洋服屋の衣替えは真夏にやって来ます。

7月初頭からのセール祭りが落ち着いた8月の中旬、日中の最高気温は35℃にのぼる灼熱の炎天下。

店内は着々と納品されるダウンやメルトンのオーバーコートなど、今は想像するだけで汗が滲み出てきそうな秋冬仕様の新作達に模様替え。

今すぐに着用するリアリティは無いものの、感度の高いお客様の目についた人気者は次々と旅立っていきます。

季節の移り目に便利なライトな羽織り、通年提案の定番物はもちろん、シーズン中の着用頻度を考えると充実したラインナップをご覧いただくには早めの準備が吉でございます。

皆様に少しでも洋服の魅力をお伝えできるよう、陽炎の日差しに焦がされながら半袖短パンが行き交う中、バッチリスーツスタイルで撮影に臨ませていただきました!

それでは第三話、よろしくお願いします!

2023.08.18 fri

第三話、晩夏の先駆け支度

いつの間にか夏虫の声が聞こえなくなっていた。
我々を毎年のように苦しめる暑さは、彼らに数日間のみ与えられた魂を燃やす一夏の時。
残暑に忍び込む秋風に爽やかな心地よさと、どこか寂しさを感じながらオルガン広場の扉を叩いた。

おや…?

ほほ〜ぅ

オンオフ兼用のトレンチはヴァージンウールの滑らかで上品な艶感。
絶妙なネイビーはベージュやカーキの定番を抑えた紳士の素敵な選択肢に。

洒落たボタンは主張しすぎることなく個性を秘める粋なこだわり。

目付け360gと少しコシを持たせた極上の生地は、STILE LATINOのエクスクルーシブファブリック。
ゆとりのある身幅にたっぷりと使われた上質生地が美しいドレープを生み出す半裏仕様。
秋口、春先の衣替えシーズンに重宝しそうな逸品だ。

ほほ〜ぅ

ニットブルゾンはジップアップ仕様のスポーティな顔つき。
カシミヤの上質素材を搭載したラグジュアリーな逸品は、当ブランドらしいエレガントな雰囲気を纏った高級志向なカジュアルウェア。

カーディガンと同様の使い勝手で秋口には羽織として活躍するだけでなく、少し低めの襟周りはコートやダウンといった、アウターのインナーにも馴染みやすい。

フード付きのカーディガンは、シンプルなスタイリングにもこなれ感をもたらせてくれる便利なアイテム。
ナイロンとヴァージンウールをベースに、ヤクのふんわりとしたエアリーな質感が暖かみのある生地感に。

ヘビーすぎないウエイトやポケットディテールなど気の利いたデザインも嬉しいところ。

ほほ〜ぅ

この時期の羽織はやはりコットン系も気になる。
少し淡いカーキグリーンはミリタリーに傾きすぎない都会的な印象。

エポーレットにガンプラップ付きと本格派トレンチコートのディテールに男心をくすぐられる。

コットン×ナイロンにシルクを混紡した素材は、玉虫とはまた違ったマットな艶感。

同ブランド、サキソニーのグレースーツは大定番の名に相応しい汎用性と、最高級の仕立てが生み出す抜群の着心地。
長めの着丈と構築的なシルエットはクラシックなドレススタイルに高相性だ。

近年普及しているゆったりとしたシルエットとは一線を画す、大人のためのエレガントなオーバーコートを新調するのも悪くない。

少しずつ早まり出した日照りの傾きと、出番を終え軒先に取り残された風鈴を背に帰路についた。

この度オンラインサイトにて新しいコンテンツを始めさせていただきましたring大阪の黒澤芽瑠(くろさわ める)と申します。皆様からは「めるる」と呼ばれています。 2022/9/23にリニューアルいたしました世界に一つのStileLatino常設POPUP店舗にて、僭越ながら担当として抜擢していただきました!
お立ち寄りの際はお気軽に「めるる」と呼んでください。

このコンテンツではSTILE LATINOの魅力をお客様へ存分にお伝えするには、自らがより深く当ブランドを理解することが必須であると考え、多くの製品に触れ、いずれは直接ナポリの工房に赴き、ものづくりの過程を現地視察することを目標とする人物が遠路途中で訪れる『寄り道』をテーマにお届け致します。

ringからStile Latinoを盛り上げる事を目標に掲げ、 この機会が少しでもその力添えになればと考えております。目的地であるナポリの工房まで、お付き合いよろしくお願い申し上げます!!
 
  ring大阪 めるる

めるの寄り道
〜STILE LATINOファクトリーへの軌跡〜

ARCHIVE