勝田商店|
熟成ワインの魅力に迫る
ワインの熟成と魅力
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ワインは時間が経過することよって香りや味わいが複雑に進化する、まるで生きているかのようなお酒で、2つとして同じ味わいのない複雑な熟成感を楽しむことが出来るところが魅力です。ゆっくりと熟成されピーク(飲み頃)を迎えたワインはキノコやナッツを思わせる複雑な香り、絹のようななめらかな口当たり、長い余韻を持ち合わせ、若いワインでは決して味わえないような特別な感動を得られるでしょう。
熟成されていた間の時間を味わえるようなワインの魅力、一体どのような変化を遂げるのでしょうか。
熟成による変化
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色
若いうちは輝きのある明るい色をしているワインですが、熟成することによって徐々に生き生きした色合いが落ち着き褪せたような色調へと進化を遂げます。
白ワインは、グリーンがかった淡い黄色、レモン色、麦わら色、黄金色、トパーズ、アンバーと変化し、赤ワインは、紫がかった赤色、ルビー、バラ色、ガーネット、レンガ色、マホガニーへと変化します。
フランスでは熟成による色の変化を「葉や花の色(淡い黄色、紫)に始まり大地や自然の色(主に茶色)に戻っていく植物のサイクルのようだ」と言われます。
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香り
ワインは熟成する工程の中で、若いうちには無かった芳醇な香りを作りだし、これらは第三アロマ(ブーケともいう)と呼ばれます。
白ワインではキノコ、ナッツ、干し草、はちみつなどの香り、赤ワインからはドライフラワー、紅茶の葉、トリュフ、レザー、森の下草などが挙げられます。
また澱と一緒に熟成した白ワインやスパークリングワインなどには、ブリオッシュ、はちみつ、キノコのような深みのある香りが、樽熟成したワインは、バニラやクローブなどのスパイス、チョコレートやトーストのようなワインに奥行きを与える香りが現れます。
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味わい
存在感のあったタンニンが丸く滑らかな舌触りに変化し、生き生きしていた酸味も和らぎ、全体的に趣きのある落ち着いた印象になります。口内で香りが開き味わいと合わさることによって余韻もとても長くなり芳醇な後味も楽しめます。
熟成に向いているワインとは
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ワインの熟成には、酸味、タンニン、色素成分、アルコール、残糖が必要と言われ、どれだけ多いかが長期熟成の鍵となります。例えば赤ワインならボルドー地方のようなタンニンが豊富で色素の濃いカベルネ・ソーヴィニヨン種からできたフルボディタイプのものや、イタリアやアメリカのアルコール度数の高い力強いワインは熟成に向いています。
また酸味の高いピノ・ノワール種のようなワインも上品な熟成を遂げます。白ワインでも生き生きとした酸味があるものや残糖度の高いワインはしっかりと熟成する可能性があります。一般的に出来が良かったとされるグレートヴィンテージのワインは20年、30年の熟成にも耐えることができ、官能的な香り、芳醇で忘れられない味わいを楽しめるでしょう。
またグランクリュと呼ばれるような畑でできたブドウは素晴らしい熟成ポテンシャルのあるワインを生み出し、30年を超える熟成を楽しむことができます。
熟成ワインの美味しい飲み方
ハイ・フィル
瓶詰め時のワイン充填レベルです。比較的若いワインに多く見られます。10年以上経過したワインがこの液面レベルであれば全く問題ありません。
イントゥー・ネック
熟成年数によらず、理想的な液面レベルです。10年以上経過したワインがこのレベルであれば問題ありません。
トップ・ショルダー
15年以上経過したワインは、通常この液面レベルです。
アッパー・ショルダー
20年以上経過したワインについて、通常見られる液面レベルです。
ミッド・ショルダー
30年以上経過したワインについて、通常見られる液面レベルです。
ブルゴーニュ産ワインについて
ブルゴーニュ産ワインはボルドー産ワインのような液面レベルによる表示は通常ありません。
ただし、表示したほうが適当と判断した場合には、コルクと液面の間を測定し、ミリメートル単位で示します。
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熟成ワインに関するよくある質問を
ソムリエに相談(Q&A)
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自宅でワインを熟成させることはできる?
ご家庭でワインを保管する場合、出来ればワインセラーに入れて熟成するのが理想的ですが、もしない場合は静かで涼しい場所、例えば地下室や床下収納庫などに横にして並べます。
ワインの保存には「温度・湿度・静かな場所」が重要でなるべく静かで、他の匂いの少ない場所で熟成を楽しみましょう。 -
ワインが熟成しているかどうかはどうやって見分ける?
ワインを注ぎグラスを傾け、ワインの色調を透かしてみます。
しっかりと凝縮した一様な色調ならまだ比較的若め、内側から外側にかけきれいなグラデーションをおび、少し褪せたようなニュアンスの色調が見えれば熟成しているサインです。 -
白ワインも熟成するの?
白ワインは赤ワインに比べタンニンや色素成分が少ないですが、しっかりと熟成します。
酸味や糖度の高いワインは長期熟成に向いていますし、樽熟成をしたワインは樽からの香りや複雑味を堪能できるでしょう。 -
熟成ワインを飲む際に気をつけるポイントは?
ワインのコルクが熟成とともに脆くなっている可能性があるので、注意してそっと抜栓するようにしてください。
また特に赤ワインは澱がある場合が多いので数日間ボトルを立てておき澱を沈めてから抜栓します。
開栓後は空気と触れ合うことにより繊細なワインが徐々に劣化し始めるので、できるだけ早め、その日中に飲まれることをおすすめします。 -
熟成ワイン・シャンパーニュの自宅での楽しみ方とは?
熟成ワインをご家庭で楽しむ際はぜひ普段のお料理にソテーしたキノコを添えてアレンジしてみてください。ワインの熟成香を引き立ててくれるでしょう。
他にも豚肉や牛肉を煮込んだ料理や熟成ハム・ソーセージや、熟成チーズとも一緒にお楽しみいただけます。
またパーティやお誕生日、お祝いなど特別なお食事の機会には、フォアグラやオマール海老のクリームソースと合わせて至福の時間をお過ごしください。
記事を書いた人
ソムリエ 細川聖香
1982年愛知県出身。名古屋マリオットアソシアホテルにて勤務後、2012年に渡仏。2015年パリにてフランスソムリエ国家資格取得、ル・グラン・ヴェフール、ル・ロワイヤル・モンソー、プランス・ド・ガール、ル・ジュール・ヴェルヌなどの星付きレストラン・ホテルでの勤務後、2022年よりフリーランス・ソムリエ。2019年A.S.I.(国際ソムリエ協会)認定ソムリエディプロマ取得。2021年コンクール・ルイナール・ソムリエ・チャレンジ・フランス大会優勝。2023年コンクール・マスター・オブ・ポルト(フランス)ファイナリスト。