これは、残したまま使っていただいてもOKですし、付属ブラシでブルームを落としてから使っていただいてもまったく問題ありません。
ブルームは革を鞣す際に、丹念に塗り込まれたオイルやワックスが革の表面に浮き出た物です。保護の為に表面にロウを塗った“ロウびき”皮革と同じ効果があるので鞄など皮革製品の場合は保管中の乾燥を防ぎ、防湿効果もある為ブルームは敢えてそのまま残されています。
言うなればこのブルームは、ブライドルレザーならではの「らしさ」でもあります。
使い込んでいくうちに自然とブルームが落ちて行くのを愉しむのもまた一興ですし、ご使用開始と共に、付属のブラシでブルームをやさしく払ってから、その後の経年変化（エイジング）を愉しむのもまた一興というわけです。
普段のお手入れは、柔らかい布やテレンプで軽く拭いてあげる程度で十分です。
乾燥してカサカサになってきたかな？と感じられたら、ブライドルレザー専用クリームを塗ってお手入れをすることで、革への適切な栄養補給を行います。
セジュウィック純正ブライドルレザーケアクリームですと、CORBO.ブライドルレザーシリーズに使われているセジュウィック社のブライドルレザーに元々含まれている成分と同じ成分を配合しているため適合性が高く、より適切な栄養補給が行えます。
他社製のクリームが全く使えないわけではありませんが、同じ成分を配合している、セジュウィック社の専用クリームをご使用いただくことを強くおすすめ致します。
「目安としては、革がカサカサになってきたかな？」というタイミングです。
寒い地域、温暖な地域、革の個体差等でも異なるため一概には言えませんが、「二か月に一度、あるいは半年に一度ぐらいでもＯＫ」です。実は、お手入れのしすぎにも注意が必要なんです。
上記の「お手入れの頻度」の話とも関連してきますが、ブライドルレザーに限らず革へのクリームの塗りすぎは禁物です。私などもお手入れは楽しいので、ついつい頻繁にたっぷりとクリームを塗りたくなるのですが、ここに一つ落とし穴があります。
塗り過ぎて層にまでなってしまった革クリームは、革の表面の膜に強く付着し、ひび割れのリスクを高くします。（クリームの層と革の表面の膜が一緒に割れてしまう可能性があります）
一度ひび割れた革の修復は不可能ですので、クリームの使用で潤いすぎた状態よりは、まだ乾燥してるかな？というぐらいの状態の方が良い場合などもあります。（この場合は少量のクリームをまんべんなく薄く塗ることですぐに革にとって最適なコンディションにもっていけるためです）
初期のブルームに包まれている時期はある程度撥水性がありますが、ブルームがとれた後は、通常のタンニン鞣しのヌメ革同様、水に強いとはいえません。私物で実験してみましたが、水に濡れると、下記のように水ぶくれができます。
すぐに拭き取ればこの水ぶくれも15分ほどで馴染み消えていきますが、ポイントは素早く拭き取ること。
長時間水に濡れた状態が続くと、この水ぶくれが元に戻らなかったり、水シミを起こしたりする恐れがあります。
元々馬具として使用される前提で生み出されたブライドルレザーは、通常のヌメ革よりも頑丈で、エイジングも緩やかです。お手入れをしながら、じっくりと腰を据えて育て上げる相棒…それがブライドルレザーといえるでしょう。
唯一の相棒に育て上げるうえで、この記事がご参考いただければ嬉しいです。
CORBO（コルボ） ブライドルレザーシリーズそのデザインと機能性の高さから大人気。私も愛用中の長財布 1LD-0223はこちらをご覧ください。
P.S.
ブライドルレザー「らしさ」とも言えるブルーム。実はブルームは、新鮮な果物にもあるんです。果物の表面が白っぽくなっているのを、見たことがありませんか？
ブルームは人体にも無害な天然物質で、果実の水分蒸発を防ぎ、病気などから果実を保護する役割があります。ブルームって…ステキですね！笑