ハタ貴金属

WATCH

2021.9.30

エベラールについて

伝説のドライバー「タツィオ・ヌヴォラーリ」に捧ぐモデル ”31036.5"

1887年創業の老舗時計メーカー

EBERHARD&Co(エベラール)は、1887年にジョルジュ・ルシアン・エベラール氏によってスイス ラ・ショー ・ド・フォンに設立されました。

最初のクロノグラフは懐中時計でしたが、1919年に当時の最先端の腕時計クロノグラフを製造し、1935年には2つのプッシュボタンを備えた当時としてはまったく前例のないクロノグラフを発表しました。
1938年にアワーカウンター、 1939年にはスプリットセコンド機能も導入され、1940年代に同社の最も代表的なコレクションであるスライド式プッシュボタンを備えた「エクストラ フォルト」を発表しました。
1960年代にはエクストラ フォルトと同様に現在も愛好家を魅了する「コントグラフ」を発表しました。

その後も1970年代のクォーツショックを乗り越え、1997年の8日間のパワーリザーブインジケーター(特許取得済み)を備えた「8デイズ(ジュール)」や2001年のダッシュボードから着想を得て、文字盤に1列に配置された4つのカウンターを備えた「クロノ4」など、革新と伝統を組み合わせた個性的なモデルを発表しています。

イタリアとの繋がり

エベラールのクロノグラフは、1930年代、イタリア王立海軍の将校が手首に着けていました。
1969年にエベラールはイタリア人一族が所有するスイスのブランドとなり、1986年発表の「クロノマスター フレッチェトリコローリ」は、以来、世界で最も有名な曲技飛行のすべてのフライトに参加しています。
また、イタリアの伝説的なカーレーシングチャンピオンである「タッツィオ・ヌヴォラーリ」に捧げられたコレクションを発表するなど、イタリアとの結びつきをより強固なものとしています。

日本での知名度はまだまだといったところですが、日本と同様にロレックスが好まれるイタリアでは圧倒的な支持を受けていて、全生産量の70%はイタリアで販売されているとか。
1996年にフィアットグループの会長であり、ユヴェントスのオーナーでもあった故ジャンニ アニエッリ氏が、エベラールのトラベルセトロをシャツのカフスの上から巻き、観戦している姿がVOGUEの表紙になったことで注目され、その後のビッグフェイスの腕時計ブームの火付け役になったと言われています。

また、エベラールはジャンニ アニエッリ氏が生涯愛した時計としてもよく知られています。
日本でもこうした記事がメディアに掲載され、BEAMSやSHIPSなどのセレクトショップで展開されはじめ、ファッションに敏感な方から広まっていったように思います。

余談ですが、私も当時この時計をシャツのカフスの上から巻く「オーバー・ザ・カフ ウォッチ」をマネてみましたが、風格が違い稀代の伊達者とはいかなかったことを記憶しております。

1940年代に発売されたクロノグラフモデルのエクストラフォルト ”31952.1”

”通”な時計をお求めの方に

1990年代に本格化した機械式時計が復活してから、エベラールのような個性的な時計ブランドが大手ラグジュアリーメゾンに買収されていく中、エベラールはその個性とスタイルの貴重なエレガンスさにおいて、独立した精神を維持することに取り組んできたと言えます。

流行やブランドの知名度に左右されない天邪鬼な方には、是非とも選択肢の一つに加えていただきたいブランドです。
また、2021年8月1日に日本でのディストリビューターの変更もあり、日本でのこれからの展開が楽しみなブランドの一つでもあります。



Author:林 泰行
株式会社ハタ貴金属
MAIL:jw-hata@shop.rakuten.co.jp
お気軽にご相談くださいませ。