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美容健康コラム ビフィズス菌の色々な効果 ビフィズス菌の色々な効果 ビフィズス菌の色々な効果

ビフィズス菌のさまざまな効果

生まれたての赤ちゃんの口腔内には多くのビフィズス菌が存在しています。
やがて成長と共にビフィズス菌は大腸に生息するようになり、腸内細菌のおよそ20%(10兆以上)がビフィズス菌で構成されるようになります。
このビフィズス菌について研究・発表されている効果効能についてまとめました。
ビフィズス菌の
健康効果
ビフィズス菌の効果としては便秘を解消したり、下痢を抑える等の整腸作用や、腸管上皮を健康にする働き、または免疫力のアップにまで及びます。

ビフィズス菌や乳酸菌はプロバイオティクスとよばれております。プロバイオティクスとは『適正な量を摂取した時に、宿主に有益な生理作用をもたらす微生物』と定義されます。

乳酸菌は「乳製品や発酵食品・ヒトや動物の体内」など幅広く存在していますが、ビフィズス菌は酸素に弱く主に「ヒトや動物の腸内」に存在する菌となります。
ビフィズス菌と乳酸菌の比較
ビフィズス菌BB536の効果
ビフィズス菌には沢山の種類が存在していますが、その中の1つであるビフィズス菌BB536は1969年の臨床試験にて次のような効果がある事が示され、幼児の腸内から発見されたこの細菌は世界中で流通しておりその安全性も高く評価されています。

  • 腸内環境を整える
    「整腸」作用
  • 腸を守り、
    免疫細胞を活性化させる
    「感染症予防」作用
  • 崩れた免疫バランスを整える
    「抗アレルギー」作用


他にも、ビフィズス菌の一般的に研究されている効果として下記の働きが確認されています。

●気分状態・睡眠状態・疲労感の改善
●認知機能改善作用
●抗老化作用
●発がんの予防
●コレステロールの低減作用
●骨強度増強作用
●体脂肪の減少
●ウエスト周囲径の減少
●花粉症による自覚症状の改善
●アレルギーの予防作用
●感染症の予防
●ストレスの緩和
●大腸がんの予防効果(マウス実験による)


ビフィズス菌BB536の効果
ビフィズス菌BB536を使った「花粉症による自覚症状の改善」の研究において、実際の臨床試験では「くしゃみや鼻づまり・鼻のかゆみ・目の症状・のどの症状」が緩和されることが認められています。

この結果、BB536の摂取により花粉によって起こる体内の免疫バランスの崩れが「改善されるのではないか」と示されました。

体内には花粉やカビ・ダニなどのアレルゲンに反応する『TH2細胞』があります。アレルゲンが体内に取り込まれると、『TH2細胞』が『B細胞』という免疫細胞を活性化させて抗体をつくるよう指令を出します。

しかし免疫のバランスが崩れ、『TH2細胞』の働きが過剰になってしまうとアレルギー症状が引き起こされてしまいます。『TH2細胞』が『B細胞』に抗体をつくるよう指令をする際、『IL-4』という物質を分泌するのですが、BB536はこの『IL-4』の分泌を抑制する事でアレルギー症状を緩和させていると考えられています。
アレルギー症状が出る症状
その他、BB536は他の腸内細菌と作用することによってビオチンや酪酸を増加させる働きがあります。ビオチンは様々な働きがありますが、免疫機能で重要な役割を果たす『リンパ球』の成熟に影響を与えています。また、酪酸は大腸の上皮細胞のエネルギー源となるほか、抗炎症作用に関係する細胞に影響を与えることが分かっています。
ビフィズス菌で免疫力アップ
ビフィズス菌は大腸内でビタミンB郡の生成だけでなく、糖を分解して酢酸や乳酸を作り出す事ができる細菌です。

小腸内に生息する優良な善玉菌である乳酸菌は乳酸を作り出す事が出来ますが、ビフィズス菌と違い酢酸は作ることが出来ません。 どちらも腸内フローラを健全に保つ為の大切な腸内細菌ですが、酢酸と乳酸の両方を作り出す事が出来るビフィズス菌はより優秀な腸内細菌と言えるでしょう。
ビフィズス菌は大腸内で酢酸や乳酸を作り出す
この酢酸や乳酸の産生が体の免疫力のアップにつながります。
特に、ビフィズス菌の作り出す酢酸は、病原性大腸菌O157の感染への抵抗力をアップさせるなどの論文も発表されています。酢酸は抗菌性が高く、大腸菌の増殖を抑制してくれます。

酢酸と乳酸によって腸内のpHが低く保たれることにより、体内の病原菌の増殖が抑えられています。pHが低く保たれていると腸管を刺激され、消化した食べ物を体外へ排出する腸の『ぜん動運動』が活発化して、便秘の改善に貢献するといわれています。

ビフィズス菌は抗アレルギー作用についても報告されており、M-16V菌末の摂取によって乳児のアトピー性皮膚炎の症状の改善が確認されています。M-16Vは動物モデルの実験では、ミルクアレルギーの抑制作用が確認されました。

免疫細胞は骨髄、血液やリンパ組織に存在すると言われておりましたが、実は活性免疫細胞のほとんどは腸管の組織に存在していると言われるようになりました。

腸管に存在する腸内細菌の数は、体に存在するすべての細胞の10倍以上の数にも達しており、腸内細菌の環境の良し悪しが多くの免疫細胞に影響を及ぼします。

腸内細菌は大腸がん等の消化器系の疾患や、肥満やⅡ型糖尿病といった全身におよぶ疾患、精神疾患である自閉症や認知症とも関連していることが明らかになっています。現在では便秘症が乳がんの危険率を引き上げることも確認されており、腸内環境が健康にとても重要ということが分かりますね。

腸内細菌が体に及ぼす影響はすぐに感じ取れるものではなく、少しずつ蓄積されていづれ現れてくるものであり、長い時間を要します。腸内に存在する有害菌によって産生される細菌毒素や発がん物質は腸内に居続け、これらの物質は体内に吸収されて少しずつ臓器や脳、血管などに長期間にわたって蓄積されていきます。

そして、蓄積された障害ががんや動脈硬化・疾患など慢性的な病気となって身体に現れてしまうと考えられています。ビフィズス菌は悪い菌が腸内で増殖するのを抑え、腸炎・食中毒・下痢から守り、さらには腸内の有害菌の増殖を抑制して、発がん物質や老化促進物質の生成を抑えてくれるといわれています。
 
ビフィズス菌の摂取量
について
善玉菌であるビフィズス菌は摂りすぎてはいけないという事はありません。

加齢によってビフィズス菌が減少してしまう事は海外の論文でも明らかにされていますが、おそらく不規則な生活習慣や食生活の影響でもビフィズス菌が減少したり、悪玉菌が増殖してしまう事も考えられます。その為、毎日積極的にビフィズス菌を摂取したほうがよいでしょう。
  
ビフィズス菌が占める
腸内細菌の割合
正常な腸内にはおよそ1,000種類以上の10兆個〜100兆個ほどの腸内細菌が存在していますがそのおよそ20%がビフィズス菌で構成されています。

実は、生まれたての赤ちゃんの腸内フローラ(腸内細菌叢)は、90%近くがビフィズス菌であるとされています。
腸内フローラがビフィズス菌優勢であることにより、赤ちゃんは感染症から守られているほか、腸内の免疫やエネルギーバランスの調整もされています。 赤ちゃんの糞便があまり臭わないのはビフィズス菌が特に多い事が関係していると考えられています。
母乳中に多くのビフィズス因子が含まれているため、母乳を飲んで育った乳児は人口的な栄養で育った乳児に比べて乳酸・酢酸の保有が多いことも分かっています。
腸内細菌に占める善玉菌
老人期になると腸内のビフィズス菌が減少し、腸内腐敗を促進する大腸菌などが増加してしまいます。腸内腐敗は腸の中にある食べ物を腐敗させてアンモニアなどの腐敗物質を産生し、免疫力の低下や便秘・下痢につながる可能性があります。

加齢とともに腸の運動機能も低下し、男性では50歳代以上から、女性では60歳代以上から便秘症が急激に増加します。 ある実験では、健常な高齢者・寝たきりの高齢者ともにビフィズス菌を飲用することで腸内のビフィズス菌レベルが増加しました。その結果、排便回数が増加し、腸内の腐敗菌を減少させることが明らかになっています。


ビフィズス菌が減少し悪玉菌が増えるとオナラが実際に臭くなると言われますので善玉菌不足は判別も付きやすいです。また、一般的に善玉菌はヤセ菌、悪玉菌の仲間はデブ菌とも言われてますので、善玉菌を増やし悪玉菌を減らす事が健康的な体型を維持する為にも必要な要素であると考えられています。
ビフィズス菌が増える事で悪玉菌の腸管での定着率を下げる効果もありますのでデブ菌排除にも活躍します。
ビフィズス菌が占める腸内細菌の割合
ビフィズス菌を
増やすには
発酵食品や乳製品には乳酸菌は生息していますが、ビフィズス菌は酸素に弱いため食品中にはほとんど存在していません。

日本人は食生活が欧米化して以来、高脂肪な食事を摂る機会が増え、食物繊維を摂取する機会が減り、その結果、腸内フローラ内でビフィズス菌の占める割合が少なくなってきています。

お腹の中のビフィズス菌を増やすには、ビフィズス菌そのものを取り入れるか、大腸内に生息するビフィズス菌を増やすかのどちらかです。
腸内のビフィズス菌を増殖させるには、エネルギー源としてオリゴ糖の供給が大切です。オリゴ糖が腸内でビフィズス菌の餌になるためには、栄養として体内に吸収されることなく、かつ腸内に届く前に菌に利用されないことが必要となります。そのようなオリゴ糖としてラフィノースなどがあげられます。

なかでも植物由来のオリゴ糖は成人型ビフィズス菌の餌になりやすく、乳糖ベースのものはビフィズス菌全般の餌になりやすい傾向にあります。


また、オリゴ糖だけでなく食物繊維の一種である糖タンパク質や多糖もビフィズス菌の餌になることが分かっています。難消化性デキストリンや難消化性デンプンは途中で分解されることなく大腸まで届き、実際にビフィズス菌を増殖させる効果が確認されています。ビフィズス菌などのプロバイオティクスを増やす作用を持つ食品素材は『プレバイオティクス』と呼ばれています。
のビフィズス菌を増殖させるには


腸内細菌の構成は小さいころから摂取した食品に含まれる細菌の影響を受けており、民族間によってもさまざまですが、私たちは自身の母親から受け継いだビフィズス菌をお腹に持っているため、外からビフィズス菌を摂取しても定着しづらい特徴があります。

お腹に定着しているビフィズス菌を増やすには、ビフィズス菌を含む食品を毎日食べ続けることで、腸内を外からのビフィズス菌が多い状態に保つ必要があります。オリゴ糖が含まれる味噌、ぬか漬け、納豆、キムチ等を摂取する事や、食物繊維を取り入れる事でも元気になりますので積極的に毎日の食卓に加えてください。 
ビフィズス菌を増やすには
ビフィズス菌と乳酸菌の種類
乳酸菌は乳製品に含まれる動物性乳酸菌とキムチや漬物に含まれる植物性乳酸菌にわけられます。またこれらは約400種類ほど発見されておりますが、大きな属性でわけると7種類でありその1つにビフィズス菌が存在します。2017年時点でヒトの腸管から見つかっているビフィズス菌は、10種類程度あります。


❑ビフィズス菌の代表菌
ビフィズス菌は約300種類ほど発見されていますが、グリコにて発見されたヒト由来のビフィズス菌「ビフィズス菌BifiX」や森永乳業により研究されさまざまな効果を発表している「ビフィズス菌BB536」が有名です。また、ダノンジャパンの「ビフィズス菌 BE80株」、雪印の「ビフィズス菌SP株」などもあります。

これらの菌は主にヨーグルトなどの乳製品に配合し販売されています。ただ、胃酸の影響を受けますので生きたまますべてのビフィズス菌が大腸まで届くかどうかはわかりません。

ビフィズス菌は、例え死菌であっても効果があるとされていますが、生きたまま大腸にビフィズス菌を補充したほうが期待できる効果はより大きいと考えられます。

ビフィズス菌は胃酸に弱いうえ、空気中の酸素も嫌いなため、生きたまま安定性の高い状態で製品化するのは難しいといわれています。大腸へビフィズス菌を補充したい場合は、生きたまま大腸まで届くように「耐酸性のカプセルに充填されている」ビフィズス菌サプリメントや「生きたまま届く」と記載があるヨーグルトなどがよいでしょう。
ビフィズス菌サプリメント
参考までに消費者庁へ届け出している機能性表示食品の場合「ビフィズス菌が1カプセルに50億」と表記している場合でも、実際はその2倍近い配合になっているケースがあります。

これは2、3年経過した後の賞味期限に達した状態でビフィズス菌の配合検査(生菌検査)をしても最低でも50億個の生存が確認出来るという意味なので、機能性表示食品として販売されているビフィズス菌の配合量の信頼度は相当に高いでしょう。製造時には最低でも2倍以上の生きたビフィズス菌が含まれていると考えられます。

ヨーグルトは主な原料は牛乳であり、ビフィズス菌以外にもタンパク質やカルシウムなど他の成分が多く配合されているため、食べ過ぎるとお腹がゆるくなる方もいると思います。その為、手っ取り早くビフィズス菌だけを摂取したい場合は、サプリメントにするほうが簡単です。


❑ラクチュロースと
ビフィズス菌
その他オリゴ糖の一種であるラクチュロースとの同時摂取もビフィズス菌の増殖作用への研究データもあります。もちろん、乳酸菌もビフィズス菌の餌にもなるため乳酸菌を同時に補充するのもよいとされています。
ラクチュロース
また、乳酸菌として知名度が高い細菌は、カゴメの「ラブレ菌」、雪印の「ガセリ菌SP株」、明治の「R-1乳酸菌」「LB81乳酸菌」「LG21乳酸菌」「PA-3乳酸菌」、ヤクルトの「乳酸菌シロタ株」、カルピスの「L-92乳酸菌」「乳酸菌CP1563株」、マルサンの「TUA4408L乳酸菌」、フジッコの「クレモリスFC株」などがあります。

参考までに腸内に生息する悪玉菌としては大腸菌、ウェルシュ菌などがあります。

美容と健康の為の善玉菌の補給において、大手の研究機関でその存在が発表されているビフィズス菌については、副作用と言われる症状はほとんどありませんが、医薬品として配合されている場合を含め、摂取する事でお腹の調子が悪くなるような場合は腸内環境との相性も考えられますので注意してお試しください。
参考文献
●福田真嗣 ビフィズス菌が産生する酢酸が病原性大腸菌感染を予防する:糖トランスポーターの重要性独立行政法人理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター 免疫系構築研究チーム研究員 科研費NEWS 2011年度 VOL.1 https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/22_letter/data/news_2011_vol1/p-17.pdf
●清水(肖)金忠 ビフィズス菌および乳酸菌の生理機能解明と産業利用に関する研究(受賞総説) 日本乳酸菌学会誌 33(3): 155-168 (2022) https://www.morinagamilk.co.jp/learn_enjoy/research/presentation/scholarly/strain.html
●森永乳業 ビフィズス菌がラクチュロースを利用する仕組みを解明 ―ビフィズス菌の増殖作用の予測への活用も― 〜科学雑誌『Communications Biology』掲載〜 https://www.morinagamilk.co.jp/release/newsentry-3672.html
●2021年度酪農家学会奨励賞受賞記念総説 Bifidobacterium longum BB536の摂取による抗老化作用について https://www.jstage.jst.go.jp/pub/pdfpreview/milk/70/3_70_184.jpg
●腸内におけるビフィズス菌のラクチュロースへの応答は、ABCトランスポーターの基質結合タンパク質サブユニットに依存する
●福田 能啓 他 便通異常とビフィズス菌 総説 診療と新薬 2020;57:80-87 https://www.shinryo-to-shinyaku.com/db/pdf/sin_0057_02_0080.pdf
●東洋渓山企画広告制作チーム 知られざるビフィズス菌のパワー 腸を制するものがビジネスを制す https://toyokeizai.net/sp/morinaga-bifidus03/index.html
●森永乳業のビフィズス菌研究所 ビフィズス菌BB536とは - 大腸がん予防作用 https://www.bb536.jp/morinagamilk/morinagamilk02.html
●J-STAGE ご紹介文献各種 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs1983/43/6/43_6_395/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics1964/19/6/19_6_577/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim1987/2/1/2_1_19/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/55/4/55_242/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/milk/66/1/66_45/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim/31/4/31_179/_pdf/-char/ja
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https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslab/21/2/21_2_112/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi1941/52/5/52_5_267/_pdf/-char/ja
 
大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

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