ハタ貴金属

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2021.9.30

ベルテについて

AGILIS NOIR “BR.AGL.43.BK.S.L” 12時位置にあるレトログラードとケース側面のコインエッジがポイント

フランスらしい上品なデザイン

BERTHET(ベルテ)は、ジョセフ・ベルテが1888 年にフランス東部、スイスと国境を接するシャルモヴィエで創設した懐中時計の工房にさかのぼります。

1893 年にブザンソンで開催された時計産業見本市で、銅メダルを受賞。
これを機に独自の時計ブランドとしての地位を確立しました。

1950年代にはジョセフの孫である3代目クロード・ベルテが最新の工作機械を導入し、ケースの大量生産を可能にしました。
また、より複雑で洗練された機械式ムーブメントを開発、製造をすべく設計オフィスをヴィレ=ル=ラックに創設するなど、ベルテに新しい時代を築きました。

その後、1980年代に入ると4代目のピエール・ベルテが製造ラインの自動化やコンピュータ制御された工作機械を導入しながら同時に彼は伝統的な製造機器も継承をしてきました。
現在も50-70年前の工作機械をメンテナンスしながらケースやパーツを製造し、エングレイビング(刻印機)も100年前のものを使用しています。

伝統的な製造機器は大切にメンテナンスされ現在でも使用されています。

ムーブメント一貫製造のマニュファクチュール

20世紀後半はクォーツショックなどの影響により多くの時計ブランドが休眠状態に陥りましたが、ベルテは一度も途絶えることなく荒波を乗り越え、さらにムーブメントを一貫製造できるマニュファクチュールとして発展しました。

現在はピエール・ベルテと共に5代目のウィリアム・ベルテが経営に加わり、ケースと機械式ムーブメントのコンポーネントおよびコンプリケーションやスケルトンのムーブメントを製造し、懐中時計と腕時計の自社ブランドの時計を製造することに加え、他の多くの企業に供給しています。
シャルモヴィエでケースとムーブメントのコンポーネントが製造、処理され、ヴィレ=ル=ラックでは主に組み立てが行われています。

ベルテの自社製のムーブメントは懐中時計用に開発されたETA/Unitas 6497(オープンフェイスまたはレピンタイプ)と、6498(ハンターケースまたはサボネットタイプ)に基づいて設計された、16 1/2ligne (直径約37mm)の大きな機械式の手巻きムーブメントです。
時、分、秒(スモールセコンド)の表示機能と、振動数21600振動/時 (3Hz)、17石、エタクロン緩急針、パワーリザーブ48時間の技術的な特性を持ち、分割されたプレート(受け)には、コート・ド・ジュネーブの装飾が施されています。
大きさ故のゆとりと安定性があるこのムーブメントは、調整と修理が非常に簡単で、その堅牢なつくりは自社製のコンプリケーションウォッチやスケルトンウォッチのベースムーブメントになっています。
また、3/4プレート、スワンネック緩急針を備えた、より堅牢さと安定性が増したハイエンドな仕様のムーブメントもあります。

伝統的な製造機器は大切にメンテナンスされ現在でも使用されています。

EPVラベルの授与

2017年、ベルテはフランス政府が認めるEPV(無形文化財企業)ラベルを授与されました。

EPVラベルは、フランス政府が優れた工業・手工業の企業に対して発行するラベルです。
有効期間5年として、伝統工芸を伝承・推進する優秀な企業に対して発行されます。
また、優れた「Made in France」を保証するものです。
その選考は、高度な技能を身に付けた企業、伝統を継承する企業、地域に根付ざした企業を基準としています。
エルメス、ショーメ、バカラや時計ブランドのぺキニエもEPVラベルに認定された代表的な企業です。

ベルテの時計は、フランスの時計史における典型的なエレガントなスタイルとマニュファクチュールとしてのベルテ家の遺伝子を完璧に組み合わせた、フレンチ タッチなデザインと質実剛健なつくりを兼ね備えています。
また、「美しくても手の届かない価格」の時計ではなく、「美しく手の届く価格」の時計を製造することを信条としています。
手の届く価格帯で、シックなスタイリングと合わせて、機械式時計の楽しさを感じていただけると思います。


Author:林 泰行
株式会社ハタ貴金属
MAIL:jw-hata@shop.rakuten.co.jp
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