日本ではシラス漁は毎年12月から4月までの期間に行われますが、インドネシアでは1年を通してシラス漁が行われます。
ジャワ水産から500mほど東にある河口は、ジャワ島随一のシラス漁獲地です。この川で採れたシラスはジャワ島全域の養殖場に運ばれて養殖されます。
採れたシラスはその日のうちにジャワ水産のシラス池に運ばれます。そこでシラスの中に混じっている色々なうなぎのシラスの中から成長が優良で健康な種だけを選別して残りは元の河口に帰します。インドネシアには世界に19種類のうなぎが生息しているといわれる内の16種類が生息していますので、捕れたシラスの中にも様々な種類のシラスが混じっています。インドネシアでは、ほとんどの養殖業者はシラスの選別をしませんが、ジャワ水産の場合、日本向け輸出を主業としていますので日本の嗜好に合わせるためにパシフィカ種のみを養殖するため、シラスの選別は重要な作業となります。
その後、専任担当者が約2週間泊まり込みで餌付けを行います。天然シラス=野生ですから、生息環境が激変し、人があげた餌は警戒してすぐには食べません。オキアミやイカを練った人工飼料を少しづつシラスの様子を見ながら与えていきます。人工餌に慣れてきたら次第に魚の白身や赤身を主原料とした餌に切り替え、成長を促進します。
ジャワ水産では、鹿児島の大隅地区の養殖方法を元に養殖をしています。大隅地区の養殖池はコンクリート池で、池底もコンクリートであり、ジャワ水産も同じ方式の池であるため、同じ方法をとっています。宮崎や愛知県一色地区の養殖池は周りの壁はコンクリートですが池底は泥底で、その上に砂利を敷いて養殖しています。大隅方式はうなぎの成長過程で何度も池からうなぎを選別して大きさを揃えることが特徴ですが、ジャワ水産でも約55日ごとに選別を行います。成長が早く大きいうなぎと成長が遅く小さいうなぎでは大きさに倍近い差が出てしまい、けんかをしてけがをしたり餌を食べるときに押しのけられたりして小さいうなぎが成長できなくなってしまうのを避けるためです。ジャワ水産では蒲焼きに加工するまでに9回選別を行いながら0.16gのシラスから330gの成鰻になるまで育てます。
大きくなったうなぎは加工前に3日間、清水掛け流しの出荷用池に移して餌抜きをします。日本では黒いプラスチックの樽に入れて積み上げて上から清水を落とす工程を泥抜きと言いますが、同じような工程です。
ジャワ水産のうなぎは餌に魚油を混ぜませんので特有のニオイはありませんが、内臓を綺麗にすることと、加工時の大きさを揃えるために行っています。
まず皮を上にしてギザギザのついたローラーで皮に細かい切れ目を入れます。
これは焼くときに皮が泡状に膨れて焦げるのを防ぐためです。
次に上からバーナーで30分ほどかけて焼いていきます。黒かった皮の色が灰色に変わって皮に開けた切れ目から肉汁と一緒に少し泡が出てきたら丁度良い焼き加減です。
肉側はうっすら茶色に焼けます。
次に蒸し工程で120℃のスチームを吹き付けながら約12分間蒸します。この工程で、焼いたときに縮んで固くなったうなぎはふっくらと柔らかくなります。
白焼き時にうっすらと表面に浮いていた余分な脂も蒸し工程を経て丁度良い脂の状態になります。
今度は身を上にしてタレをくぐらせ、上から遠赤外線で焼いていきます。ジャワ水産では、4回タレ漬けをしながらそのたびに焼きを入れ、中はふっくら外はカリッとなるように細心の注意を払いながら焼いていきます。仕上がり段階では何回も抜き取って試食をしながら焼き加減の調整を行います。こんがり、たまり醤油色になり、あのうなぎ屋さんの煙のにおいがするのでたまりません。この段階で細菌などの自主検査を行います。
アツアツの蒲焼きを45℃まで冷ましたあと、次にトンネルフリーザーを通ってマイナス45℃で急速凍結されます。ジャワ水産では通常蒲焼き工場で使用されるスパイラルフリーザーではなく、最も急速に凍結できるとされるトンネルフリーザーを使用しています。
急速冷凍でおいしさをそのまま保ちながらお客様の食卓にお届けすることが出来ます。
マイナス45℃の蒲焼きを手早く真空パックにしておいしさを閉じ込めます。
全自動蒲焼き機からトンネルフリーザー、真空パック機、メタルチェッカーなど全ての加工機器は信頼の日本製品を使用しています。
急速冷凍された製品は、手早く検査機器(メタルチェッカー等)を通してパッケージングされます。
このときに製造年月日やどの池で養殖されたか、タレはどの種類か、加工形態はどれか、サイズやシリアル番号を打刻・記録されて保管されます。
いよいよ日本に向けて輸出する手続きを行います。
インドネシアでは全ての輸出水産物は海洋水産省の検査証明を受けないと輸出できません。加工食品の場合、HACCP認証の無い工場の製品は輸出を許可されません。もちろんジャワ水産はHACCP認証工場です。輸出の都度製品を政府指定検査機関に持ち込んで衛生証明書を取得して輸出許可を得て、はじめて輸出が可能になります。日本向けのコンテナ船を手配して出港3日前にジャワ水産に冷凍コンテナが着き、製品を積み込みます。最終検査を得てコンテナに海洋水産省の封印ピンが施されたらいよいよ出港です。
約2週間から4週間(船の経由地によって期間が変わります)後に日本の港に冷凍コンテナが到着します。税関を通る前にまず厚生労働省の輸入食品検査が行われます。ここで様々な細菌検査などが行われ、合格すると輸入食品等試験成績証明書が交付され、税関にその旨を申告すると関税や消費税を示され、納付すると輸入許可通知書が交付されます。
輸入した製品は、港の冷凍倉庫に冷凍コンテナを搬送し、種類別に整理し保管します。お客様からのご注文を受けた時点で隣接したピッキングヤードで個別梱包して運送会社に手渡し、お客様のご家庭に配達されます。
以上6つの流通工程を私たち栄屋トレーディング(ジャワ水産)は、他の会社を介さずに行っています。シラス採取からご家庭へお届けするまでにおおむね2年間を全ての工程に責任をもって仕事をしています。製品の検査は、自主検査1回、国家検査2回と、3回の検査を受け、合格したものだけが皆様の食卓にお届けできます。うなぎ資源の宝庫と言われるインドネシアから、いかにしておいしいうなぎ蒲焼きを安心・安全にお求めやすい価格でお届けできるかに取り組んでいます。是非ジャワうなぎ®をご賞味ください。