三河みりんの醸造を始めたのは、三河國大濱村(現在の愛知県碧南市)で廻船問屋を営んでいた石川八郎右衛門信敦。九重味淋の創始者です。信敦は、廻船問屋として全国各地から仕入れた情報から、三河地方が本みりん醸造に適していると考えました。安永元年(1772年)碧南の地で初めてみりんをつくり始め、それを自分の船に積み込み、江戸の新川へ水路で運んでいったのでした。この本みりんに注目したのが、当時繁盛していた鰻屋や蕎麦屋です。調味料として使い、その品質の高さを評して「三河みりん」と呼び、親しまれるようになったといいます。以後、九重味淋は三河みりんの元祖として、創業以来培った技術に磨きをかけ、品質本位の本みりんを製造し続けています。