異性 シチリアとの比較
エトナはシチリアの中での1つのエリアですが、特に突出したワイン産地といえます。イタリア最南部にあり、アフリカに近いシチリアは温暖で日照量も高く、全体的に雨は少なく乾いています。一方エトナは高所にブドウ畑があり、高い日照量がありますが非常に冷涼、昼夜の寒暖差が大きいです。またエトナ周辺では雨が多いので、乾燥したシチリアのイメージから離れています。シチリアでは8~9月に収穫を行うことが多いですが、エトナでは10~11月頃になります。
エトナで最も特筆すべきは、活火山による火山性土壌の存在です。火山灰や礫(石・小石)や70万年前から現在までの噴火が積り固まった堆積土壌など火山性といっても年代も形も様々です。
エトナで最も特筆すべきは、活火山による火山性土壌の存在です。火山灰や礫(石・小石)や70万年前から現在までの噴火が積り固まった堆積土壌など火山性といっても年代も形も様々です。
エトナワインの品種
ネレッロマスカレーゼとネレッロカップッチョの黒ブドウはエトナの土着品種です。マスカレーゼはタンニンが厳格で、色は薄くエレガントな酸やミネラルを持ちます。カップッチョの方がタンニンは柔らかく実直な果実味と色が濃いのが特徴です。かけ合わせて見事に調和がとれた繊細で長期熟成にも耐えうる赤ワインが出来ます。
白ブドウではカリカンテとカタラットが有名です。特にカリカンテは非常に酸とミネラルが強く、火山性土壌と相性がよく長期熟成にも耐えられます。カタラットはフレッシュレモンやトロピカルなパイナップルやバナナのような風味を持ち、アルコールが高くなりやすくややボディも厚くふくよかさがあります。2つのブレンドや他の土着品種も混ぜたりしますが、昨今は100%カリカンテで長期熟成に耐えるワインが増えてきています。
白ブドウではカリカンテとカタラットが有名です。特にカリカンテは非常に酸とミネラルが強く、火山性土壌と相性がよく長期熟成にも耐えられます。カタラットはフレッシュレモンやトロピカルなパイナップルやバナナのような風味を持ち、アルコールが高くなりやすくややボディも厚くふくよかさがあります。2つのブレンドや他の土着品種も混ぜたりしますが、昨今は100%カリカンテで長期熟成に耐えるワインが増えてきています。
エトナに育つブドウ樹の不思議
エトナワインを魅力的にしている要因は様々ですが、この過酷な環境化に耐え育つブドウ樹のエネルギーの影響が大きいです。それを可能にしているのが、アルベレッロ仕立てという伝統的な仕立て方法です。
添え木のみでブドウ樹を独立させ、地表にかなり近い位置でブドウを実らせます。伸びた枝葉は、ワイヤーや支柱を使わずに樹に巻きつけて留めます。上から重ねられた葉は強烈な日光の日焼けから実を守ります。1番自然に近い育て方と言われており、本来ブドウの樹が持つ“樹勢”が強く保たれます。樹齢120年の高齢の樹もエトナでは現役で、フィロキセラの被害を逃れた自根で育つブドウも残っています。
またアルベレッロ仕立てでは機械を用いることができません。そして1本1本の樹が独立しているため、自然と植樹密度が高くなりました。この結果、より質の高いブドウを得ることが出来ました。
エトナでも垣根仕立てで栽培を行う生産者は多く存在します。その中でも人の手がかかるアルベレッロ仕立てを続け、非常に稀有な畑を数多く残す生産者達。今も頻繁に噴火を続けるエトナ山で生きる彼らだからこそ、なせる業なのではないかと思わずにはいられません。
添え木のみでブドウ樹を独立させ、地表にかなり近い位置でブドウを実らせます。伸びた枝葉は、ワイヤーや支柱を使わずに樹に巻きつけて留めます。上から重ねられた葉は強烈な日光の日焼けから実を守ります。1番自然に近い育て方と言われており、本来ブドウの樹が持つ“樹勢”が強く保たれます。樹齢120年の高齢の樹もエトナでは現役で、フィロキセラの被害を逃れた自根で育つブドウも残っています。
またアルベレッロ仕立てでは機械を用いることができません。そして1本1本の樹が独立しているため、自然と植樹密度が高くなりました。この結果、より質の高いブドウを得ることが出来ました。
エトナでも垣根仕立てで栽培を行う生産者は多く存在します。その中でも人の手がかかるアルベレッロ仕立てを続け、非常に稀有な畑を数多く残す生産者達。今も頻繁に噴火を続けるエトナ山で生きる彼らだからこそ、なせる業なのではないかと思わずにはいられません。
エトナワイン再興の軌跡
エトナワインはDOCに認定されたのは最も早かったですが、世界が注目し始めたのはここ最近の事です。過去にはフィロキセラ被害や、第一次世界大戦の影響で荒廃。シチリアはイタリア国内へのカジュアルワインの産地として歩みを進め、段々畑で作業コストも掛かるこのエトナから離れていく農民が多くいました。その中で唯一、1988年からベナンティだけがエトナの可能性を信じて孤軍奮闘と生産を続けていました。2000年代に入り、ワイン商でバローロを世界に広めたマルク・ディ・グラツィアやアンドレア・フランケッティらがエトナに着目しました。この2人の発信力は強く、シチリアやイタリア国内の大手生産者も次々とエトナに進出しました。
更にバルバレスコから、ボルゲリでの世界的大成功を収めたガヤも、グラーチとのジョイントベンチャーで進出を果たしました。世界市場から見るワインのニーズも変わる昨今、凝縮感とエレガントを持ち合わせたこの産地への注目は高まるばかりです。
更にバルバレスコから、ボルゲリでの世界的大成功を収めたガヤも、グラーチとのジョイントベンチャーで進出を果たしました。世界市場から見るワインのニーズも変わる昨今、凝縮感とエレガントを持ち合わせたこの産地への注目は高まるばかりです。
エトナワインと料理
総じてエトナのワインの魅力は、酸に支えられた繊細さやエレガントさであるといえます。カリカンテ主体の白ワインには、天ぷら、カルパッチョ、焼き魚、貝のワイン蒸しといったお料理と合わせ、まずはレモンやカボスをかけずにワインと一緒に楽しんでみてください。
赤ワインですが、マグロのポキや山椒をふったウナギの蒲焼きもおすすめです!果実味があるタイプには焼き鳥や筑前煮、タンニンがしっかりしているものには、タリアータのように赤身肉をさっと焼きバルサミコ酢とオリーブオイルで仕上げたもの。より繊細な味わいのものには、出汁を効かせたお料理を合わせてみてください。困ったときには、万能性に秀でたロゼワインがおすすめです!
赤ワインですが、マグロのポキや山椒をふったウナギの蒲焼きもおすすめです!果実味があるタイプには焼き鳥や筑前煮、タンニンがしっかりしているものには、タリアータのように赤身肉をさっと焼きバルサミコ酢とオリーブオイルで仕上げたもの。より繊細な味わいのものには、出汁を効かせたお料理を合わせてみてください。困ったときには、万能性に秀でたロゼワインがおすすめです!