ハタ貴金属

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2021.9.30

ラコについて

「Laco」のロゴマークをオリジナルパイロットウォッチの文字盤に配したシリーズ ”PILOT Aachen42”

ドイツ空軍への納入

Laco (ラコ)は、1925年、フリーダ・ラッハー(FRIEDA LACHER)とルードヴィッヒ・フンメル(LUDWIG HUMMEL)によってドイツ プフォルツハイム(フォルツハイム)にLacher&Coという名前で設立されました。
ラコの名の由来は、この「Lacher&Co」の頭文字をとって、「Laco」とされました。


1933年にルードヴィッヒ・フンメルが、エボーシュ専業メーカーとしてDurowe(ドゥローヴェ) を設立。
Duroweは”Deutsche Uhren Roh Werke”を縮めた名前です。
このことによりLacoはDuroweと共にスイスの製造業者から完全に独立することを目指し、独自の時計ラインを生産するという新たな目標を掲げ、着実に成長を続けました。

第二次世界大戦時には、優れた精度・品質が認められ、ドイツ空軍のパイロットウォッチを製造・納入するまでになりました。
当時、ドイツ空軍へナビゲーションウォッチの納入を認められたメーカーは、Laco、IWC、A.ランゲ&ゾーネ、ストーヴァ、ヴェンペの5社だけでした。

目印になるような物が存在しない空の航行には、位置の測定が不可欠でした。
GPS衛星や電子時計など、位置測位のための技術がまだ未発達だった時代には、太陽や月、星々を見て位置を推測していました。
何時に何がどの角度で見えたか、この情報の積み重ねで位置を推測できるのです。
そして、時間を測って自分が進んでいる速度がわかれば、目的地までの距離と時間も見積もることができます。
進んだ距離と方角を正確に知るためには、信頼できる時計が必要でした。
パイロットにとって時計の精度は命にかかわるものでした。
そんな時代に、ドイツ空軍にナビゲーションウォッチの納入を許されたことは精密さの証だったのです。

パイロットウォッチに特化

Lacoのコレクションの代名詞ともいえるパイロットウォッチは特化した使用目的のために製作されていたため、デザインも独特の様相を呈しています。
・文字盤の上下をすばやく認識できる12時位置の三角形のマーク
・パイロットが分厚い手袋をしたまま操作できる大型のリュウズ
・夜間飛行時にも耐えうる針やインデックスの蛍光塗料(現行モデルはルミノス加工)

いくつかのナビゲーションウォッチモデルには、航法計測機器に分類される「FL23883」という当時の機密記号がケースに刻印されています。
また、服の上からでも時計を着脱できるオーバージャケットストラップに、頑丈なリベットつきのレザーベルト。
こういった外装品にも独特なデザインの仕様がみられます。

パイロットの操作性を重視した作りに時代背景を感じさせます。


FL23883のFLはFLIEGER UHR(空軍時計)の略で、当時ドイツ軍の中で空軍は23軍であったことからFL23とつけられています。
また883はメカやキャリバー径によってナンバリングされており、883はLacoのものを示しています。
Lacoのルーツと言えばやはりこのBウォッチ(B-UHREN)と呼ばれるナビゲーションウォッチです。
実際のBウォッチはケース直径55mmと大型でしたが、現行モデルには、オリジナル パイロットウォッチ(文字盤にLacoのロゴがないシリーズ)のコレクションなら直径39mmから、パイロットウォッチ(文字盤にLacoのロゴを配したシリーズ)のコレクションなら直径36mmからと日常生活に違和感なく使用できるケース直径サイズのモデルもあります。

今年の秋冬はBウォッチをコーディネートに取り入れてみてはいかがでしょうか。
Bウォッチには2種類のデザインの文字盤が存在しますが、秒と分の視認性を重視した、分表示が大きいデザインが個人的には好きです。

”PILOT Aachen42 Blaue Stunde” 日の出前と日の入り後、空が濃い青色に染まる時間帯を文字盤で表現


Author:林 泰行
株式会社ハタ貴金属
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