竹炭・竹酢液について
竹炭の製造工程
  

 近頃の竹炭ブームに乗って、そのまがい物も数多く出回っています。その多くは中国あたりの輸入物であったり、炭を焼く温度の低い物であったり、燃料にもプロパンガスや灯油を使用しているものが多く、また竹酢液もその排気ガスなどの化学物質が含まれたもの、薄めたものを販売していたり、精製状態の粗悪なものを販売している業者もいます。
 一見何ら変わりのなさそうなこれらの製品も、その用途によって益にもなり、逆に害ともなるのです。
 
■竹炭を焼く温度
 一般的に700度以下で焼いた竹炭は、中のタール分が完全に抜け切っていないため、ご飯を炊く際に炊飯器に入れたり、お水などの中に入れるのは極めて危険です。更に、竹炭の遠赤外線効果も高い温度で焼くことによって出るもので、低い温度で炭化した竹炭ではあまり効果は望めません。
 また、ダイオキシンの問題もあります。ダイオキシンの毒性は最近の報道で問題になっていますが、800度以上の高温でなければダイオキシンは分解されません。土窯以外の方法(例えば、ドラム缶や鉄の窯)では700度以上の温度で焼けないものが多く、ましてや、その製造工程も判らない輸入物の竹炭は極めて危険と言えます。
 
■竹酢液の採取・精製方法
 竹酢液はその採取方法や精製の程度によって、竹酢液に含まれる成分や用途もまったく異なります。
 焼き始めから竹酢液を採取すれば、その含まれる成分構成も大きく異なるのです。ちなみに、竹礫液(ちくれきえき)という焼き始めから出てくる液には有効成分はあまり含まれていません。
 燃料にプロパンガスや灯油を使えば、その排気ガスや化学物質が含まれる可能性が高くなります。また、あまり高い温度で竹酢液を採取すると、今度はタール分が多く含まれることになります。これらの温度を外して採取するため、本来竹酢液はそんなに取れるものではないのです。
 こうして採取した竹酢液を約半年から1年間熟成させていきます。これを行うことにより、タール分が沈殿します。これらの工程によって農業用の竹酢液から様々な用途に分かれていきます。例えば、農業用の竹酢液をお肌に塗れば、逆に肌荒れを起こす可能性もあります。
 それから特に飲用には、蒸留精製したものが望ましいでしょう。蒸留精製したものにはタール分は一切含まれておりませんが、精製だけでは不十分とされるためです。
 
■防衛策
 これらのように、良い竹炭・竹酢液を見分ける方法は、
1). 窯元で自分のところで焼いているのか、
それもと中国などからの輸入物なのか、
2). 窯は土窯を使っているのか、
それともドラム缶などの鉄製を使っているのか、
3). 燃料は何を使用しているのか、
4). 何度ぐらいで竹炭を焼いているのか、
5). 何日ぐらいで竹炭を焼いているのか?
などをしっかりと確認してください。
 
■良い竹炭・竹酢液の見分け方
 上述(■竹炭を焼く温度と■竹酢液の採取・精製方法)の通り、竹を焼く温度や焼き方、燃料などの違いによって、焼き上がった竹炭には大きな違いが生じます。それは他にも硬度や脱臭・調湿効果、成分(アルカリ性か酸性か)といったことにも現れます。結果として安全で安心して使用できる高性能で丈夫な竹炭なのか、あるいは危険で効力が小さく長持ちしない竹炭なのかという違いであるといえます。
 したがって“良い竹炭”を選ぶには、高温で焼くことができる土窯で、天然の竹と薪を使って800度以上で焼き上げた竹炭か否かを確認することです。
 
 また、竹炭まくらなどの製品も「すぐに中の炭が出てくる」、「製造元などの会社名の表示がなされていない」などと、悪質な業者が多く見受けられます。
 これらに十分注意しながら、良い竹炭・竹酢液を上手に見分け、生活の中にお役立て下さい。