garoh jacket 01 高巣 満導の場合

2023S/Sシーズンよりスタートしたguji初のプライペートレーベル“garoh(画廊/がろう)”。

「ニュークラシック」をコンセプトに掲げ、既存のクラシックとは違った新たな価値を生み出す上で共に取り組んで頂いたクリエイターの方にインタビューし、それぞれの思いを語っていただく連続対談企画、第二弾はmando(マンド)デザイナーの高巣 満導氏に登場いただきました。

“garohジャケット01”製作秘話を語っていただいています。

オリジナルとは違う、guji初のプライベートレーベル

ーまず、「ニュークラシック」というコンセプトについてはどう思われました?

高巣 満導氏(以下満導氏):いいと思います。コンセプトとしても字面としてもすごくストレートなので、問題はどう表現するかのさじ加減だね。

gujiバイヤーマネージャー高階(以下高階):長くクラシックとコンテンポラリーをミックスさせた提案を続けている満導さんが仰ると、その重みをすごく感じますね・・・。

満導氏:業界を盛り上げたいよね。

既にブランドを運営しているデザイナーが、それぞれのブランドの垣根を超えて一つのプロジェクトを完成させる。

その一人に選んでもらえて、本当に光栄だね。

高階:こちらこそ参加していただき、本当にありがとうございます。

満導さんのブランドはguji創業間も無くからオーダーをさせていただき、以来欠かさずなのでかれこれ15年ほどのお付き合い。
僕たちgujiの変遷を最も長くご覧いただいているデザイナーさんです。

満導氏:そうだね。当時からするとトレンドもそうだし、gujiさんの発信するスタイルも幅が広がってかなり変わっているよね。

高階:そうですね。

当時はbalconeはもちろんsalottoもなかったですし、全てのブランドをgujiというカテゴリーの中でセレクト、表現していました。
今考えると、その時点で既にミックススタイルのベースが整っていたのかもしれません。

それをわかりやすくカテゴライズしてブランド数を広げ、アップデートしたのが今のgujiですね。

満導氏:その中で選び続けてもらってるから、本当に嬉しいですよ。

IVYルックをヨーロピアンナ イズさせる

ー満導さんにはジャケットをお願いしました。

満導氏:今回はネイビーのブレザーにしました。

カジュアルからドレスまで一番使い回しが効くし、やっぱり“ニュークラシック”がコンセプトですから。

ringアシスタントバイヤー則包(以下則包):製品のキャプションには“ヨーロッパから見たアメリカをイメージした”とありますよね。

満導氏:ブレザーというとIVYルックを思い出させます。
それをヨーロピアンナイズさせたかった。

gujiさんはイタリア物を中心に展開されているから、アメリカ由来のものでもやっぱりヨーロッパらしい香り付けがある方がイメージに合っていると思ってね。

高階:メタルボタンもあまり見ないタイプですよね。

満導氏:これは自由の女神を型取った1922年のアメリカの硬貨がモチーフ。

ゴールドやシルバーじゃなくて、燻されたようなくすみが恰好良いですよ。

柔らかいタッチが今日的な素材

ー生地についても教えていただけませんか?

満導氏:これは、SUPER120'sのウールポプリン。
オフスケールという加工を生地整理の段階で施し、出来上がりの目面の綺麗さ、自然な艶感が意識された、しなやかな風合いになりますね。

高階:これ、すごくいい生地ですよね。
組織が細かくて、タッチがすごくサラッとしているし、トロピカルやホップサック、ツイルやギャバジンとはまた違った落ち着きと端正さがあります。

満導氏:夏の代表的な素材であるキッドモヘアを使うという手もあったけど、このウールポプリンの柔らかいタッチがとても今日的じゃない?

則包:凄く軽やかな仕上がりで驚いたんですが、クラシックに感じる重厚感は控えめに感じます。

満導氏:そう感じてもらうこと、そのものがまさに“ニュークラシック”だよね。

ーmandoブランドのクリエーションと違った点、良かった点や、難しかった点などあれば教えてくださ い。

満導氏:mandoはもう少しユルさとモード感があります。garohはクラシック感だね。

難しいということはないけど、はじめにも言ったけどどのさじ加減で表現するかだね。

高階:garohジャケットは、特にどの部分にこだわられたんでしょう?

満導氏:ボディーのゆとり感をどの程度にするか、あと芯づかいの加減かな。

クラシックでありながら今日的なバランスにする必要があるので、ドロップ寸やゆとりを柔らかく描いてくれる生地のチョイス、それを活かす芯地選びにもかなりこだわったね。

則包:だから軽くてもカチッと見えて、でも緩やかさもあるんですね。

満導氏:そう、イメージはタイアップで着こなすというよりも、カジュアルに羽織り感覚で着て頂く感じかな。

仕立てやデザインも、そんなスタイルを想像しながら。

ゴルフで着たり、その帰りにカジュアルなビストロに寄ったりする時にも良いよね。

日本で質の高い物作りが出来る事を世界にアピールするべき

ー満導さんご自身から強くお伝えしたいことがあれば、教えてください。

満導氏:日本で質の高い物作りが出来る事をgarohから世界にアピールするべきじゃない?

参加されているデザイナーは皆一流だし、生産背景も全て日本なんだから、もっと世界にアピールしないと。

その可能性がgarohにはあると思うよ。

高階:世界・・・ですか。

僕たちはセレクトショップとして、製品を世界中から選んでお客様に提案する仕事なので、逆に世界にむけてアピールするという発想自体がなかったです・・・。

が、balconeオリジナルを作り始めたきっかけも満導さんから頂いた何気ない一言がきっかけになりました。

これ、結構責任重大なプロジェクトですね・・・。

次回作も乞うご期待?

高階:満導さん、次回のgarohアイテム、何かイメージはありますか?

満導氏:コートか、もしくはレザーアイテムなんかどう?

則包:ニュークラシックなコート、レザー・・・!!

満導氏:やっぱりね、男性の基本的なワードローブにあるべきアイテムが良いよね。

garohコラム アーカイブ

MORE

特集一覧