スプリングバンクからグロブストリートを歩いて10分ほどの所にグレンガイル蒸留所にある。 グレンガイルの創業は1872年で、ミッチェル家のウィリアム。ミッチェルが羊のことで兄弟ともめ、袂を分かって自分の蒸留所を建てたのが始まりという。

しかし生産していたのは1925年までで、その年に閉鎖、残っていた樽のストックはすべてオークションで売られてしまった。その後建物はキャンベルタウンのライフル協会にリースされ、射撃場として使われたり、1970年以降はキンタイア農業組合の倉庫兼ショップとして利用されたりした。

そのグレンガイルの75年ぶりの復活を決めたのはヘドレー・ライト氏。彼は
スプリングバンクの現経営者で、グレンガイルを創業したウィリアム・ミッチェルの3代目の甥にあたる人物。2004年3月に再びポットスチルからニュースピリッツが流れ出た。


麦芽はスプリングバンクと同じで、フェノール値は約8PPM。麦芽粉砕機はクレイゲラキ、ポットスチルはベン・ウィヴィスの中古で、それ以外は新品という。ベン・ウィヴィスはインバーゴードン・グレーン蒸留所内にあった小さなモルト蒸留所で、1977年に閉鎖になっている。

蒸留所名はグレンガイルだが、名前は
「キルケラン」。キルケランとは地もとの聖人、セント・ケアランの教会を意味している。「グレンガイル」は他社が商標登録しているため使用できなかったとか。