ビフィズス菌は大腸内でビタミンB郡の生成だけでなく、糖を分解して酢酸や乳酸を作り出す事ができる細菌です。
小腸内に生息する優良な善玉菌である乳酸菌は乳酸を作り出す事が出来ますが、ビフィズス菌と違い酢酸は作ることが出来ません。
どちらも腸内フローラを健全に保つ為の大切な腸内細菌ですが、酢酸と乳酸の両方を作り出す事が出来るビフィズス菌はより優秀な腸内細菌と言えるでしょう。
この酢酸や乳酸の産生が体の免疫力のアップにつながります。
特に、ビフィズス菌の作り出す酢酸は、病原性大腸菌O157の感染への抵抗力をアップさせるなどの論文も発表されています。酢酸は抗菌性が高く、大腸菌の増殖を抑制してくれます。
酢酸と乳酸によって腸内のpHが低く保たれることにより、体内の病原菌の増殖が抑えられています。pHが低く保たれていると腸管を刺激され、消化した食べ物を体外へ排出する腸の『ぜん動運動』が活発化して、便秘の改善に貢献するといわれています。
ビフィズス菌は抗アレルギー作用についても報告されており、M-16V菌末の摂取によって乳児のアトピー性皮膚炎の症状の改善が確認されています。M-16Vは動物モデルの実験では、ミルクアレルギーの抑制作用が確認されました。
免疫細胞は骨髄、血液やリンパ組織に存在すると言われておりましたが、実は活性免疫細胞のほとんどは腸管の組織に存在していると言われるようになりました。
腸管に存在する腸内細菌の数は、体に存在するすべての細胞の10倍以上の数にも達しており、腸内細菌の環境の良し悪しが多くの免疫細胞に影響を及ぼします。
腸内細菌は大腸がん等の消化器系の疾患や、肥満やⅡ型糖尿病といった全身におよぶ疾患、精神疾患である自閉症や認知症とも関連していることが明らかになっています。現在では便秘症が乳がんの危険率を引き上げることも確認されており、腸内環境が健康にとても重要ということが分かりますね。
腸内細菌が体に及ぼす影響はすぐに感じ取れるものではなく、少しずつ蓄積されていづれ現れてくるものであり、長い時間を要します。腸内に存在する有害菌によって産生される細菌毒素や発がん物質は腸内に居続け、これらの物質は体内に吸収されて少しずつ臓器や脳、血管などに長期間にわたって蓄積されていきます。
そして、蓄積された障害ががんや動脈硬化・疾患など慢性的な病気となって身体に現れてしまうと考えられています。ビフィズス菌は悪い菌が腸内で増殖するのを抑え、腸炎・食中毒・下痢から守り、さらには腸内の有害菌の増殖を抑制して、発がん物質や老化促進物質の生成を抑えてくれるといわれています。