サンジョヴェーゼ グロッソによる表現を追い求めた
三大イタリアワイン 「ブルネッロ ディ モンタルチーノ」
その特徴とおすすめ10選
2023/09/25
イタリアの偉大な赤ワインを三つ挙げる時に、「3B」と頭文字をとって称されるワインがあります。「Barolo」、「Barbaresco]、そして「Brunello di Montalcino」です。生産者により様々なスタイルで生産されていますが、共通してワインは堅固で、果実味と力強さ、複雑な長期熟成に向いているタイプが大半を占めます。
イタリア本国でも「贈答品にはブルネッロを」と称されるほどに高級品としてのブランドイメージを確立する事が出来た産地でもあります。
イタリア本国でも「贈答品にはブルネッロを」と称されるほどに高級品としてのブランドイメージを確立する事が出来た産地でもあります。
ブルネッロがブルネッロであるための製法と、ぶどうへのこだわり
「ブルネッロ」とは、このワインのDOCG原産地呼称名ですが、地元で呼ばれるブドウ品種の別名でもあります。使われているのは、サンジョヴェーゼ グロッソといわれるタイプが100%です。実はサンジョヴェーゼには様々な種類が存在しますが、ブルネッロ = サンジョヴェーゼ グロッソなのです。グロッソ種のみがブルネッロ ディ モンタルチーノの生産に許されており、違うサンジョヴェーゼ種を混ぜたり、使用するとDOCGと名乗れません。そこまでこのブドウにこだわって生産することこそが「ブルネッロ」なのです。更に熟成規定でも、最低で4年熟成(リゼルヴァだと5年)、その内木樽熟成が2年は行なわないとなりません。
収穫年から5年は経たないと市場に出てこないほどに、酒質が強く飲みごたえがあります。まさに100年先でも飲めるワイン、という生産者の想いがまさしく具現化されたワインです。
収穫年から5年は経たないと市場に出てこないほどに、酒質が強く飲みごたえがあります。まさに100年先でも飲めるワイン、という生産者の想いがまさしく具現化されたワインです。
サンジョヴェーゼ種の2大バイオタイプ グロッソ&ピッコロ
サンジョヴェーゼにはクローンが多数存在しているほど、突然変異が起こりやすい品種です。今現在最も研究が進んでいない、未だ解明出来ていない謎の多い偉大な品種なのです。その中でも大別すると2通りあります。それがサンジョヴェーゼ「グロッソ」と、「ピッコロ」です。ブドウの粒の大きいタイプがグロッソ、小型がピッコロとして分かれています。小粒のピッコロは酸味と華やかなスミレやチェリーの香りがあり軽やかにも造られます。対してブルネッロにおいては果皮が厚く、粒も大きいグロッソ種です。タンニンの抽出や果実の濃度も高くなり、頑強なワインになりますがその分熟成に向いている品種です。
ブルネッロ ディ モンタルチーノの土壌と北と南の違い
実はモンタルチーノ村の土壌条件は非常に多様性に富んでいて、アルザスにも負けないモザイク土壌です。場合によっては10m毎に地質が変わったり、東西南北にうねる丘陵地帯は日照の関係も大きく異なります。モンタルチーノ村の周辺ではガレストロといわれる粘板岩土壌で力強い果実感をもたらしやすい地質が多いです。
北と南の特徴的な大別で述べると、北のモンタルチーノ村はブルネッロの起源でもあり、比較的標高の高い冷涼地帯です。ブルネッロ デイ モンタルチーノの中でも最もエレガントでアロマも高く、酒質やタンニンも強い長期熟成向きタイプが多いです。南側のサンタンジェロ地区では真反対の性質を持っており、標高もなだらかで暑く乾燥しています。熟した果実感と控えめな酸味、重厚感があり力強いボディが特徴的です。
北と南の特徴的な大別で述べると、北のモンタルチーノ村はブルネッロの起源でもあり、比較的標高の高い冷涼地帯です。ブルネッロ デイ モンタルチーノの中でも最もエレガントでアロマも高く、酒質やタンニンも強い長期熟成向きタイプが多いです。南側のサンタンジェロ地区では真反対の性質を持っており、標高もなだらかで暑く乾燥しています。熟した果実感と控えめな酸味、重厚感があり力強いボディが特徴的です。
ブルネッロの発祥と発展をもたらした功績者
ブルネッロの始まりは当時モンタルチーノ村にクレメンティ サンティが粒が大きい突然変異のサンジョヴェーゼを発見し持ち帰って植えたことからがきっかけです。孫にあたるフェルッチョ ビオンディ サンティがそのブドウを使って100年後も飲める偉大なワインを造りたいと研究を重ねて1888年に、ついに今のブルネッロの原型ともいえるワインがリリースされます。
しかし当時の主流は白の甘口ワインの時代で、誰にも熟成の赤ワインを求められていませんでした。モンタルチーノ村はトスカーナでも貧しく、収益に時間のかかるため農夫に歓迎されなかったのです。しかし、ビオンディサンティの訴えが届き1967年にブルネッロ協会が設立されました。
その中に現れたのがバンフィ社です。バンフィはアメリカでイタリアワインの輸入業をしており、当時ランブルスコの輸入で大成功を収めた兄弟です。その莫大な資本と影響力、マーケティング能力によってブルネッロの知名度が一気に上がりました。結果、懐疑的なブドウ農家達も次々とブルネッロ生産に参入し今の世界的な地位の確立へと至りました。
しかし当時の主流は白の甘口ワインの時代で、誰にも熟成の赤ワインを求められていませんでした。モンタルチーノ村はトスカーナでも貧しく、収益に時間のかかるため農夫に歓迎されなかったのです。しかし、ビオンディサンティの訴えが届き1967年にブルネッロ協会が設立されました。
その中に現れたのがバンフィ社です。バンフィはアメリカでイタリアワインの輸入業をしており、当時ランブルスコの輸入で大成功を収めた兄弟です。その莫大な資本と影響力、マーケティング能力によってブルネッロの知名度が一気に上がりました。結果、懐疑的なブドウ農家達も次々とブルネッロ生産に参入し今の世界的な地位の確立へと至りました。
ブルネッロ ディ モンタルチーノと合わせる料理
ブルネッロの持つ高い芳香としっかりとしたタンニン、熟成感のある香りにはお肉の持つ脂質やしっかりと食べ応えのあるものを好みます。ラムチョップなど噛み応えのあるお肉がおすすめです。トスカーナでは、炭火焼きにしたキアニーナ牛と食べるのが最高の組み合わせともいわれています。キアニーナ牛は旨味の強い赤身肉が特徴的なブランド牛です。鳩や鴨が持つ野禽類の力強い味わい、鉄分のニュアンスとも非常にマッチします。熟成香もあるワインなので、キノコを使うことで色々なお肉料理が合わせやすくなります。タンニンが強くコクがあるので、羊乳のハードチーズなど一緒にワインをメインに楽しむのもとてもお勧めです!
ビオンディ サンティ
ブルネッロの生みの親「ビオンディ サンティ」超長期熟成を可能にする強靭な酸とミネラル!伝統的な王道ブルネッロ
バンフィ
ブルネッロ ディ モンタルチーノを世界に広めた最大の功労者「バンフィ」のスタンダードブルネッロ
イ パラッツィ
モンタルチーノの中のテロワールの異なる3つの歴史的な区画の融合による理想的なバランス!「イ パラッツィ」のブルネッロ
コルドルチャ
力強さと親しみやすさをあわせ持つ名門コルドルチャのブルネッロ ディ モンタルチーノ!
ポッジョ ディ ソット
伝統派ブルネッロの最高峰「ポッジョ ディ ソット」がつくる希少なブルネッロ
カサノヴァ ディ ネリ
真の愛好家が狙う世界最高評価ブルネッロ生産者として注目を集めるカサノヴァ ディ ネリのスタンダード ブルネッロディモンタルチーノ!
イルコッレ
伝統的な大樽熟成と北と南の区画のブレンドが生むエレガンス、清涼感、力強さの見事なバランス!「イルコッレ」のブルネッロ
リジーニ
古典派ブルネッロの代表格「リジーニ」透明感が高く複雑なミネラルを感じる伝統的ブルネッロ ディ モンタルチーノ
リドルフィ
優美なブルネッロの造り手として頭角を現す「リドルフィ」単一畑で良年のみ造られるリゼルヴァ「メルカターレ」
シルヴィオ ナルディ
「シルヴィオ ナルディ」の異なる偉大な2地区のブドウをブレンド!「ゴージャスな長さ」の余韻を持つエレガントなブルネッロ
エレガントさが身上の名手「シルヴィオ ナルディ」のスタンダードなブルネッロ ディ モンタルチーノ。北西部と東部の2箇所にまたがる36区画に分かれた畑からブレンドを行っています。非常に滑らかな口当たりでサンジョヴェーゼの優美さが見事に表現されています。エレガントで洗練されたボディですが、内に秘めたパワー、構成する味わいの要素が複雑に重なり合い、寸分の狂いのない精妙なハーモニーが展開されています。1990年代からシルヴィオの娘、エミリア女史がワイナリーに加わり、名声は揺ぎ無いものとなっています。彼女の造るブルネッロは「ソフト&エレガント」で余韻も長く、厚みがありながらも、エレガントなスタイルは保たれていて実に好感が持てるブルネッロです。