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美容健康コラム イヌリンによる血糖値の上昇抑制作用 イヌリンによる血糖値の上昇抑制作用 イヌリンによる血糖値の上昇抑制作用

イヌリンの効果について

イヌリンとは菊芋、にんにく、ゴボウに多く含まれている水溶性の食物繊維であり多くの効果効能が報告されています。
イヌリンとは水溶性の食物繊維
イヌリンによる
血糖値の上昇抑制効果
食事と一緒にイヌリンを摂取すると、カルシウムやミネラルの吸収率が向上し、糖やコレステロールの吸収が抑えられます。つまり、脂質や糖分のとりすぎによる肥満や糖尿病の予防効果が期待出来ます。

慢性的に血糖値が高めの方や、食後の血糖値が上昇しやすい方は、糖尿病を発症しやすいだけでなく、将来的には認知症のリスクが高くなると言われています。

糖尿病や認知症を予防する意味でも、食事と一緒に食物繊維を摂取する事をおすすめします。炭水化物が多く、野菜の摂取が少ない食生活をしている方は、イヌリンや難消化性デキストリンなど血糖値を抑制する成分を使ってみるのも良いでしょう。

※難消化性デキストリンもイヌリンと同様に食物繊維であり、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。
イヌリンの血糖値の上昇抑制作用
イヌリンの
ビフィズス菌増殖作用
イヌリンは胃や小腸では消化されず、大腸まで届きます。その結果、善玉菌の餌となりビフィズス菌などが増殖します。

ビフィズス菌は活動の代謝物として、人にとって有益な短鎖脂肪酸(乳酸や酢酸)を作ることが出来ます。つまり、ビフィズス菌が増えるという事は短鎖脂肪酸(乳酸や酢酸)も増えるという事です。
イヌリンのビフィズス菌増殖作用
短鎖脂肪酸は体の免疫機能を向上させるだけでなく、食欲を抑えるホルモンの分泌を促すためダイエットにも効果的です。

また、短鎖脂肪酸は腐敗物質をつくりだす悪玉菌の増殖を抑える為、腸内での善玉菌の割合が多くなります。

悪玉菌が減少し善玉菌が増えると、腸内環境が良好になり下痢や便秘の予防にもつながります。美しい腸内フローラが形成されるとオナラの匂いも臭くなくなります。

その他、悪玉菌の減少は大腸内での「有害物質」の抑制につながり、大腸の腐敗や血液中に含まれる毒素の減少にもつながります。

悪玉菌が作る有害物質が血液中に入り込むと体調トラブルを引き起こすだけでなく、さまざまな肌トラブル(肌荒れやアトピー制皮膚炎など)が発症する原因にもなります。

悪玉菌を抑える事は美容と健康には非常に大切なことなのです。
イヌリンによる
肝疾患抑制効果
イヌリンを摂取する事により非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の発症を抑制する事が出来るという論文※1がございます。

これはイヌリンの摂取によって増加する「ビフィズス菌」の働きによるものです。ビフィズス菌は「酢酸」を作り出す事が出来ますが、大腸内で生み出された「酢酸」は腸管から吸収され、やがて血液中に入り静脈をつたわって肝臓に入ります。

酢酸を吸収した肝細胞はインスリン抵抗性が改善される為、肝疾患の予防につながるという訳です。この作用はイヌリンというより、ビフィズス菌の作用機序でもあります。

※インスリンは血液中の糖の代謝をコントロールする事で急激な血糖値の上昇を抑えてくれます。
※1 マウス実験
   
ビフィズス菌とイヌリンの
有益な組み合わせ
「エクオール」とは女性ホルモンに似た働きを持つ成分であり、大豆イソフラボンを摂取することで、体内の一部の腸内細菌によって産生されます。しかし、すべての人が十分にエクオールを作ることが出来るわけではなく、その働きを向上させる方法が求められています。

最近の研究では、エクオールの産生を向上させる鍵は「腸内細菌」であるとされ、特に「ビフィズス菌BB536」が注目されています。この乳酸菌を豆乳イソフラボンと一緒に摂取する事で、エクオールの産生力が向上する可能性が示されています。

さらに、このエクオールの産生をサポートするプレバイオティクスによる研究も行われており、特に「イヌリン」の重要性が明らかになりました。

in vitro試験では、オリゴ糖やグルコース、スクロースといった他のプレバイオティクス成分と比べ、イヌリンを含んだ豆乳イソフラボンとビフィズス菌BB536の組み合わせが、最も高品質なエクオールを生成することが示されました。

つまり、イヌリンと豆乳イソフラボンとビフィズス菌BB536の摂取が、エクオールの産生を最も効率よくサポートする方法の1つだと考えられます。
ビフィズス菌とイヌリン

※プロバイオティクスが腸内の有益な微生物菌そのものを指すのに対して、プレバイオティクスはそれら微生物を成長させる為の食品成分をさします。

参考論文
豆乳イソフラボンからエクオール産生に対するビフィズス菌の影響
Mustafa, S. E., Mustafa, S., Ismail, A., Abas, F., Abd Manap, M. Y., Hamdi, O. A. A., Elzen, S., Nahar, L., & Sarker, S. D. (2020). Impact of prebiotics on equol production from soymilk isoflavones by two Bifidobacterium species. Heliyon, 6(10), e05298. doi: 10.1016/j.heliyon.2020.e05298 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33134584/
 
イヌリンの
副作用について
基本的には副作用と言われるようなトラブルはありませんが、個人差はあるものの稀にお腹がゆるくなったり、お腹が張ったり、腹痛が生じる場合があるようです。

食物繊維なのでダイエット効果があるからと言って食べ過ぎるのもよくありません。
 
イヌリンについて
研究論文をご紹介
❑イヌリン摂取と
心血管代謝疾患の発生率について
イヌリンは腸管内にある善玉菌を育てるプレバイオティクスであり、免疫機能、脂質代謝、腸内細菌叢(腸内フローラ)の改善など、私たちの体に有益な結果をもたらしてくれます。

この研究ではイヌリンの摂取量が、心血管疾患、高血圧、慢性腎臓病、2型糖尿病といった心代謝性疾患の発症率にどれだけの影響を及ぼすのかが検証されています。

そして「Cox比例ハザード回帰」といった予測モデルを用いた結果、イヌリンの消費量が多いほど高血圧症や2型糖尿病のリスクが低いことが示されました。 ただし、慢性腎臓病、心血管疾患の発症リスクとの関連性は見られませんでした。

この結果からさらなる調査の必要性は感じるものの、イヌリン摂取は、心疾患および腎臓疾患の主要な危険因子である「高血圧」および「2型糖尿病」の予防に効果的だと考えられます。

参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36148807/


❑イヌリンを豊富に含むヨーグルトはマウスの腸内フローラを改善し
生殖機能障害を軽減する
イヌリンを強化した「シンバイオティクスヨーグルト」を人工的に作り出し、多嚢胞性卵巣症候群マウスに投与する事で、発情周期と卵巣形態の改善が確認されています。

参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35057459/


❑イヌリンの補給は
乳牛の潜在性乳房炎を
改善する
潜在性乳房炎とは乳牛の感染症の一つであり、その発症率も高く無症状である事が多いという特徴があります。

乳房炎は消化管内細菌叢が深く関与しているため、イヌリンの補給により腸内細菌群集の改善をはかる事や体内の免疫力を高める事は疾病を予防する為にも重要なことです。

イヌリンを補給する事で、体内のプロピオン酸と酪酸、及び乳酸濃度が増加する事が確認され、ルーメン(牛の第一の胃袋)中のアンモニア性窒素(NH3-N)を減少させることが明らかとなりました。

プロピオン酸および酪酸産生菌といった有益な常在菌や、エネルギーおよびアミノ酸に関わる代謝物が増加すると、炎症性細菌を減少させる事につながります。

つまり、イヌリンの補給は乳牛のルーメン内の環境を改善し、炎症反応を緩和することができると示されました
うし

参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34494854/


❑イヌリンによる
妊娠糖尿病における
代謝障害の改善(マウス)
妊娠糖尿病は母子ともに短期的または長期的に大きな健康被害をもたらします。この論文では、限定的ではあるもののイヌリンを摂取する事で、マウスにおける妊娠中の耐糖能異常を改善する可能性が示されています。

実験では、イヌリンの投与方法を「無投与」「低用量投与」「高用量投与」に振り分け7週間飼育し糖脂質代謝に関係する値を測定しています。

その結果、イヌリンの投与によって空腹時の血糖値や総コレステロール値が減少する事がわかりました。また、糖代謝の改善、ブドウ糖の恒常性維持の促進、空腹時の血糖値と相関のあるレジスチンの発現が抑制されている事なども示されました。
マウス
参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34952629/
 
●イヌリンの肝機能改善効果 静岡県立大学・薬学部・生体情報分子解析学 三輪匡男、菅谷純子、五十里彰、高橋忠伸 フジ日本精糖 -渡辺修司、和田正、小枝貴弘 http://www2.ric-shizuoka.or.jp/area/result/18/4-04.pdf
●https://www.shinryo-to-shinyaku.com/db/pdf/sin_0055_08_0605.pdf
●https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2021/10/5/211005-1.pdf
●Golzarand, M., Bahadoran, Z., Mirmiran, P., & Azizi, F. (2022). Inulin intake and the incidence of cardiometabolic diseases: A prospective cohort study. Food & Function, 13(20), 10516-10524. doi: 10.1039/d2fo00063f https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36148807/
●Li, T., Zhang, Y., Song, J., Chen, L., Du, M., & Mao, X. (2022). Yogurt enriched with inulin ameliorated reproductive functions and regulated gut microbiota in dehydroepiandrosterone-induced polycystic ovary syndrome mice. Nutrients, 14(2), 279. doi: 10.3390/nu14020279 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35057459/
●Wang, Y., Nan, X., Zhao, Y., Jiang, L., Wang, H., Zhang, F., Hua, D., Liu, J., Yao, J., Yang, L., Luo, Q., & Xiong, B. (2021). Dietary supplementation of inulin ameliorates subclinical mastitis via regulation of rumen microbial community and metabolites in dairy cows. Microbiology Spectrum, 9(2), e0010521. doi: 10.1128/Spectrum.00105-21 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34494854/
●Miao, M., Dai, Y., Rui, C., Fan, Y., Wang, X., Fan, C., Mu, J., Hou, W., Dong, Z., Li, P., Sun, G., & Zeng, X. (2021). Dietary supplementation of inulin alleviates metabolism disorders in gestational diabetes mellitus mice via RENT/AKT/IRS/GLUT4 pathway. Diabetology & Metabolic Syndrome, 13(1), 150. doi: 10.1186/s13098-021-00768-8 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34952629/
 
大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

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