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美容健康コラム アントシアニンの視覚機能の改善効果 アントシアニンの視覚機能の改善効果 アントシアニンの視覚機能の改善効果

アントシアニンには
眼の疲労感を軽減する効果がある

アントシアニンとは赤や青紫色の天然色素であり、ビルベリーやブルーベリーなど青色の果物に多く含まれる水溶性フラボノイドの一種です。
植物に含まれるポリフェノール化合物の仲間であり、本来この色素は紫外線や寒冷ストレスから植物を守るために存在しています。

ブルーベリーといえば、目の疲労や視機能の改善効果が期待出来るとして有名ですが、これらはアントシアニンの作用によるものであり、さまざまな論文でもその効果が報告されています。
ブルーベリーのアントシアニン
アントシアニンの
効果効能
スマホやパソコンなど継続的な光刺激が目にトラブルをもたらします。
アントシアニンはブルーライトを始めとするさまざまな光刺激から目の疲労感を和らげる事ができ、光による炎症を軽減し目のピント調節力を改善する事が確認されています。

  • 目の網膜の内側にある
    神経細胞を光刺激から
    保護する
  • 網膜の炎症を軽減し
    視機能の低下を抑える

このように視機能に関する保護や改善効果が報告されていますが、その他にも下記のような働きも発表されています。

❑異常な血管新生を抑制する
眼は血液不足を感じると、眼の中に不必要な新しい血管を作り出す事があります。
これは糖尿病などが原因で発症する病気であり眼圧の上昇に繋がるため、視界が狭くなり、やがて血管新生緑内障などの眼病を発症します。
アントシアニンはこのような眼の血管新生を抑制する働きが確認されています。
目の健康状態


❑高い抗酸化力で
活性酸素による
細胞の酸化を抑える
ヒトは呼吸という生命活動を通じて体内に酸素を取り込みますが、その約2%が活性酸素に変化します。また、活性酸素は紫外線を浴びる事でも発生します。活性酸素とはその名の通り普通の酸素よりも活性化されている酸素で、非常に酸化しやすいのが特徴です。

ある一定の活性酸素は病原菌に対しての抵抗力となり、病原菌の増殖を抑える有益な働きをしてくれますが、増えすぎた活性酸素は正常な細胞を傷つけてしまう欠点があります。

つまり、活性酸素の異常な発生を抑える事は細胞の損傷をおさえ老化を軽減する事につながります。

アントシアニンには強い抗酸化作用がありますので、過剰な活性酸素を無効化し体の中の有害な酸化物質を減らしてくれます。


❑血糖上昇抑制作用
多くのフラボノイドには糖尿病を抑制する効果が確認されています。
そして、アントシアニンも同様に血糖値の上昇を抑える効果がありました。
アントシアニンの血糖値上昇抑制


❑動脈硬化予防作用
動脈効果は悪玉コレステロール(LDL)の酸化が原因とされています。
アントシアニンは抗酸化作用があるため、活性酸素による悪玉コレステロールの酸化を抑えます。酸化した悪玉コレステロールは血管内部をつまらせる原因になるため、酸化を防ぐ事で動脈効果の予防に繋がるという事です。


❑抗腫瘍作用
アントシアニンには、がん細胞に対する増殖抑制作用があります。いろいろと研究されておりますが、癌細胞を自然死(アポトーシス)に導くという研究論文があります。


❑アルツハイマー病の発症遅延
70歳以上の軽度から中度の認知症高齢者が1日あたり200mlのチェリージュースを摂取する事で、言葉が流暢になり、短期記憶、長期記憶の改善につながったいう臨床試験があります。

これにより初期の記憶力低下を伴う高齢者の認知機能の改善の可能性があると報告されてました。若い健康な成人を対象とした場合は、その影響の有無はさだかではありませんでしたが、 7歳〜10歳ぐらの子どもに関しては認知機能を向上させる事が報告されました。

その他にも、アントシアニンには、アルツハイマーの原因とされ、神経細胞の毒性をもたらす「アミロイドβタンパク質」の凝集作用を抑制する働きがあります。
考えるイメージ


その他、アントシアニンの作用は「骨粗しょう症」「毛細血管の保護」「血流の改善」「代謝疾患」といった事柄にも関与しています。特に「心血管疾患」や「神経変性疾患」など酸化ストレスが関連する疾病の予防については広く報告がされています。
アントシアニンによる
ロドプシン促進作用
視覚機能は「網膜」に存在し光を感じる視紅(しこう)別名「ロドプシン」と呼ばれる視物質が深く関与しています。※視物質とは光を感じる事が出来る色素タンパク質です。

また、光ではなく色(赤、青、緑)を感じる事が可能な視物質に「ヨドプシン」があります。
ロドプシンは網膜に存在し、ヨドプシンは黄斑部を中心に存在する視細胞(視物質)ですが、脳はこの2つの物質の働きを元に物体の明暗や色を識別しています。
網膜にある視覚伝達物質ロドプシン


ここでアントシアニンが関与しているとされる視物質はロドプシンです。

ロドプシンは光があたり眩しく感じると分解されますが、逆に暗闇ではロドプシンが合成されます。つまり、ロドプシンを分解したり合成したりする事で明るさを調節しています。 暗闇でもスムーズに物体を見分ける事が出来るのはロドプシンのいち早い合成のおかげです。
アントシアニンがロドプシンの再生を活性化


明暗に関する視覚機能に大きく関与しているロドプシンは、アントシアニンを摂取することで活性化される事が確認されています。

つまり、明るいところから暗いところへ移動しても物体を見分ける事が出来るのはロドプシンのスムーズな合成によるものなので、ロドプシンをサポートするアントシアニンは、明暗における視機能の改善に深く関与している事になります。
眼の働きをサポートする
フラボノイド
植物の苦味や色素の事をポリフェノールといいますが、その中でも天然の植物色素を総じてフラボノイドと呼びます。

もちろん、アントシアニンもフラボノイドですが視機能に関係する成分として、フラボノイドの仲間であるルテインゼアキサンチン、ブルーベリーも同様に視機能をサポートする働きが確認されています。

これらフラボノイドは多くの臨床試験や研究論文が発表されている成分です。目の疲れが気になる方は是非お試ししてみてはいかがでしょうか。
目の健康の為のサプリメント
食品中に含まれる
アントシアニン
赤や青色の野菜や果物に広く含まれているアントシアニンですが、その含有量は光の量、品種や栽培方法、天候や収穫時期、温度などさまざまな要件にて著しく変化しています。

特にアントシアニンが豊富なものにベリー類が上げられます。 例えば、イチゴ、ブラックベリー、カシス、ラズベリー、ブルーベリーなどです。

その他、紫とうもろこし、紫カリフラワー、ブドウ、ナス、ザクロ、チェリー、プラム、赤キャベツ、黒人参にも含まれています。

アントシアニンは、抗酸化、抗炎症、抗がん、神経保護、体内のさまざまな包括的なプロセスにも活性を示す可能が十分にあります。つまり、果物や野菜の定期的な摂取は、慢性疾患や変性疾患に対する予防策となりますので是非心がけてみて下さい。

※アントシアニンはその安全性から合成物質に代わる食品の着色料としても、日本、アメリカ、ヨーロッパをはじめ多くの国で広く認められています。
ベリー
糖尿病の予防と
アントシアニン
糖尿病はインスリンの働きが悪くなることで、血液中の糖分の量を示す血糖値が常に高い状態にある病気です。一般に1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病の3種類に分類されます。 中でも、ファーストフード等高カロリーの食事や、食べ過ぎ、運動不足、飲酒や喫煙といった生活習慣が原因といわれる2型糖尿病は糖尿病全体の90%を占め、年齢が上がるほど増加傾向にあります。

近年この2型糖尿病が小児~若年層にも見られるようになってきており、これからも増加する事が予想され問題視されています。

糖尿病が恐ろしいと言われるのは、慢性的な高血糖が原因で起こる合併症ですが、中でも糖尿病性網膜症により「視力低下」や「失明」の危険性があります。

既に糖尿病の薬は流通してはいるものの、より副作用の少ない治療薬を見つける事は大切な事なので、天然成分の利用を考えた研究が続けられています。

こういった事から、果物などに多く含まれるフェノール類がこういった疾病の予防に有効である事が示され注目されています。

特に赤い果物に含まれる「アントシアニン」は、老化の原因である活性酸素の発生を抑え、糖尿病性網膜症の改善に効果があると示唆されています。

また、赤ブドウを使ったワインと比較した場合、ベリー系の果物に含まれるアントシアニンの方が、有益性が高い事が確認された為、アントシアニンを含む食品は、2型糖尿病患者への健康維持に注目されています。 ただ、食物からの摂取効果には個人差があり、アントシアニンの糖尿病への影響を証明できるまでには至っていないため、今後もさらなる研究が必要といわれています。

他にも、アントシアニンを含むベリー系の果物を摂取する事で下記の様な効果が確認できました。
・高脂肪食とブラックベリーを1日600g摂取する事によるインスリンの有益な改善
・高炭水化物とブルーベリーを一緒に摂取すると、満腹感が得られる為、食べる量が減少する事
・高炭水化物高脂肪食と40gのフリーズドライストロベリー粉末を摂ることで、食後の血糖値の上昇が抑えられる事
参考文献
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大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

参考文献やインターネット上にあるエビデンスやメーカー情報を元に分かりやすくまとめたものになります。参考になれば幸いです。
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