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随時更新しています Last Update 2021年11月14日
コンテンツ (目次) |
【 カラーダイヤモンドについて 】
【 各カラー別ご説明 】
■Color Diamond カラーダイヤモンド |
●「カラーダイヤモンド」は、ほぼ全色あります。
●大まかに分類すると「無色透明」、「ホワイト(White)」、「イエロー(Yellow)」、「オレンジ(Orange)」、「ピンク(Pink)」、「レッド(Red)」、「パープル(Purple)」、「バイオレット(Violet)」、「ブルー(Blue)」、「グリーン(Green)」、「ブラウン(Brown)」、「グレー(Gray)」、「ブラック(Black)」。虹の7色と同じ色は存在しているわけです。
●GIA(米国宝石学会)がグレード(鑑定)する色は、「イエロー」、「オレンジ」、「ピンク」、「レッド」、「パープル」、「バイオレット」、「ブルー」、「グリーン」の8色です。
「ホワイト」、「グレー」、「ブラック」、「ブラウン」は、基本的にGIAのカラーチャートには含まれておりません。
●しかし例えば「ブラウン」の綺麗なものは「コニャックダイヤ」などと称賛を受け世界中の人々から愛されていますので、あまり鑑定機関の動向に左右されないことも必要かなと思います。
カラーダイヤモンド コレクション Colored Diamonds Collection 各画像をクリックすると、商品を見れます。 |
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ピンクダイヤ |
レッドダイヤ |
オレンジダイヤ |
イエローダイヤ |
グリーンダイヤ |
ブルーダイヤ |
バイオレットダイヤ |
パープルダイヤ |
ブラウンダイヤ |
ホワイトダイヤ |
グレーダイヤ |
ブラックダイヤ |
カメレオンダイヤ |
バイカラーダイヤ |
レアーダイヤ |
■Science of Color Diamond カラーダイヤモンドの【色】の要因 |
●なぜ「カラー」になるのか…、残念ながら完全な科学的証明はまだされておらず、不明な部分が多いのです。
●分かっているのは、「放射線の照射などによる結晶構造の変化」、「ダイヤモンドの生成過程に何らかの不純物が混ざり、それによって色が生じている」ということです。
●窒素、ホウ素、水素などの不純物に加え、結晶構造の欠陥が可視光線のエネルギー範囲に相当する低い電子状態を作り出し、このため可視光線の吸収が起こります。その結果、ダイヤモンドに色がついて見えるのです。
・ピンクダイヤモンド・レッドダイヤモンド・・・窒素原子が取り込まれ、その隣の炭素原子が欠けることでピンク色や赤色になる。
・ブルーダイヤモンド・・・炭素原子1億個中に5~6個以下の割合(0.05〜0.06ppm)でホウ素原子が取り込まれることで青色になる。
・グリーンダイヤモンド・・・取り込んだ窒素原子2個にはさまれた炭素原子が欠けることで緑色になる。
・イエローダイヤモンド・・・取り込んだ窒素原子の含有量が、炭素原子100万個に対して10〜5500個(10ppm~5500ppm)の含まれることで黄色になる。
・ブラックダイヤモンド・・・肉眼で確認できない微量元素がカラーの要因ではなく、ダイヤ内部に含有する鉱物(グラファイトや鉄鉱石)などのインクルージョンが多く含まれ、これらの鉱物の色を反映して黒く見えるものが天然のブラックダイヤである。
●ちなみに1カラットのダイヤモンドは、「96億×1兆(=9,600,000,000,000,000,000,000)」個の炭素原子から成っています。
●科学的に証明されるのも良いですが、分からない部分があるというのも「神秘的」でいいと思いませんか!!
■Natural Diamond & Treatment Diamond ナチュラル&トリートメント カラーダイヤモンド |
●カラーダイヤモンドには、色の起源によって「ナチュラル(ファンシー) ダイヤモンド
Natural (Fancy) 」と「トリートメントダイヤモンド Treatment 」の2種類に分類されます。
▲ ナチュラル ファンシー・ビビッド・パープリッシュ・ピンク(Fancy Vivid Purplish Pink)
▲ トリートメント ファンシー・ビビッド・パープリッシュ・ピンク(Fancy Vivid Purplish Pink)
●「ナチュラル(ファンシー)ダイヤモンド」とは、ダイヤモンドのカラー生成が天然の物を指します。これに対して、ダイヤモンドそのものは本物の天然ですが、色のみ人工的につけたダイヤモンドを「トリートメントダイヤモンド」として区別しています。
●人工的に色をつける方法は、(1)放射線を照射する、(2)分子構造を変えて色を生じさせる、(3)高温高圧(HPHT)プロセスなどの方法があるといわれています。もしかしたら、技術の進歩で他の方法も存在するかもしれませんが、私はまだ聞いたことがありません(^^;)
===放射線処理について===
放射線処理と聞いて「人体への悪影響は?」と心配になられるお客様もいらっしゃいます。
放射線照射は、1900年初期に実験的に行われ、初期は何年も残る強い放射性が問題視されましたが、現在では放射線処理をした後、残存放射性が残ることは無いとされています。
この方法は、ラジウム塩あるいはラドン、コバルト60を照射することで色の改変を行う技術で、照射には電子線加速器を使います。なかでもファンデグラーフ加速器による着色は、淡いアクアマリンブルーから、緑青色までの色調が得られます。
現在は、原子炉処理へと処理技術が移行しており、ピンクやブルー・グリーンといった色調も作り出されています。
自然界ではダイヤモンドの結晶が何百万年という長い期間に放射性物質と接触することで、ダイヤモンドのカラーが作られていきます。それを短期的な放射線処理によってカラーを帯びさせるというのがこの手法で、それが自然の放射線か、人為的な放射線かを判別することは困難とされています。
しかし、近年では大半の放射線処理ダイヤモンドは、「分光光度計」での分光分析によって、それが天然の色と同異なるかを判別することで見分けられるようになっています。参考
ただ、それでも色の起源が「天然」なのか「人工的」なモノなのか判断がつかない場合があります。2重の説明となりますが、自然界にも放射線は存在しているからです。ダイヤモンドの生成後に自然界の強い放射性物質にさらされると色がつくことがあるからです。
この判断が難しいとされるのが、「グリーン(Green)」、「ブルーグリーン(Blue Green)」、「グリニッシュ・ブルー(Greenish
Blue)」「ブルーイッシュ・グリーン(Bluish Green)」「グレーイッシュ・グリーン(Grayish Green)」等のブルー系やグリーン系のダイヤモンドです。
ご参考情報 ・・・中央宝石研究所ではガイガー・カウンターを使用して、疑いの可能性のある宝石などについては残留放射能についても検査しているようです(2008〜2009年頃の情報)。
●2007年頃から「コーティングダイヤモンド」などと呼ばれるトリートメント(?)カラーダイヤが市場に流通し始めました。上記の3方法とは異なり、ダイヤ表面にコーティングする方法でピンクならピンクダイヤに見えるようにしているようです。
ただ、コーティングということは、メッキのように薄い膜をダイヤ表面に貼り付けているのと同じ状況ですので、その膜が剥がれれば当然、色が落ちる(地の色に)なります。
コーティングダイヤの耐久性試験結果(メーカー発表値) (あくまで一般論であり、剥離・変色・破損等の責任は一切負いかねます) |
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可 | 不可 | |
加熱 | 500℃まで | 500℃以上 |
ダイヤモンド洗浄 | イソプロピルアルコール、アセトン | 酸 |
ジュエリー洗浄 | 超音波、スチーム洗浄 | 酸 |
家庭内での使用 | 洗剤、石鹸、漂白剤 | − |
ダイヤモンドのセッティング | プロングセット、フラッシュセット、チャンネルセット、ペイブセット | ワックスセット、テンションセット |
ダイヤモンドのリカット | − | ダイヤモンドのリカット不可 |
ジュエリー製造 | − | パビリオンに研磨機を使用することでコーティングが剥離 |
研磨 | − | 表面にざらつきのあるサンドペーパー等での研磨不可 |
●当然ですが、「トリートメントダイヤ」に比べて、天然起源の「ナチュラル(ファンシー)ダイヤモンド」は別格の扱いを受けています。
2018年01月10日に一般社団法人宝石鑑別団体協議会(AGL)より以下のようなアナウンスがありました。
<コメント変更のお知らせ>
人為的照射ダイヤモンド、高温高圧(HPHT)プロセスダイヤモンド、高温高圧(HPHT)プロセスと人為的照射が行われたダイヤモンドの色の起源とコメントのダイヤモンド・グレーディングレポート上の表記を、平成30(2018)年02月01日より下記のように変更いたします。
(変更理由)
近年、天然ダイヤモンドに対し高温高圧(HPHT)プロセスと人為的照射の両方を行っている処理が報告されるようになりましたが、複数の処理の検出が困難な場合があるため、人為的照射ダイヤモンド、高温高圧(HPHT)プロセスダイヤモンド、及び高温高圧(HPHT)プロセスと人為的照射が行われているダイヤモンドの色の起源とコメントを変更し統一することにいたします。
人為的照射ダイヤモンド | |
変更前 | 変更後 (英文表記も変更) |
色の起源:人為的照射* コメント:*色の変化を目的とした人為的照射が行われています。 |
色の起源:処理* コメント:*このダイヤモンドのカラーは単一の処理または複数の処理が行われています。 |
高温高圧 (HPHT) プロセス ダイヤモンド | |
変更前 | 変更後 (英文表記も変更) |
色の起源:高温高圧プロセス* コメント:*色の変化を目的とした高温高圧プロセスが行われています。 |
色の起源:処理* コメント:*このダイヤモンドのカラーは単一の処理または複数の処理が行われています。 |
高温高圧 (HPHT) プロセスと人為的照射が行われているダイヤモンド | |
変更前 | 変更後 (英文表記も変更) |
色の起源:高温高圧プロセス・人為的照射* コメント:*色の変化を目的とした高温高圧プロセス及び人為的照射が行われています。 |
色の起源:処理* コメント:*このダイヤモンドのカラーは単一の処理または複数の処理が行われています。 |
■Place of Production カラーダイヤモンドの産地 |
●ちなみに、どこの国で産出されるのでしょうか?
ピンクダイヤモンドの産地として有名なのが、オーストラリアのアーガイルです(2020年閉山予定)。
その他、ナチュラルカラーダイヤモンドを産出するのは、ロシア、ブラジル、インド、タンザニア、ザイール、アンゴラ、南アフリカなどです。
●また、最近鉱山の発見された、カナダに期待したいですね。
■Quantity カラーダイヤモンドの産出量 |
●ズバリ、全ダイヤの0.01%位(ピンクダイヤモンドの場合)。
色々な数値が発表されていて、資料によって違うのですが、ダイヤモンド10,000個の内、ナチュラルカラーダイヤモンドは1コあるか無いか〜10個以内といわれています。
●この数値をから分かるように、ナチュラルカラーダイヤモンドが非常に希少価値のある宝石だということがお分かりいただけると思います。
●産出量の多いカラーとしては、「イエローダイヤモンド」「ブラウンダイヤモンド」系が上げられます。
●ただ、特級クラスの「イエローダイヤモンド」「ブラウンダイヤモンド」はやはり産出量が全然少ないです。
■Grading カラーダイヤモンドの鑑定について |
●さて、「カラーダイヤ」はどのように鑑定されているのでしょうか?
●GIA基準ですと、マスターストーンとの比較やマンセルのカラーチャートを参考に地(ベース)の色を決めます。
フェイス・アップ(クラウン側)でグレーディングに支障をきたす内包物などが無い場合は、クラウン側からグレーディングします。そうでない場合は、パビリオン 側からグレーディングします。
他の光源や色に邪魔されないよう、無彩色(グレー)の囲いの中でカラーダイヤを判定するのに最適とされる一定の波長の蛍光灯の元にカラーダイヤを設置し、ベースの色だけなのか他の色が混在している(混ざっている)のか判定し、カラーグレードを「彩度」と「明度」から判定します。
●カラーダイヤモンドは『ジャッジU(Judge U)』と呼ばれる箱型の囲いの中でカラーをグレーディングします。
ジャッジUは、内寸が50.8×60.9×50.8(高さ×幅×奥行き)cmで内側はグレー(マンセル N7)で覆われています。その中に『キセノンタイプ
D65 ( Xenon-type D65 Daylight ) 』という波長の蛍光灯が付いています。
カラーダイヤを安定しておける溝が掘られているマットな白いプラスチック製のケース(トレー)の上に置き、ダイヤのテーブル面(上側の平らな面)を表にして、光源から出た光がテーブル面で正反射しグレーダーの目との角度が45°になる位置で判定します。
もちろん、グレードする部屋や周りにダイヤのカラーに影響を及ぼすような色を持つ物体は置いてはいけません。
●一般的なグレーディングレポート(鑑定書)に記載される表示方法は、【カラーグレードの接頭辞】+【色相】となっています。
●カラーグレードの接頭辞は、色の濃い(単純に濃い)順に以下のようになります。
接頭辞 |
■ 「 ファンシービビッド ( Fancy Vivid ) 」 |
■ 「 ファンシーインテンス ( Fancy Intense ) 」 |
■ 「 ファンシーディープ ( Fancy Deep ) 」 |
■ 「 ファンシーダーク ( Fancy Dark ) 」・・・「濃い」というより「暗い」、「黒い」が正しいかもしれません。 |
■ 「 ファンシー ( Fancy ) 」 |
■ 「 ファンシーライト ( Fancy Light ) 」 |
■ 「 ライト ( Light ) 」 |
■ 「 ベリーライト ( Very Light ) 」 |
■ 「 フェイント ( Faint ) 」 |
●このカラーグレードの接頭辞は「彩度」と「明度」の2つの観点からグレーディングされています(左図参照 : カラーグレード・イメージ (AGTジェムラボラトリー) ピンクダイヤの場合)。
●例えば、「ファンシーダーク」と「ファンシー」の場合、「彩度」はほぼ同じです。しかし、「明度」は「ファンシー」のほうが高い明度で、「ファンシーダーク」のほうが明度は低くなっています。
ですから、単純に色の濃さの順で見ると「ファンシーダーク」のほうが「ファンシー」よりも濃いとされていますが、明るさは「ファンシー」の方が高いといえます。
●ただ、一つ留意しておいて頂きたいのが、左図の白丸のA、B、Cとも鑑定結果は『Fancy Pink』となることです。
●単純に「A」「B」「C」の中では「A」が一番綺麗で「C」が一番人気が無いと思います。
「C」はピンクの色が薄く、かつ黒っぽく(暗い)見え、あまり鮮やかさを感じないと思います。「B」と「C」の違いは、彩度にあります。「B」のほうが「C」よりも鮮やかな色合いを持っています。
「A」と「B」の違いですが、「A」のほうが恐らく綺麗でしょうが、人によっては「色が薄い」と感じる人もいるかもしれません。「B」の方がしっかり色が濃く見えるでしょうから、「B」を「A」よりも好む人もいると思います。
ここらへんは個人の好みに大きく左右されると思いますので、鑑定書的な結果も大事ですが、自分の目と感覚に訴えてくるダイヤがあなたのカラーダイヤなのだと思います。
●カラーダイヤに対して正しい評価を下す業者なら、「A」「B」「C」の価格は当然違ってきます。(いいかげんな業者は、残念ながら価格もめちゃくちゃです。)
他の3C(カラット・クラリティ・カット)が同じ『Fancy Pink』でも、価格に差があるのはこのためです。
●実際のピンクダイヤを並べてみると判るのでしょうが、そんなに大量にピンクダイヤを所有することは個人では(業者でも)かなり難しいと思います。
同じ『Fancy Pink』評価のA、B、Cでも、Aは『Fancy Intense』に近いですし、Bは『Fancy
Dark』や『Fancy Deep』に、Cは『Fancy Dark』に近いですので、正しい業者なら「A」が一番高価で次に「B」となり、「C」は間違いなく一番安価になると思います。
●色相は「パープル」「レッド」「ピンク」「オレンジ」「グリーン」「ブルー」「バイオレット」「イエロー」「ブラウン」「ホワイト」「グレー」「ブラック」などがあります。
●2つ以上の色相が混ざっている場合は
【カラーグレードの接頭辞】+【その他の色相】+【優勢な色相】で表されます。
●例えば、「ファンシー・ビビッド・パープリッシュ・ピンク(Fancy Vivid Purplish Pink)」等と、表記されます。
意訳すると、「もうむちゃくちゃきれいで色の濃い、パープルがかったほとんど真ピンク」とでもなりましょうか!
▲ ファンシー・ビビッド・パープリッシュ・ピンク(Fancy Vivid Purplish Pink) ナチュラル
●そして混同しやすく注意を要するのが、次のような例です。
(A)「○○ グリニッシュ・イエロー (Greenish yellow)」と
(B)「○○ イエローイッシュ・グリーン (Yellowish Green)」など、似た評価の場合です。
▲ (A) Fancy Greenish Yellow (natural)
▲ (B) Very Light Yellowish Green (natural)
(A)は「緑色がかった黄色」つまり「イエローダイヤ」、
(B)は「黄色がかった緑色」つまり「グリーンダイヤ」なのです。
どちらも似たような色合いですが、評価がまったく違ってきますので、注意が必要です。
●また、次のような例もあります。
(C)「○○ グリーン・イエロー(Green Yellow)」と
(D)「○○ イエロー・グリーン(Yellow Green)」です。
▲ (C) Fancy Green Yellow (natural)
▲ (D) Very Light Yellow Green (natural)
(C)(D)はグリーンとイエローが殆ど同じ強さで、どちらが強いとは判断しかねる場合に使われます。
しかし、敢えて言うならイエローが強い場合が(C)で、敢えて言うならグリーンが強い場合が(D)となります。
●非常に微妙な鑑定ですので、鑑定書だけに頼るのではなく、自分の眼と直感で感じるものがあったら、そのダイヤは入手しておくことを強くお勧めいたします。
●なぜなら、カラーダイヤモンドで同じものは二度と出てこない可能性が非常に高いからです。
●以上のように、とても微妙な判断を要求されるカラーダイヤモンドのグレーディング。
●いくつかの疑問がわいてくるかと思います。私が思い浮かんだのは、
(1)人種(瞳の色)による違い
(2)着ている衣服、壁、天井、床の色は影響しないのか?
(3)裸眼と眼鏡とコンタクトレンズによる違い
(4)年齢による違い(若いグレーダーと老眼のグレーダー)
上記の疑問に2009年9月に答えを得る機会を得ました。GIAの最高品質責任者であるジョン・キング氏が来日・講演されたのです。その講演の後、勇気を振り絞って(笑)、上記内容を質問してました。
ジョン・キング氏のご回答としては、
(1)人種による違いは、「ありえる」。
(2)周囲の環境に影響されないよう、ジャッジIIなどの箱型の機材を使うので、周囲の環境に影響されるとは考えていない。
(3)関係ないと考えている。ただし、サングラスなど有色のレンズではなく、透明のレンズに限る。
(4)ありえると思うが、年齢による差が無くなるようグレーダーは訓練している。
万全・公平を期すために、プロの通訳の方を通してのやり取りをしました。ですので、多少のニュアンスの違いはあるかもしれませんが、ざっくりとした解答は上記のようになります。
(1)に関しては、その後ディーラーさんと話しているときに、色に敏感とされるのは、
青色や緑色の瞳 > 茶色や黒い瞳
女性 > 男性
との説もあると聞きました。上記の説からすると、真偽の程は別にして、白人女性が最も色に敏感であるということになりますね!
ただ、ネット上での情報ですと、「瞳の色による色の感じ方の違いはない」という眼科医(?)の方の学説(?)もありましたので、本当はどうなんでしょう(笑)?
また(3)に関しては顕微鏡などのレンズ関連のお仕事をされている方が、「完全に無色透明のレンズは作成不可能で、必ずレンズの色が混ざるので色が変わってしまう」との内容のことをおっしゃっていたような記憶があります。
うーん、真相や如何に。。。
より詳しい情報をお持ちの方はぜひご一報くださいませ。
●上記のほかにも、グレーディング時に気をつけなければならない点として
・光源の違い
・色(カラー)の記憶(思い込み、残像)
・観察者の個体差
・ダイヤのサイズ(大きさ)によって色が違って見える
・ダイヤを見る方向(角度・アングル)
・背景の違い
があると指摘していました。
GIAでは、「ダイヤ全体の色の融合を見る」、そして、
・フェースアップ(表面)のみ
・光源・角度
・光源は一箇所のみ
・同じ行程を経る(ダイヤのカットの違いにかかわらず)
また、「パッと見では(グレードを)決めない」ということも重要なようです。
他にもいろいろ盛りだくさんの講演でしたが、講演の内容、Q & A は以上とさせていただきます。
●ネット上ですとかなりの部分を鑑定結果に頼らざるを得ないところがありますが、気になるカラーダイヤモンドを見つけたら極力実際にご自身の目で確認し、何か感じるものがあったら、それがあなたのカラーダイヤモンドだとおもいます!
●なお、一つの判断基準として、どこの鑑定機関が鑑定しているかは大きな目安になります。
世界中で通用するのは、GIAです。GIAの鑑定書が付いていれば、まず安心です。(GIAの鑑定書が付いていると値段も高くなりますが・・・^^;)
国内鑑定機関ですと、AGTジェムラボラトリーか中央宝石研究所がお勧めです。
当店では、上記3機関(GIA、AGTジェムラボラトリー、中央宝石研究所)か日本宝石学協会のいずれかの鑑定を取っていますのでご安心くださいね!
その他に関しては、何か情報が入り次第、追記しますね。
▲カラーグレード・イメージ (GIA)
カラーグレード用語の境界(GIA) | ||||
イエロー Yellow |
ブラウン Brown |
グレー Gray |
その他 ( ピンク、ブルー、グリーンなど ) Other ( Pink, Blue, Green, etc ) |
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D | 文字グレードのみ Letter Grade Only |
文字グレードのみ Letter Grade Only |
文字グレードのみ Letter Grade Only |
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E | ||||
F | ||||
G | カラーダイヤモンド カラーグレード Colored Diamond Color Grade |
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H | ||||
I | ||||
J | ||||
K | 文字グレード+「フェイント・ブラウン」 Letter Grade + "Faint Brown" |
「フェイント・グレー」 "Faint Gray" |
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L | ||||
M | ||||
N | 文字グレード+「ベリー・ライト・ブラウン」 Letter Grade + "Very Light Brown" |
「ベリー・ライト・グレー」 "Very Light Gray" |
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O-P | ||||
Q-R | ||||
S-T | 文字グレード+「ライト・ブラウン」 Letter Grade + "Light Brown" |
「ライト・グレー」 "Light Gray" |
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U-V | ||||
W-X | ||||
Y-Z | ||||
>Z | カラーダイヤモンド カラーグレード Colored Diamond Color Grade |
=== 2003(平成15)年10月1日以降、カラーダイヤモンドの表記について、一部変更があります。 ===
平成15年8月、中央宝石研究所より、以下の内容のカラーダイヤモンド記載内容に関しての変更のアナウンスがありました。
近年、GIAでは人為的に処理されたカラーのダイヤモンド(※1)に対しても色の起源を明確にした上でカラー・グレーディングを行っております。これに倣って宝石鑑別団体協議会(AGL)でも、処理石に対して、カラーグレードを行うこと、ならびにすべてのファンシーカラーおよび処理により色が変化させたれているものを対象に色起源を明記することが決定されました(※2)。
※1:放射線照射処理、高温高圧(HPHT)プロセスおよびそれらの疑いがあるダイヤモンド。
※2:色起源の記載は、天然のDからZカラー以外のすべてのカラーグレードが対象となります。
■グレーディング・レポート記載例
●天然のファンシーカラーの例
COLOR GRADE : FANCY INTENSE PINK
COLOR ORIGIN : 天然(NATURAL)
●放射線処理の例
COLOR GRADE : FANCY GREENISH BLUE *
COLOR ORIGIN : 人為的照射 *
その他(COMMENTS) : *色の変化を目的とした人為的な照射が行われています。
●注意点:
これまで(2003年10月1日以前)は、ナチュラル(天然起源)のダイヤモンドにしか「FANCY」等の接頭辞は付きませんでした。
しかし、これからはトリートメントのダイヤモンドにも「FANCY」等の接頭辞が付きます。
パッと見ただけでは、区別が付きにくいですが、トリートメントの場合には、必ず「人為的照射」等の記載が付きます。
よく確認してくださいね!
■How to choose (Clarity,Cut・Shape …) カラーダイヤモンドの選び方(クラリティ、カット・シェイプ…) |
●最も重要なのは「色」です。
●カラーダイヤモンドなのですから、まずは「カラー」を最重点項目に見ましょう。
よくダイヤモンドの説明に「4C」と呼ばれる評価基準があります。「カラット」「カラー」「クラリティー」「カット(シェイプ)」ですね。
●無色透明のダイヤモンドを選ぶときには、4Cの中で優先順位をつけて、予算に見合った石を選んでいると思いますが、カラーダイヤの場合は、とにかく「カラー」です。
●カラーを重要視し、「クラリティー」や「カット(シェイプ)・・・(ダイヤモンドの形、ラウンドブリリアントカットやハートシェイプカットなど)」を考慮に入れましょう。
●ちょっとぐらいの傷や内包物は、「天然の証」ぐらいに思ってあまり神経質にならないことをお勧めします。
=== カラーダイヤのラウンド・ブリリアント・カットの『カット評価』につきまして ===
●カットについてよくご質問頂くのですが、「ラウンドブリリアントカットなのにエクセレントやベリーグッドなどカットの評価が無いのですが・・・」。2006年1月1日以降、AGL(鑑別団体協議会)に所属する鑑定機関では、ラウンドブリリアントカットのカラーダイヤモンドに関してはカットの評価をしないということになりました。
ですのでラウンドブリリアントカットのカラーダイヤでカット評価が下されているものは、2006年1月1日以前に鑑定されたものか、AGLに所属していない鑑定機関による鑑定のものとなります。
●そして何より、できる限り実際にご自身の目でご確認することを強くお勧めいたします。画像の色はあくまで画像、パソコンの設定などによって千差万別です。
実物が画像より綺麗なのは間違いないですが(故意に実物より良く画像を加工している悪質な場合もあります)、『百聞は一見にしかず』です。
●お店でも照明や背景によって全然違って見えますので、蛍光灯、白熱灯、太陽光などできる限りの光源を試してみてください。
●それから常に念頭に忘れずにいていただきたいのが、「とにかく、数が少ない」ということです。
「同じピンクダイヤが欲しい」と思っても、次に見つかるのは、明日かもしれないですし、5年、10年経っても見つからないかもしれないのです。
●人と人の出会いと同じように、カラーダイヤとの出会いもあると思えてなりません。
●皆さんのご購入の参考に少しでもお役に立てましたでしょうか?
「これも知りたい」「あんなことも教えて」など、ありましたらお気軽に質問してくださいね。
宝石のプロとして、一生懸命頑張りますので宜しくお願いします。
カラット (Carat) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
●ダイヤモンドの重量はカラット(略字ではct)で表示され、1カラット(ct)=0.2gです。 ●よく「大きさ」と思われていますが、正確には「重さ」です。ただ、ダイヤモンド同士ならば比重が同じなので、「大きさ」と考えても大丈夫でしょう。でも、ダイヤモンドとルビーなど違う石同士だと比重が異なりますので、同じ1ctでも大きさは違ってきます。 ●通常、小数点第2位または第3位まで精密な電子天秤 ( カラット天びん )で測定、表示されます。 |
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クラリティ (Clarity) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
●「クラリティ」とは、研磨されたダイヤモンドにどのようなブレミッシュ(外部/表面上の特徴)やインクルージョン(内包物)の特徴を11段階のクラリティスケールで評価します。 ●ダイヤモンドは非常な高熱と圧力の環境下で形成されるため、内部や表面に全く特徴がないものはごく稀です。これらの特徴はダイヤモンドが形成される上での副産物であり、鑑定士等がダイヤモンドと合成石や類似石を識別したり、ここのダイヤモンドを識別することに役立つものです。 GIA方式
・FL=Flawless(フローレス) ・IF=Internally Flawless(インターナリー・フローレス) ・VVS=Very, Very Slightly Included(ベリー・ベリー・スライトリー・インクルーデッド) ・VS=Very Slightly Included(ベリー・スライトリー・インクルーデッド) ・SI=Slightly Included(スライトリー・インクルーデッド) ・I=Included(インクルーデッド) 下付きの数字はその等級内の程度差を表します。 ●カラットやカラーと同様に、クラリティが価値に及ぼす影響は、希少性と直接関係しています。 ●研磨されたダイヤモンドを専門家が、 宝石顕微鏡等で10倍に拡大し検査して評価されます。 インクルージョンやキズ等の数量・大きさ・位置・色・性質などで総合的に判定されます。 ●インクルージョンやキズ等の存在は必ずしも否定的な要因ではなく、ダイヤモンドがどのように形成されたのかの情報源であり、またカッター(研磨職人)が原石をどの様にカットするかを決定する要因にも役立っています。 ●さらに「天然ダイヤモンド」である証拠を提供してくれることもあります。 ●市場に出まわる石としては、「VVS-1」〜「I-1」が多くなってます。 「IF ( インターナリー・フローレス )」は市場に出ますがとにかく非常に数が少なく、「FL ( フローレス )」にいたっては、殆ど市場には出てきません。 |
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カット・シェイプ (Cut・Shape) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
●人間がダイヤモンドに唯一手を加えられるのが「カット」です。 ●カットによって、色を強調したり、インクルージョンを隠したりすることが出来ます。 ●カットによって 「ラウンド・ブリリアント・カット」 「マーキス・カット」 「ペア・シェイプ」 「ハート・シェイプ」 「オーバル・シェイプ」 「エメラルド・カット」 「プリンセス・カット」 「ラディアント・カット」 「クッション・カット」 などと呼ばれます(下画像参照)。 珍しいカットですと、 「スター」 「三角形(トリリアント)」 「リリー」 「バゲット」 「テーパー」 「六角形(ヘキサゴン)」 「バリオン」 「クロス」「ジニア」「ダリア」「マリーゴールド」「サンフラワー」など色々あります。 ●カットがなぜ重要視されるのか…それはカットの良し悪しによって、ダイヤに入ってきた光を反射することができるか左右するからです。 いわゆる「キラキラ光ってる」かそうでないかを決定してしまうからです。 ●既述ですが、カットについてよくご質問頂くのですが、「ラウンドブリリアントカットなのにエクセレントやベリーグッドなどカットの評価が無いのですが・・・」。2006年1月1日以降、AGL(鑑別団体協議会)に所属する鑑定機関では、ラウンドブリリアントカットのカラーダイヤモンドに関してはカットの評価をしないということになりました。 ですのでラウンドブリリアントカットのカラーダイヤでカット評価が下されているものは、2006年1月1日以前に鑑定されたものか、AGLに所属していない鑑定機関による鑑定のものとなります。
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■ ダイヤモンドのタイプ(型)について | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
● ダイヤモンドは主に不純物の種類と量、さらにそこから導かれる物性の違いによって4つの型に分類されています。 以下の表からもお判りのように、窒素を多く含む『Ta型』が天然では最も普通で、全体の産出量の98%を占めています。 『Tb型』や『Ua型』、『Ub型』は、非常に産出量が少なく、希少なものです。 『Ta型』は、『TaA型』『TaB型』に分類されます。 *いずれのタイプも境界が明確ではなく、各種のタイプの特徴を併せ持った混合タイプも存在します。 ●フォトルミネッセンス分析(PL分析)という手法で判断されます。
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■Rare Diamond レア(カラー)ダイヤモンド |
●また、上記のほかに
・「バイカラーダイヤモンド(bicolor)」…一つの同じダイヤの中に2色入っているダイヤモンド
・「カメレオンダイヤモンド(Chameleon) 」…温度など条件によって色が変わるダイヤモンド
・「オパールダイヤモンド(Opal)」…オパールのように遊色効果を持つ乳白色のダイヤモンド
他の鉱物(宝石)等を内包するダイヤモンド
・「ガーネットダイヤモンド (Garnet in diamond) 」・・・ダイヤモンドの中にガーネットが混在しているダイヤモンド。暗赤色の小粒状のアルマンディン・ガーネットやパイロープ・ガーネットのインクルージョンがを含んでいる。ダイヤモンドのキンバリー岩中で同生インクルージョンとして共生する。
・「(グリーン)ダイオプサイドダイヤモンド (Green Diopside in Diamond)」・・・ダイヤモンドの中にグリーン・ダイオプサイドが混在しているダイヤモンド
・「ルチル・ダイヤモンド (Rutile in Diamond)」・・・ダイヤモンドの中にルチル結晶が混在しているダイヤモンド
・「オリビン(ペリドット)ダイヤモンド (Olivine (Peridot) in Diamond)」・・・ダイヤモンドの中にオリビン(ペリドット)結晶が混在しているダイヤモンド。同生インクルージョン。斜方晶系の無色の小結晶として擬正方晶の角柱状として、また蝕融により角に丸みを持つ形状でダイヤモンドに内包される。主結晶のダイヤモンドの成長の過程中にその八面体方向に累積的に生成される。
・「子持ちダイヤモンド (Diamond in Diamond)」・・・ダイヤモンドの中にダイヤモンドの結晶が混在しているダイヤモンド
・その他、ダイヤモンドの中にダイヤモンド結晶があるもの(子持ちダイヤモンド)、スピネル、グラファイト、ヘマタイト、マグネタイト、パイロォタイトなどの結晶インクルージョンを内包するダイヤモンドもあります。
・どうしてダイヤモンドの中にガーネット等他の鉱物結晶があるの?
生成的に3種類に分類できます。
@初生インクルージョン ( protogenetic inclusion ) ・・・ゲスト・ミネラル(ガーネット等)が先に生成されていて主結晶(ホスト・ジェム=ダイヤモンド)の成長の際に取り込まれる。母岩中に既に存在していた物質で、結晶の中で変形・不規則に現れる。
A同生インクルージョン ( syngenetic inclusion ) ・・・主結晶と同時に生成されるインクルージョン。液体、気体成分の同時生成もある。主結晶と同時に形成されるため、主結晶軸に明確な配列的分布・方向性をみせる。
B後生インクルージョン ( epigenetic inclusion ) ・・・主結晶の成長後に条件の変化により内部生成される。主結晶に閉じこまれていた液体や気体が、主結晶形成後の条件の変化により、晶出、凝固したインクルージョン。自形で主結晶の結晶方位に平行な方向性を持つ。また、結晶のクラックやフィッシャーに沿って浸透した外部の物質の晶出によるものもいう。
■Blue Diamond ブルーダイヤモンド |
●最も高い評価を受けるのは、「レッドダイヤモンド」と並んで「ブルーダイヤモンド」といわれています。とにかく、採掘されません。
だから、市場にも殆んど出回らず、出たとしても、ため息の出る価格がついていることでしょう。
●もし、1カラット以上のナチュラルブルーダイヤをどこかの宝石店(博物館)などで見かけたら、じっくりと目に焼き付けてください。まさに、「人類の宝」ですね!
▼有名なブルーダイヤモンド |
【ホープダイヤモンド】 The Hope Diamond ・45.52ct ・Fancy Deep Grayish Blue ・VS-1 ・インド ゴルコンダ産 世界一有名なブルーダイヤモンド。スミソニアン博物館 米国 【ハート・オブ・エタニティ】 The Heart of Eternity ・27.64ct ・Fancy Intense Blue (スミソニアン博物館のサイトによるとGIAがFancy Vivid Blueと鑑定したとの記述がありました) |
▼カラーグレード別数量(%)
↓ Fancy Vivid : 1%
Fancy Deep : 10% |
↑ Fancy Dark : 2% Fancy Intense : 18% |
Fancy : 49% |
Fancy Light : 10% |
Light : 6% ↓ Very Light : 2% |
↑ Faint : 2%
▼クラリティ別数量(%)
Flawless or IF : 29% |
VVS : 21% |
VS : 34% |
SI / I : 16% |
●上のグラフはGIAがグレーディングしたブルーダイヤモンドの数量の分布図です。
●意外に思われるかもしれませんが、ブルーダイヤは高クラリティが結構多いのが特徴です。
ダイヤモンドには『タイプT』と『タイプU』という分類があり(ダイヤモンドのタイプ(型)についての説明)、ブルーダイヤやグレーダイヤには『タイプU』が多いのです。この『タイプU』というダイヤはクラリティグレードが高い(良い)ものが多いため、ブルーダイヤも高クラリティが多くなるというわけです。
●それにしてもGIAをしてカラーグレードの母数が462ピース、クラリティ・グレードの母数が294ピースというのは、ブルーダイヤの希少性を証明しているような感じがします。
Fancy Vividにいたっては、4〜5ピースしかGIAに持ち込まれていないということですからね!
●出会えたときに入手するしかないカラーダイヤですね!
●さて、資産価値としてはどうでしょうか・・・。
日本国内では、0.1ct以下でも十分マーケットがあるのですが、 海外ではあまり小さいものは好まれないようです。
経済のグローバル化を考えると、余裕があるなら1.00ct以上かつFancy以上ののブルーダイヤは十分に所有している価値があると思います。
都心の マンション 買うか、ブルーダイヤ買うか、どちらが良いのでしょうね・・・(笑)
このクラスになると世界中にマーケットがあるでしょうから、いつでもどこでも頼りになる青い鳥ならぬ青いダイヤになってくれると思いますが。。。
あくまで私見です!ご自身で判断してくださいね!
そもそも「資産価値がある」とは幾ら位をいうのかもポイントですが・・・(^o^)/
●ご参考までに海外のオークションでの落札状況です。
開催年月 オークションハウス color grade,carat,clarity,Cut/Shape,labo 落札価格 備考 |
1995年11月 クリスティーズ Fancy Deep Blue,4.37ct,---,Oval-Shape,GIA USD 2,486,530- |
1998年5月20日 サザビーズ,ジュネーブ Fancy Intense Blue,5.38ct,IF,Pear-Shape,GIA CHF 2,313,500- ・約¥2億1380万円、・1ct当り・・・約3980万円、・Pt リング |
1998年6月18日 サザビーズ,ロンドン Fancy Blue,7.63ct,---,Radiant-Cut,GIA GBP 177,500- ・約¥4000万円、・1ct当り・・・約525万円(2009年の今となっては信じられない位の安値ですね)、・Pt リング |
2001年10月30日 サザビーズ,香港 Fancy Vivid Blue,3.03ct,IF,Heart-Shape,GIA HKD 5,544,750- ・約¥8670万円、・1ct当り・・・約2860万円、・K18WG リング |
2004年4月26日 サザビーズ,香港 Fancy Vivid Blue,10.80ct,IF,Heart-Shape,GIA HKD 33,102,400- ・約¥4億6400万円、・1ct当り・・・約4300万円、・K18WG リング |
2007年10月8日 サザビーズ,香港 Fancy Vivid Blue,6.04ct,IF,Emerald-Cut,GIA HKD 61,927,500-,(USD 7,980,000-) ・約¥9億3600万円、・1ct当り・・・約1億5500万円、・購入者:アリサ・ムサイエフ氏、・Pt リング タイプIIb |
2007年11月14日 サザビーズ,ジュネーブ Fancy Vivid Blue,4.16ct,VS-1,Pear-Shape,GIA CHF 5,313,000-,(USD 4,730,000-) ・約¥5億2550万円、・1ct当り・・・約1億2600万円、・購入者:ローレンス・グラフ氏、・Pt / YG リング |
2008年4月10日 サザビーズ,香港 Fancy Deep Blue,2.01ct,VS-2,Oval Shape,GIA HKD 8,951,500- ・約1億1000万円以上、・1ct当り・・・約5470万円、・Pt リング タイプIIb |
2008年5月14日 クリスティーズ,ジュネーブ Fancy Intense Blue,13.39ct,VS-1,Rectangular-Cut,GIA CHF 9,233,000-,(USD 8,785,366-) ・約9億1970万円、・1ct当り・・・約6870万円、・Pt / K18WG リング タイプIIb |
2008年9月 リーマン・ショック 100年に一度の世界同時不況へ |
2008年12月 クリスティーズ,ロンドン Fancy Deep Grayish Blue,35.56ct,VS-2,Cushion-Shaped,GIA GBP 16,393,250-,(USD 24,311,191-) ・約22億5000万円、・1ct当り・・・約6330万円、・リング タイプIIb、・青いヴィッテルスバッハ(Der Blaue Wittelsbacher)、・歴代所有者、1664年:スペイン国王フェリペ4世(King Philippe IV)が娘マルガリータ(Margarita Teresa)王女と神聖ローマ皇帝レオポルト1世(Leopold I)との婚約を祝して、マルガリータ王女に贈る。、その後、神聖ローマ帝国皇帝も輩出したドイツ・バイエルンの名家ヴィッテルスバッハ(Wittelsbacher)家が代々受け継ぎ所有。、1964年〜個人の所有物、・落札者:ローレンス・グラフ氏、・リーマン・ショック後にもかかわらず、ロンドンで落札されたオークション史上ダイヤモンド最高価格更新(落札時)。 |
2009年5月12日 サザビーズ,ジュネーブ Fancy Vivid Blue,7.03ct,IF,Modified Rectangular Brilliant-Cut,GIA CHF 10,498,500-,(約USD 9,490,000-) ・約9億1000万円、・1ct当り・・・約1億2950万円、・南アフリカ カリナン鉱山産、・リーマン・ショック後にもかかわらず、1ctあたりのダイヤモンド最高価格更新(USドルベース)。 |
■Pink Diamond ピンクダイヤモンド |
●ブルーダイヤモンド同様の評価を受けるのが、「ピンクダイヤモンド」です。1カラット以上の大粒の天然のピンクダイヤモンドは、世界で年間で数十個、2〜3カラットクラスになると数個しか採掘されないといわれています。
●産出量の少なさと、世界的な人気の高まりから、今後しばらくの間は高値で推移することは、まず、間違いないと思います。(2000年〜2007年、ほぼ毎年値上がりしています。私の想定をはるかに超える率です。)
●実際に2001年9月の米国同時多発テロ以降、欧米の資産家が競ってピンクダイヤモンドを入手したという話も聞きました。資産のリスク分散を図ったようです。
▲ ピンクダイヤモンド リング
Fancy Light pink (natural), 0.041ct, SI-2, Heart Brilliant, CGL
▼有名なピンクダイヤモンド |
【ダリャ・イ・ヌール】 The Darya-i-nur (光の海、光の川) ・182ct ・世界最大のピンクダイヤモンド。イラン 宝石博物館蔵 【シュタインメッツ・ピンク】 The Steinmetz Pink ・59.60ct ・Fancy Vivid Pink、IF(Internally Flawless) ・世界最大のFancy Vivid Pink ダイヤ、アフリカ産 |
▼カラーグレード別数量(%)
Fancy Vivid : 4% |
Fancy Deep : 10% |
Fancy Intense : 19% |
Fancy : 33% |
Fancy Light : 10% |
Light : 11% |
Very Light : 5% |
Faint : 8% |
▼カラット別数量(%)
0.99ct以下 : 49% |
1.00〜2.99ct : 40% |
3.00〜4.99ct : 5% |
5.00〜9.99ct : 5% |
▲10.00ct 〜 : 1%
▼クラリティ別数量(%)
Flawless or IF : 7% |
VVS : 15% |
VS : 29% |
SI : 35% |
I : 14% |
●上の各グラフは、ブルーダイヤ同様GIAがグレーディングしたピンクダイヤの数量分布です。
●やはりGIAと言うべきなのか、品質の高いピンクダイヤが鑑定に持ち込まれているのですね。
●クラリティで『Iクラス』が14%しかないなんて信じられません。通常市場に出回るのは、Iクラスが50%以上でしょうから・・・。
●また、カラットでも1.00〜2.99ctが40%を占めているなんて、驚きです!
●世界のピンクダイヤモンド・マーケットは、日本人の想像を超えるものが主流なんですね(涙)。
●それぞれのグラフの母数は、カラーグレードとカラットがそれぞれ1490ピース、クラリティは691ピースです。
●資産価値の観点から見ると、3.00ct以上、Fancy以上でしょうか(Fancy Deepは好みが分かれますので、微妙ですが)。
●単純にGIAがグレーディングした3.00ct以上は世界に164ピースしかないわけです。その中でもFancy以上となると100ピース程度でしょうか(やはりあくまで私見です・・・)。
●ここ数年、ハリウッド女優が買い漁っているという噂もまんざらウソではないかもしれませんね(^^;)
●オークション落札価格 (落札価格は、「1カラット当たりの金額」×「カラット数」で計算している場合もあるため、多少の差異が生じている場合があります。)
開催年月 オークションハウス カラーグレード,カラット,クラリティ,カット・シェイプ,鑑定機関 落札価格 備考 |
1994年11月 クリスティーズ Fancy Pink,19.66ct,---,---,GIA US$7,421,315 --- |
1995年11月 サザビーズ Fancy Intense Pink,7.37ct,---,---,GIA US$6,035,020 --- |
1999年5月 クリスティーズ Faint Pink,20.83ct,---,---,GIA US$9,873,420 --- |
--- --- Fancy Pink,5.74ct,---,---,GIA US$3,817,100 --- |
2008年4月 サザビーズ・香港 Fancy Intense Pink,4.45ct,IF,Radiant,GIA HK$15,671,500 ・約2億円以上、・リング |
2009年5月12日 サザビーズ・ジュネーブ Fancy Intense Pink,5.29ct,VS-2,Pear-Shaped,GIA CHF2,266,500- ・1億9645万円、・タイプII-a、・プラチナ・リング |
■Red Diamond レッドダイヤモンド |
●レッドダイヤモンドも存在すら知らない人が殆どの『レア中のレア』ダイヤです。
●ピンクが濃くなって「レッド」と評価される特殊なカラーですので、レッドそのものの色が存在しているという解釈はちょっと違います。難しいですが「なんとなくそんなものか〜」と受け止めておいてください(笑)。
●GIAの評価基準では、「Fancy Red」、「Fancy Purplish Red」「Fancy Orangy
Red」の3種類が基本としてあります。
●とにかく産出量が少ないピンクの中からさらに選別されるカラーですので、殆ど存在しません。
●価格は一概には言えませんが、1ctクラスで綺麗なものですと、東京都心の高級 マンション が買えるかもしれませんね!
ご参考までに、1987年のオークションで『ハンコック・レッド・ダイヤモンド (
Hancock Red Diamond ) 』 と呼ばれる 『Fancy Purplish Red、 0.95ct、 ラウンドブリリアントカット(鑑定機関:GIA)』がUS$880,000-で落札されています。20年前でこの価格ですから今ですといくらになるのでしょう!!
▼有名なレッドダイヤモンド |
【ムサイエフ・レッド】 Moussaieff Red ・5.11ct ・Fancy Red ・triangular brilliant (trillion, trilliant) cut 世界最大のレッドダイヤモンド。イギリス ロンドン ムサイエフ夫人所有 |
●オークション落札価格
開催年月 オークションハウス カラーグレード,カラット,クラリティ,カット・シェイプ,鑑定機関 落札価格 備考 |
1987年4月28日 クリスティーズ・ニューヨーク Fancy Purplish Red,0.95ct,---,Circular-Cut,GIA USD 880,000- ・約¥1億2760万円 ・1ct当り・・・約1億3400万円、・Hancock Red Diamond (ハンコック・レッド・ダイヤモンド)、・おそらくブラジル産、・GIAには1956年に初めて持ち込まれた。 |
2000年5月1日 クリスティーズ・香港 Fancy Purplish Red,0.59ct,SI-2,Oval-Cut,GIA HKD 2,025,000- ・約¥2815万円、・1ct当り・・・約4770万円、・Pt リング GRAFF |
2001年5月1日 クリスティーズ・香港 Fancy Red,0.73ct,I-1,Rectangular-Cut,GIA HKD 3,015,000- ・約¥4770万円、・1ct当り・・・約6500万円、・ブローチ |
2001年6月13日 サザビーズ・ニューヨーク Fancy Purplish Red,0.51ct,---,Cut-Cornered Rectangular Mixed Cut,GIA USD 92,750- ・約1130万円、・1ct当り・・・約2220万円、・ルース |
2001年10月24日 Phillip's de Pury・New York Fancy Red,1.92ct,---,Radiant-Cut,GIA USD 1,652,500- ・約2億270万円、・1ct当り・・・約1億550万円 |
2002年4月15日 --- Fancy Red,1.05ct,SI-2,Oval-Cut,GIA USD 442,500- ・約5850万円、・1ct当り・・・約5570万円 |
2004年4月21日 サザビーズ・ニューヨーク Fancy Purplish Red,0.59ct,---,,Pear Shape,GIA USD 120,000- ・約1306万円、・1ct当り・・・約2200万円、・K18WG リング |
2004年11月1日 サザビーズ・香港 fancy purplish red,0.91ct,SI-1,Cut-Cornered Square Modified Brilliant,GIA HKD 4,318,400- ・約¥5890万円、・1ct当り・・・約6470万円、・K18WG リング |
2007年4月25日 クリスティーズ・ニューヨーク fancy purplish red,1.59ct,VS-2,Modified rectangular-cut,GIA USD 958,400- ・約¥1億1360万円、・1ct当り・・・約7150万円、・ルース |
2007年11月15日 クリスティーズ・ジュネーブ Fancy Purplish Red,2.26ct,SI-2,Modified Octagon-Shape,GIA CHF 2,961,000- (USD 2,646,000-)・約¥2億9380万円、・1ct当り・・・約1億3000万円、・購入者:ローレンス・グラフ氏、・K18 Pink Gold リング |
■Purple Diamond パープルダイヤモンド |
●パープルダイヤモンドもレッドダイヤに勝るとも劣らないカラーダイヤです。
●紫色に見えても鑑定結果は「ピンク」ダイヤになったり、色が濃く見えると「ディープ」ではなく「ブラウニッシュ」と評価されたり、とにかくコレクターアイテムです。
●出会えたときに入手しないと次が無いカラーダイヤであることは間違いないと思います。
▼有名なパープルダイヤ |
【ロイヤル・パープル・ハート】 The Royal Purple Heart ・7.34ct ・Fancy Vivid Purple、I-1 世界最大のFancy Vivid Purpleダイヤモンドといわれている。 |
■Violet Diamond バイオレットダイヤモンド |
●バイオレットダイヤモンド(ヴァイオレットダイヤモンド)もやはり超希少です。レッドダイヤモンドと殆ど同じくらい希少です。
●よく「パープルダイヤ」と「バイオレットダイヤ」とどう違うの?とたずねられますが、大雑把に言うと「パープルダイヤ」は「赤紫」、「バイオレットダイヤ」は「青紫」となります。
●本当に希少なので、情報も少なくてすいません。また新しい情報が入り次第、Upします!
■Green Diamond グリーンダイヤモンド |
●グリーンダイヤモンドも非常に希少です。
●色の起源が「天然(ナチュラル)」か「人為的」なものかの判定が非常に難しい色合いのため、GIAでは30%位は色の起源が判定不能ということで鑑定できないといわれています。
●最近人気の『アップルグリーンダイヤモンド』は、蛍光の非常に強い、イエロー・グリーン〜グリーン・イエローの色調を示すトリートメントダイヤモンドです。
天然でも同じような色調を示すグリーンダイヤモンドもありますが、中々市場に出てこないですね。
●黄緑色に見えるダイヤモンドですと、鑑定を取ると「Greenish Yellow」などと最後の色調が「Yellow」のものがあります。こちらは、「イエローダイヤモンド」です。
あくまで「○○ Green」と、最後にGreenの表示がなされているのがグリーンダイヤモンドですので、よく似ていますが、評価・価格が全く違ってきますので注意が必要です。
▼ 有名なグリーンダイヤモンド |
【ドレスデン・グリーン・ダイヤモンド】 Dresden Green Diamond ・40.71ct, VS-1 世界最大の天然グリーンダイヤ。 ドイツ ドレスデン 宝物美術品博物館 【オーシャン・ドリーム】 The Ocean Dream ・5.51ct, Fancy Deep Blue Green, Modified Triangular Cut |
■Orange Diamond オレンジダイヤモンド |
●オレンジダイヤモンドも非常に希少です。
●目が覚めるような鮮やかなオレンジ色のダイヤモンドは、敬愛の念を込めて『パンプキンダイヤモンド』と呼ばれることがあります。
●イエロー系〜ブラウン系まで色々な表情を見せてくれ、『コニャックダイヤモンド』、『シャンパンダイヤモンド』、『ダージリンダイヤモンド』、『マンダリンダイヤモンド』など愛称を付けることもあります。
▲ オレンジダイヤモンド ルース
Fancy Vivid Yellow Orange (natural), 0.107ct, I-1, Pearshape, CGL
▼有名なオレンジダイヤモンド |
【パンプキン・ダイヤモンド・ブローチ】 ・5.54ct, Fancy Vivid Orange, Cushion shaped Modified Brilliant cut ・42.77ct(全ダイヤモンド合計) The House of Harry Winston (ハリー・ウィンストン) |
■Yellow Diamond イエローダイヤモンド |
●比較的数量の多いのは、「ブラウンダイヤモンド」や「イエローダイヤモンド」ですね。
●厳密な基準ですと、「Fancy ○○ Yellow」や「Fancy ○○ Brown」は、カラーダイヤモンドとしてのイエローダイヤモンドやブラウンダイヤモンドです。
●間違いやすいカラーとして、「Fancy」の付かない「Under N (Very Light Brown)」や「Under S (Light Yellow)」等は、カラーダイヤモンドの範疇ではなく、あくまで「D」〜「Z」までの基準による(通常の)ダイヤモンドとなります。
●ピンクダイヤモンドやブルーダイヤモンド等、ブラウンダイヤモンドとイエローダイヤモンド以外は、「Faint」や「Very Light」等でも「カラーダイヤモンド」としての区分けになります。
●例えば、「Very Light Pinkish Brown」はカラーダイヤモンドで、「Very Light Yellowish Brown」はカラーダイヤモンドではなく「D〜Z」の通常のダイヤモンドとなります。
●それぞれの接頭辞についての説明は「Grading」をご参照下さい。
●一昔前までは、ブラウンダイヤモンドやイエローダイヤモンドは「ダイヤじゃない」みたいに言われ、価値が低く見られていました。
●しかし、例えば、「カナリーダイヤモンド」と言われる最高級のイエローダイヤモンドは、無色透明0のダイヤモンドをはるかに凌ぐ評価を得ていて、価格も飛びぬけています。
●このように、「イエローダイヤモンド」や「ブラウンダイヤモンド」を、低い評価で見るのは、すでにナンセンスなのです。かつての宝石業界の悪しき伝統が、いまだに正しい知識のように思われている現実について、宝石業界は深く反省をして、消費者の方に正確な情報を公開すべきなのです。
●一宝石関係者として、反省するとともに、この点は声を大にして言いたいです。
▼有名なイエローダイヤモンド |
【ティファニー・ダイヤモンド】 Tiffany Diamond (バード オン ア ロック セッティング) ・128.54ct、Fancy Yellow、VS-1 ・『カナリー・イエロー』と呼ばれるダイヤモンドの中で最も美しく有名。Tiffany & Co. (ティファニー・アンド・カンパニー) 【インコンパラブル・ダイヤモンド】 Incomparable Diamond ・407.48ct、Fancy Brownish Yellow、IF ・研磨する前の原石は890ct。ゼール社、ルイス・グリック社、プレミア・ジェム社 【アーカンサス ダイヤモンド】 Arkansas Diamond (別名:サーシー・ダイヤモンド Searcy Diamond) ・27.21ct、ファインケープ色の見事な正八面体のダイヤモンド原石。Tiffany & Co. (ティファニー・アンド・カンパニー) |
▼カラーグレード別数量(%)
2003年
Fancy Vivid : 6% |
↑ Fancy Deep : 2% Fancy Intense : 24% |
Fancy : 46% |
Fancy Light : 21% |
▲Fancy Dark: 1%以下
▼カラット別数量(%)
1998年+2003年
0.99ct以下 : 14% |
1.00〜2.99ct : 56% |
3.00〜4.99ct : 13% |
5.00〜9.99ct : 12% |
10.00ct 〜 : 5% |
▼クラリティ別数量(%)
2003年
Flawless or IF : 5% |
VVS : 22% |
VS : 51% |
SI : 19% |
▲ I : 3%
●上のグラフは、GIAがグレーディングしたイエローダイヤの数量分布です。
●なんと1998年と2003年のグレーディングされたイエローダイヤの合計は、24,668ピース。
●ブルーが462ピース、ピンクが1,490ピースという数量と比較すると、断然多いですね!
●だから価値が無いとするのは早計です。
●世界の名だたるスーパーブランドも光り輝くイエローダイヤを最高のジュエリーに仕上げているように、『良いものは良い』のです。
●ま、でもやはりGIAですね、グレードの高いイエローがグレーディングに持ち込まれていますからね!
●ホント、クラリティで『Iクラス』が3%しかないなんて信じられません。
●資産としてのイエローダイヤをお考えの方は、左のグラフを見る限りでは3.00ct以上の綺麗なイエローダイヤを入手しておくと良いかもしれませんね!
●あくまで【カラーダイヤ】ですので、Fancy Intense か Fancy Vivid の3.00ct以上(出来れば5.00ct以上)であれば、世界のマーケットで通用するのではないでしょうか。
●クラリティは良いに越したことありませんが、あまり神経質になりすぎると、『木を見て森を見ず』になりかねませんです(またしてもあくまで私見ですので・・・)!
●ただ、入手できるときに入手しておくのはやはり鉄則だと思います。
●オークション落札価格 (落札価格は、「1カラット当たりの金額」×「カラット数」で計算している場合もあるため、多少の差異が生じている場合もあります。)
開催年月 オークションハウス カラーグレード,カラット,クラリティ,カット・シェイプ,鑑定機関 落札価格 備考 |
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1990年 --- Fancy Intense Yellow,18.49ct,---,---,GIA US$3,761,993 別名『Golden Drop (ゴールデン・ドロップ)』 |
||||||||
1997年 --- Fancy Vivid Yellow,13.83ct,---,---,GIA US$3,302,493 |
||||||||
2005年2月 サザビーズ Fancy Vivid Yellow,10.02ct,---,---,GIA US$772,848 約¥8107万1755円 |
||||||||
2009年5月12日 サザビーズ・ジュネーブ Fancy Vivid Yellow,18.13ct,VVS-2Marquise Modified Brilliant-Cut GIA CHF1,178,500- 約1億215万円 |
■Brown Diamond ブラウンダイヤモンド |
●ブラウンダイヤモンドはイエローダイヤ同様、産出量も多く、比較的安価に入手することができるカラーダイヤモンドの一つです。
●ただ、やはり勘違いしてはいけないのが、「ブラウンダイヤ=粗悪品」ではないということです。
●最高級の色合いのブラウンダイヤは「コニャックダイヤ」などと称賛され、コレクターの中でも人気のダイヤです。
●また右画像のように世界で最も有名なダイヤの一つである「The Star of the
South」も、鑑定結果的にはブラウンダイヤモンドなのです。
●単純に「ブラウン=粗悪品・安価」と考えるのはあまりにも悲しすぎると思います。
●またブラウンダイヤはないですが、色が濃く見えるカラーダイヤの場合、「Fancy
Deep ○○」などでなく、「Fancy Brownish ○○」と鑑定される場合が良くあります。
●どうしても日本人は「ブラウン」が付くと敬遠する傾向がありますが、あくまで鑑定結果であって、自分の見たインスピレーションを大切にしたいものです。
●なお、ブラウンダイヤモンドには、「Fancy Vivid Brown」や「Fancy Intense Brown」というグレーディング結果は基本的に存在しません(2006年4月現在GIA基準)。
▼有名なブラウンダイヤモンド |
【スター・オブ・ザ・サウス】 The Star of the South ・128.48ct ・Fancy Light Pinkish-Brown、VS-2 世界で最も有名なダイヤモンドの一つ。 |
■Black Diamond ブラックダイヤモンド |
●ナチュラル(天然)のブラックダイヤモンドも稀です。黒くなった原因は、暗色の微細な含有物があるため。
●パッと見、オニキスやヘマタイトと勘違いする方もいます。しかし、輝きの強さは並べるまでも無く、圧倒的な違い、光の強さを感じられるはずです。やはり、ダイヤモンドなのです。
●通常、市場で見かけるものは、トリートメント(加熱処理)のブラックダイヤモンドが殆ど全てです。
▼有名なブラックダイヤモンド |
【ブラック・イザベル W-A】 ・82.06ct、アメリカ自然史博物館 【The Spirit of de Grisogono】 ・312.24ct、 世界最大のブラックダイヤモンド 【ブラック・オルロフ・ダイヤモンド】 Black Orloff Diamond ( 別名:アイ・オブ・ブラマ・ダイヤモンド Eye of Brahma Diamond) ・67.5ct,Cushion Cut |
■Chameleon Diamond カメレオンダイヤモンド |
●ちょっと記憶が定かでないのですが、アメリカの宝石店がヨーロッパのダイヤモンドディーラーにオリーブ色のダイヤを注文しました。荷物が届いて中のダイヤモンドを見たらイエローダイヤが入っていた。
そこでアメリカの宝石店が「イエローダイヤが入っていた」と文句を言ったら、ヨーロッパのディーラーは「いや間違いなくオリーブ色のダイヤを入れて発送した」と応酬。
そこでよく調べてみたら、何と色が変わるダイヤモンドだった!
●「カメレオンダイヤ」発見(?!)のきっかけはそんな話だったと聞いたことがあります。
●と、思っていたのですが、どうやら正式な発見は1943年、2.24ctのダイヤモンドとのことです。光をあてたときにブロンズ色から緑色に変化し、C.A.Kiger社によってカメレオン・ダイヤモンドと名付けられました。
●カメレオンダイヤの定義は、全国宝石学協会によると、『ある期間(例えば一晩中)暗所に保管した場合や緩やかな加熱( アルコール・ランプなどで200℃〜300℃程度)によって一時的(数秒から数分)に変色するダイヤモンド』と定義されるようです。
●色が変わるので有名な宝石は「アレキサンドライト」ですが、アレキは光源(光の波長)によって変色しますが、カメレオンダイヤは、温度と光によって変わるのが殆どです。
●一般的なカメレオンダイヤは、常温でオリーブグリーン〜グリーングレー系の色をもち、加熱後は淡いレモン色〜オレンジイエローの色調を持ちます。
●加熱温度は大体150℃位です。ダイヤですのでもちろん直接火を当ててしまっては炭(!)になってしまうかもしれませんので、ご家庭などでは ステンレスのスプーン
などの上にカメレオンダイヤを置いて、 ライター などで ステンレスのスプーン の下側に炎を当てて加熱してください。
もちろん、急激な温度変化は破損の原因となりますので徐々に温め、冷やすときは室温で冷ましてくださいね!
●加熱だけでなく、 冷蔵庫 など冷暗所に一晩置いておき、朝出すと色がやはり変化しているものもあります。加熱ほど目立った変化ではないですが、リングなどに加工しても色の変化を楽しめます!(リングにしたら加熱は出来ないですからね(笑))
●もちろん、ダイヤによって大きく変色するものもあれば、それほど変化しないものも様々です。
●稀にですが『リバース・カメレオンダイヤモンド』と呼ばれるカメレオンダイヤも存在します。通常状態でイエロー系の色調を持ち、加熱後オリーブグリーン系に変色するタイプです。通常のカメレオンダイヤとは反対の変色性を持ちますので『リバース』と名づけられたようです。これからはイエローダイヤも加熱してみなければ(笑)。
■Cognac Diamond & Champagne Diamond & Pumpkin Diamond コニャックダイヤモンド&シャンパンダイヤモンド&パンプキンダイヤモンド |
●よく店頭などで「コニャックダイヤモンド(Cognac Diamond)」とか「シャンパンダイヤモンド(Champagne Diamond)」、「パンプキンダイヤモンド(Pumpkin Diamond)]などと銘打ったカラーダイヤモンドがあります。
しかし、グレーディング(鑑定)結果で「コニャック」とか「シャンパン」とか記載されることはないと思って頂いて間違いありません。
●オレンジダイヤモンド、ブラウンダイヤモンド、イエローダイヤモンドなどの評価を受けるカラーダイヤモンドが前述の名称で販売されているのです。
●でも、「コニャック」や「シャンパン」なんてステキなネーミングですよね。
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