MISSION

冷蔵庫には主な冷却方式が2種類あります。
一つは「ペルチェ式」、もう一方は「コンプレッサー式」。
失敗しない車載冷蔵庫の選びのために、冷却方式を理解することが大切です。

ここでは、2つの冷却方式の違いについて解説していくとともに、「コンプレッサーが優れている」ことを説明しています。

具体的にお伝えしたいことは、以下の2つです。
コンプレッサー式が、

1.トータルでかかる費用が安く抑えられる場合が多い

2.ペルチェより何倍も高い冷却パワーで、冷蔵から冷凍までしっかり対応可能

この記事では主に、以下四つパーツで「ペルチェ式」と「コンプレッサー式」冷蔵庫の冷却方式の違いに関して説明しています。

ペルチェ式冷却   コンプレッサー式冷却

車載冷蔵庫の冷却性能   車載冷蔵庫の消費電力

ペルチェ式冷却

ペルチェ式冷却原理

ペルチェ式冷却とは、電流を流した半導体( ペルチェ素子 )によって庫内で吸収した熱を庫外に移動させて冷却する方式です。

ペルチェ素子は電流を流すと熱を吸い上げて放出する性質を持っていて熱が移動する為冷蔵庫内が冷やされますこれを「ペルチェ効果」と呼びます。

ペルチェ式冷却について

PELTIER TYPE

ペルチェ式冷却図

 

ペルチェ式冷却図

【 ペルチェ素子 】

ペルチェ式冷却図

【 ペルチェ素子断面図 】
冷却の仕組み

ペルチェ素子は、一方が吸熱(冷却)され、もう一方が発熱するという仕組みになっています。
ペルチェ素子に直流電流を流すことで冷却します。電気の量を調整することにより、急速な温度変化なくゆっくりと設定温度まで下げ、庫内を安定した温度に保つことができます。
また、圧縮機のような駆動部( ポンプ・モーター )がないので騒音や振動もありません。

*製造は日本国内ではありません。

ペルチェ式冷蔵庫の特徴

・動作音、振動が小さい
・連続稼働時間に上限がある(物もある)
・ペルチェ素子自体の発熱量が大きく、冷却力はあまり高くない

ペルチェ式の冷却方法
ペルチェ式 と ヒートパイプ

【 冷蔵庫背面 】

ペルチェ式

【 庫内上面図 】
冷却の仕組み

図のペルチェ素子で庫内の熱を吸熱し、庫外へ放熱します。( これにより、庫内を冷却しています。)
その際に「ヒートパイプ」を併用することで、放熱を促進します。

駆動部品を完全に排除し、無音・無振動に近い状態を維持できます。

コンプレッサー式冷却

コンプレッサー式冷却原理

コンプレッサー式は家庭用冷蔵庫と同じ方式で冷媒をモーターで動かし気化熱の原理を利用した冷却システムです。

電動のコンプレッサー(圧縮機)を使って冷媒ガスを圧縮。圧縮することで高温高圧になったガスが凝縮器を通ることで液化。膨張弁を通り圧力が下がり再びガスになり、そのときの気化熱を使って冷やす冷却方法です。

冷却ガスを圧縮して循環させることで、最低-26℃にまで、急速に冷凍する。 車内の温度に影響されにくく保冷ではなくきちんと冷蔵が出来ます。

冷凍温度は-20℃以上が目安です。

コンプレッサー式冷却図

【 冷凍庫断面図 】

コンプレッサー式冷却図

【 冷凍庫背面 】

A : コンデンサ
B : エバポレータ
C : ピストン
D : モーター
E : 潤滑油
F : キャピラリチューブ


: 圧縮されて高温・高圧になった冷媒ガス
: 常温・高圧になった冷媒液体
: 低温・低圧になった冷媒液体
: 低温・低圧になった冷媒ガス

コンプレッサー式冷却の仕組み

コンプレッサー [ 図C,D,Eで構成 ] で低温低圧の気体の冷媒を圧縮します。
このとき、冷媒は高温高圧の気体になります。

高温高圧になった冷媒をコンデンサ [ 図A ]( 放熱器・凝縮器 )に通すことで、庫外の空気中に放熱*して常温高圧の液体にします。コンデンサの多くはセラーの側面や背面に取り付けられています。
* 冷凍庫の据え付けに放熱スペースが必要なのはこのためです。十分な放熱スペースがないと、せっかくの冷凍庫が本来の冷却性能を発揮できないおそれがあります。

冷めた液体の冷媒をキャピラリチューブ [ 図F ]( 減圧機 )で減圧して低温低圧の液体とし、冷蔵庫の庫内に設置されたエバポレータ [ 図B ] ( 蒸発器、気化器 )で気体にします。このとき周囲の熱を奪う**ことにより庫内を冷却します。
** 蒸発熱、いわゆる「気化熱」のことです。アルコール消毒液や打ち水などが例としてよくあげられます。この仕組みを応用して冷却しています。

低温低圧の気体になった冷媒は再度コンプレッサーに戻ります。これで1サイクルです。このサイクルを繰り返し、庫内を冷却します。

コンプレッサー式冷蔵庫の特徴

・ペルチェ式より稼働音が大きい。
・冷却性能が非常に高いため、消費電力を抑えられる。
・冷却効率がいいため、無理な長時間運転がなく寿命が長い。

車載冷蔵庫の冷却性能

ペルチェとコンプレッサーでは全然違う「冷える」

デバイスタイルでは冷凍庫に対しても、徹底的な冷却性能評価を実施しています。私たちは厳しい品質管理体制を確立し、安定した品質レベルを維持・管理し、継続的品質向上に取り組んでいます。

1.ペルチェ式は外気よりちょっとしか冷やせません。

ペルチェ式の冷蔵庫は冷却能力に限界があり冷凍まで対応するのは難しいです。
外気に左右されるので特に夏場では、「全然冷えない」なんてことになるかもしれません。
ペルチェ素子が熱を発する中で、この熱を逃がすのに排熱ファンが付いています。
内部を5度下げるのに排熱が15度上がる為熱の交換効率が悪くなりがちで気温の高い夏は特に影響を受けてしまうのです。

2.コンプレッサー式の冷蔵庫は冷蔵から冷凍までしっかり対応可能です。

コンプレッサー式冷却の最大の特長は、冷却能力が大きく、エネルギー効率が高いことです。
冷却ガスを圧縮して循環させることで、最低-26℃にまで、急速に冷凍する。また庫内を冷却するためにアルミ+銅製の熱交換器(コンデンサー)を備え、運転中の熱を効率的に放熱するという。室内温度が25℃の場合、最低温度の-22℃に下げるための時間は約60分という。

恒温室での冷却性能試験
車載冷蔵庫の消費電力

車載冷蔵庫に掛かる『トータル費用』

電気代について

ランニングコスト

コンプレッサー
コンプレッサー
コンプレッサー

ペルチェ式のは冷却効率が悪く冷えるまで時間がかかるので,多くの電気を消費してしまいます。
代わりに、コンプレッサー式の熱交換の効率が良くよく冷え更に省エネです。

電気代は1日あたり約30円程度

運転モードは冷却速度の速い「MAXモード」と、省エネ・節電ができる「ECOモード」の2種類があります。MAXモードで約45W、ECOモードで約36Wと1泊2日で使うにしても消費電力の高さが目につきます。
車載冷蔵庫の消費電力は設定温度によっても変わりますが、多くは1時間あたり36~60W程度です。以下、消費電力50Wの冷蔵庫を24時間連続運転した場合の電気代を算出します。
50(W:1時間あたりの消費電力)×24(h:時間)÷1000(単位を揃える)×27(円:1kWhあたりの電力量料金)=32.4(円)

連続稼働時間に上限が特にない

消費電力は同じに見えてもコンプレッサー式は、ON、OFFを繰り返し省エネです。
対してペルチェ式は基本的に冷やしている間は常に稼働している為、多くの電力を消費してしまいます。
ペルチェ式は冷却能力が劣るので、稼働時間でカバーします。
一般的に外気温より15度下げるだけで、保冷といったイメージです。
対してコンプレッサー式は外気に左右されず、冷やす性能が格段に上なので車中泊やキャンプなどの人におすすめします。