突撃インタビュー
2017/11/07
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ラバヤ ディ ブルーノ ロッカ社 ルイザ ロッカさん
バルバレスコ最高の畑ラバヤを所有するバルバレスコを代表する造り手ブルーノロッカ突撃インタビュー
ピエモンテの3つの土着品種ネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェットとシャルドネの4つのブドウだけで造る
1990年まではジュゼッペカヴィオラ氏にコンサルタントを依頼していましたが、1993年ぐらいからは外部のコンサルタントとは契約せず、自分たちだけでワイン造りをしています。
唯一の白ワインがネイヴェのファウソーニにある畑で造るシャルドネ
今リリースしているのは2015ヴィンテージです。2015年は果実味が豊富でミネラルもしっかりと感じるヴィンテージになっています。ネイヴェは特にミネラルを多く含む土壌です。マロラクティック発酵をせずに造っていて、シュールリーは10ヶ月程度です。20%がバリック、残りはステンレスタンクで醸造をしています。
このシャルドネは2005年ぐらいまでは80%をバリック新樽で熟成させていたので樽のニュアンスを強く感じるどっしりとしたスタイルで造っていました。2006年ごろからそのスタイルを変えました。重厚な味わいは赤ワインで十分でないかと。白は軽やかな味わいにしたいと考えたからです。2014年からシュールリーを始め、2015年はマロラクティック発酵をすることもやめました。
アスティ地区のバルベーラとアルバ地区のバルベーラとは明確に特徴が違う。そしてランゲDOCを理解するうえで重要なのがランゲネッビオーロ
私たちのバルベーラダスティはアスティ地区の中のヴァリオセッラという重要なエリアで造っています。2014年は雹は降りませんでしたが、雨の多い年でした。そのため畑での仕事が特にワインの品質を左右しました。私たちは収穫量を25%減らしました。9月以降は好天が続いたので、遅熟のネッビオーロにとってはよりいい年になったと思います。
ランゲDOCは、消費者にとっては少しわかりにくい呼称かもしれません。すごく自由でなんでもできるDOCで、例えば品種名を名乗っていても5%までは他の品種を混ぜて造っていいんです。
私たちのランゲネッビオーロは、まだバルバレスコのレベルには達していない若いネッビオーロから造っています。畑は昔からずっと所有しているものと、新しく購入した畑がありますが、父がよくない樹だと判断したら新しいブドウ樹に植え替えています。樹齢8年ぐらいになるとようやく根がはってくるのですが、地中深くの良い成分のある土壌に達するには12年ぐらいはかかります。
各地の畑のネッビオーロをブレンドして造るバルバレスコとクリュバルバレスコ。2つの畑のブレンドコパロッサは2013ヴィンテージが最後
コパロッサというバルバレスコをこれまで造っていましたが、2013年が最後の年となります。コパロッサはパヨレとファウソーニのネッビオーロのブレンドで造っているのですが、パヨレは25年前から借りていました。ところが所有者の息子さんがワイン造りをやりたい、ということで賃貸契約の延長を断られてしまいました。だから2013年が最後になりました。
パヨレの畑はトレイゾ村にあるのですが、バルバレスコの中では南に位置するので標高が高く、砂と石の多い土壌となります。これは複雑実とエレガントな香りをもたらしてくれますが、味わいとしては優しくやわらかいものになります。一方、ファウソーニは骨格とミネラルがあります。この2つの特徴を混ぜることで芯のあるエレガントで女性的なバルバレスコが出来上がります。パヨレの畑がなくなればこの特徴が出ませんのでもう、コパロッサと呼べなくなります。だから造ることはやめました。
昔から高く評価されてきたラバヤ
私たちのラバヤは南西向きと南向きになります。ここはすり鉢状の区画になっていて、ここだけ独特のミクロクリマが存在します。タナロ川から来る空気の流れが発生し、谷に入り、常に風が吹くためカビの発生がなく、ブドウは病気になりません。
ブルーノロッカ唯一の白ワイン。樽熟濃厚のスタイルから果実感を表現した軽やかな味わいへ
酸がしっかりとしたフレッシュな味わいのバルベーラダスティ
試飲
コメント
熟した果実やナッツのニュアンス。エレガントな果実味ながら濃密さがあり、余韻も長い。
若いネッビオーロで造るランゲネッビオーロ
試飲
コメント
凝縮した果実の香りで心地よい甘みを感じる。バランスのとれたやわらかな味わいでとても飲み心地がいい。
各地の畑の個性を理解し、ブレンドして造るバルバレスコ
試飲
コメント
香りも味わいもとてもエレガント。上品な果実味とドライフラワーのニュアンス。滑らかで美しいスタイル。2014年らしい非常にエレガントな味わい。
2つのクリュのブレンドで造るコパロッサのラストヴィンテージ
試飲
コメント
まだ若々しさが感じられるがとんがった部分がなく、非常にエレガントな味わい。
濃厚な果実味、はっきりとした味わいの2012ヴィンテージ
試飲
コメント
2012に比べると濃厚な果実味をより感じる。すでに完成された感もある。濃密で旨みを感じるはっきりとした味わい。
よりエレガントな味わいの2011ヴィンテージ
試飲
コメント
エレガントさが際立つヴィンテージ。上品な酸とタンニン。食事と合わせやすいバランスのとれた味わい。
素晴らしい年!長熟のポテンシャル2013ヴィンテージ
試飲
コメント
まだ若い閉じた印象。たばこやドライフラワーのニュアンス。酸とミネラルが美しい。
凝縮感のある2012ヴィンテージ
試飲
コメント
凝縮感を感じる密度の高い味わい。ドライフラワーやミントのニュアンスも感じられる。
ミネラル感とともに濃厚さを感じる2011ヴィンテージ
試飲
コメント
より色の濃さを感じる外観そのままに濃厚なスタイル。重厚さと甘みをより強く感じるが固さのあるミネラルが引き締めている。
独特のキャラクターを持つ新しい単一畑!大樽熟成で造るバルバレスコ「クラ」
クラには独特のキャラクターがあります。ミネラルが特徴的でエレガントさがあり、そして塩っぽさもあります。個性のはっきりした畑なので単一クリュとしてリリースすることにしたのです。その個性を生かすため、大樽で熟成しています。
試飲
コメント
バラやスミレのフローラルなアロマとスイカジュースのニュアンス。果実味と協調するやわらかな酸があり、とてもバランスがいい。
ブルーノロッカが造りたい味として仕上げたバルバレスコ
ブルーノロッカのワインはすべてテロワールを表現するワイン(vino di territorio)ですが、唯一、生産者の意図する味(vino di produttore)に造っているのがこのマリアアデライデです。私たちの畑の中で最も良いブドウだけを選んで造っています。すべてバリック新樽で熟成させます。
試飲
コメント
チョコやカカオ、甘草などのはっきりとしたニュアンス、素晴らしく凝縮された濃厚な味わい。これまでのブルーノロッカのバルバレスコとは明らかに違う、濃密さと力強さがある。
インタビューを終えて
ラバヤとコルパッソの2011、2012、2013の3つのヴィンテージ、そして最新2014のバルバレスコと直近の4年間の垂直試飲をすることでそれぞれのヴィンテージの特徴を知ることができました。2014年は一般的には難しいヴィンテージと言われていますが、晩熟のネッビオーロにとってはそうではなかったことも実際に飲むとよくわかりました。
今回初リリースとなったクラも大樽熟成の印象的なバルバレスコです。他のバリック熟成とはまた違う、ブルーノロッカのバルバレスコ。ぜひお楽しみいただければと思います。
試飲
コメント
シャルドネらしい甘く明るい果実味の香りから味わいへ。しっかりとしたミネラルが存在感を示す、骨格のある味わい。