黒蝶真珠(クロチョウシンジュ)について

黒蝶真珠が採れるのは、"フランス領ポリネシア タヒチ島"。 美しく壮大な自然に囲まれた、世界を代表するリゾート地。

南太平洋に位置するタヒチ島は、東京から約9500km、飛行時間にして約11〜12時間程度要し、100を超える複数の島々があります。山から海へと伝わる植物性のプランクトン、豊かな海の海洋性プランクトンなど真珠にとって十分な栄養素があり、適度に温暖な海水温が美しい真珠を育みます。黒蝶真珠は、タヒチ島が主要な生産地域です。南太平洋のリゾート地として有名なタヒチにとって、真珠は一つの大きな産業となっています。

黒蝶真珠は、南太平洋のタヒチ島にて生産される、クロチョウガイを母貝とした真珠です。

黒蝶真珠は、クロチョウガイと呼ばれる貝から産出されるため、クロチョウ真珠と呼ばれています。クロチョウガイは、海水温が24〜29度などの温暖な海域を好み、水深十数メートルの岩場に足糸を出して着生しています。4〜5年で大きさは15cmほどになり、大きいものでは30cmを超える場合もある、大きな二枚貝です。左の写真はクロチョウガイに磨きをかけたものの実物写真です。生産数では世界に流通している95%以上の黒蝶真珠がタヒチで養殖されており、「黒真珠」「タヒチアンパール」との呼称で親しまれております。(*一般に、黒真珠と呼ばれているものの中には、アコヤ真珠を黒く染めたものを指す場合もあります)

主に仏事などでのご利用から、冠婚葬祭すべての場でご愛用頂けます。

黒蝶真珠は、黒色系の色味から仏事でご利用いただくことが定番のイメージとなっておりますが、仏事のみならず披露宴などの華やかな席でも全く問題なくご使用いただけます。黒色=弔事というイメージから、「華やかな席での黒蝶真珠の使用は失礼」とお考えになられている方もいらっしゃいますが、決してそのようなことはございません。また、カジュアルな普段のファッションアイテムの一つとしてももちろんご使用いただけます。

黒蝶真珠の評価項目01:色目

栄養豊富な豊かな海から採れるのは、
神秘的な色鮮やかな真珠たち。無限のカラーバリエーション。

タヒチ産黒蝶真珠は色のバリエーションは母貝である黒蝶貝の赤・黄・緑の色素によって生まれます。この色素の配合により多彩な表面色となり、光が真珠層内で屈折し反射することで神秘的な干渉色となります。
孔雀の羽の色に例えられる干渉色豊かなピーコックカラーは巻きの良さを表し評価の高いお色となります。また、一般的にはピーコックグリーンが最上級のお色とされていますが、より希少性の高いお色の黒蝶真珠も当社では「ファンシーカラー」として取り扱う事もございます。

黒蝶真珠は色目で評価が大きく変わります。真珠は自然が創りあげる神秘の宝石。その特徴は一本一本違ってきます。色においては、100本の真珠があれば100通りの色合いが生まれます。色評価は最も細かく、最も重要な要素です。単にピーコックカラーと表現しても、同じ色合いの商品は2つとして無い事も少なくありません。細かな色合いの差を正確に価格に反映し、「正しい値付け」を行う事も当店で大切にしている事の一つです。

色目の評価として、大まかには「ブラック系⇢グレー(シルバー)系⇢ダークグリーン系⇢ピーコック系」のように、ピーコックカラーに代表されるグリーンや赤味が現れるほどに評価は高くなり、黒になるほど評価は低くなります。色味は様々のため、一概に評価をルール化できるものではありませんが、評価の参考として頂ければ幸いです。

二つの奇跡が折り重なった"究極の色目"を持つ、リキテア産プレミアムピーコック

リキテアはタヒチ島パペーテから1,700km離れたマンガレバ島にある村です。パペーテから直行便にて、およそ4時間、現在、週2便の定期便があります。面積は非常に小さく小笠原諸島の新島程度の大きさの島です。

リキテア村の黒蝶真珠は、フレンチポリネシア領タヒチの数多くある諸島の中でも最も美しいピーコック色のルースを産出しています。タヒチ産黒蝶真珠の中での生産割合は非常に少なく、一般市場では、お目にかかる機会の少ない稀少なお品物ですが、当社では、リキテア産の黒蝶真珠ネックレスの美しさをより多くのお客様にご紹介させて頂きたく、日々生産に励んでおります。冠婚葬祭全てのシーンでお召し頂け、他産地の黒蝶真珠には決して生み出す事の出来ない特別なお色目・上品な輝きをお召し頂けるタヒチが誇るブランド黒蝶真珠です。

1. 栄養源の奇跡

リキテア産の黒蝶真珠の神秘的なお色目・テリ感の最大の特徴は、「栄養源と自然環境の奇跡」です。リキテア村のあるマンガレバ島は、山と川があり、真珠母貝の成長に必要なプランクトンの発生条件が素晴らしく整っています。そのため、母貝のエサとなる栄養分が豊富であるため、黒蝶貝の成長を促進します。

2. 自然環境の奇跡

マンガレバ島は南半球に位置し、夏が1月・2月、冬が7月・8月となります。リキテアでは、夏の海水温およそ23度、冬の海水温18度と、他の黒蝶真珠を生産する諸島に比べ海水温も5度以上低く、尚且つ水温にも寒暖の差が大きくあります。水温の低さは、真珠層の形成速度を緩やかにし、一層一層の真珠層をキメ細かく形成させます。その分、養殖期間は他の諸島に比べ、半年以上もの期間を要しますが、この特有の自然環境こそがタヒチの他の諸島には無い、リキテアならではの美しいピーコック色を生み出す奇跡です。

黒蝶真珠の評価項目02:形

自然が生み出す豊かな形状は、一つひとつが唯一無二。ラウンド系からバロックまで、評価も様々です。

タヒチ産黒蝶真珠は母貝である黒蝶貝の活発な内蔵運動により核が母貝内で動くことにより様々な形に育ちます。
そのため、活発な黒蝶貝から採れるラウンドの黒蝶真珠は価格面の評価も高く受けております。また、バロックの中でも無核真珠であるケシは唯一無二の形から、不形成な形であっても評価が高いのも特徴です。

バロック系

★☆☆☆
不形成な形をしているものは、バロック系と呼ばれます。評価は低くなりますが、無核真珠のケシの場合には、高い評価となる場合があります。

サークル系

★★☆☆
同心円状に線模様が入った形状は、サークル系と呼ばれます。

セミラウンド系

★★★☆
楕円のような形や、少しつぶれたような形状のような形状はセミラウンド系と呼ばれ、ラウンド系の次の評価となります。

ラウンド系

★★★★
まん丸の形を指します。真円に近ければ近いほど、形の評価が高くなります。

評価項目03:大きさ

南洋の豊かな海が育んだのは、最大級の大きさを誇る真珠。

最大級17mmの黒蝶真珠ネックレス

最大級17mmの黒蝶真珠ネックレス


最大級17mmの黒蝶真珠ネックレス
黒蝶真珠はアコヤ真珠に比べ母貝の大きさ、環境の違いから最大18mm程度の珠まで採れます。ネックレスの場合では8mm-10mmや9mm-11mmの裾 珠からトップにかけてサイズが大きくなるよう組み上げるグラデーションが最も人気のあるサイズとなっております。15mm以上のサイズで形はラウンド、キズ・シワが少ない珠は非常に希少価値のある珠です。
 黒蝶真珠を含め、あこや真珠やその他の真珠においてもサイズは価格を大きく左右します。真珠はその特性上、サイズが大きくなればなるほど生産率が下がり、希少性が高まります。希少性が高ければ、真珠の価値も高まるため価格は上昇します。
 当社で取り扱う15-17.2mm黒蝶真珠ネックレスは、まさに世界最大級のサイズであり希少性は計り知れない程高いものです。

珠のサイズが大きくなれば価格は上がりますが、同じサイズ表記の商品であってもネックレスに含まれる珠のサイズは様々です。そのため、ネックレスの場合は1本のネックレスの一粒一粒の珠のサイズが評価対象となります。

その他の重要な評価項目

黒蝶真珠の品質は「総合評価」
色や形のほか、「キズ」や「連相」も重要な評価項目です。

真珠の評価は総合評価です。あらゆる評価項目を総合的に考慮し、一つの価格をつけます。非常に色評価が非常に高くとも、形の評価が悪ければ、総合的にはそれなりの品質となります。つまり、どのような品質評価を重視すべきかをしっかりとご検討頂く事が大変重要です。評価項目は様々ですが、色、形、大きさなどと同様「キズ」「連相」も重要な評価項目の一つです。

キズ・シワ

真珠表面に見られる凹凸をキズ、波模様がかったものをシワと呼びます。これらの量が多ければ多いほど評価は低くなり、一切無い場合には高い評価となります。量が少なくとも、キズひとつの大きさが大きければ、やはり評価にも影響します。キズひとつひとつの大きさ、量、場所を見極めて、一つの評価が生まれます。

連相(レンソウ)

連相とは、珠の並びの美しさの事です。ネックレスに1本に対し、約35〜45珠ほど珠が使われています。それらの珠が、如何に等しい色・テリ・形のもので構成されているか、その美しさを評価するのが連相です。綺麗に揃っていれば揃っているほど、見た目も綺麗になり、評価が高くなります。