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テープの選び方

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テープの選び方 マスキングテープ編

はじめに

マスキングテープ近代の粘着テープの始祖は、包帯留めと言われています。その後、工業用途に広く使われ始めたのは、自動車塗装のマスキングです。現在では塗装・メッキ・保護などマスキングの用途は多岐に渡り、それだけ各社とも多くの製品を販売しています。塗り分けではマスクした部分に綺麗なラインが求められ、耐熱用途では糊残り無く剥がせる事が要求されます。
様々な期待に応える余り、選べないほど多種多様な製品が出来てしまったので、ここでは製品の特長と主な用途をご紹介します。

選ぶ際のポイント

基本的には、どの製品も塗装マスキングに使用可能です。また、"使用後は剥がす"と言うマスキングテープの宿命上、仮固定にもお使い頂けます。
全般的に安価な製品が多く、メモ用紙代わりや配線の結束にも適しています。また、個別の特徴として主に下記の点が挙げられます。

基材材質 曲線への追従性、耐熱性など。材質は価格に大きく影響します。
基材強度 剥がす際に千切れないか、ブラスト工程に耐えられるか。
粘着剤 粘着力の強弱、被着体への攻撃性、加熱後の粘着力上昇。
耐熱性 焼き付け・ハンダマスキング後に、糊が残らず剥がせるか(基材と粘着剤の複合性能)。
厚さ 塗料が溜まったりスプレー時に影が出来ないか。

各製品の特徴

本項では、住友スリーエム製品について、特徴と来歴を簡単に記します。

●クレープ紙基材
表面にシワがある紙のため、柔軟性に優れています。
耐熱温度は、綺麗に剥がせる限界温度とお考え下さい。

200 耐熱性を必要とされないマスキング、仮固定用途に適しています。
ST210 粘着力が非常に弱く、紙の仮固定、メモ代わり、表面保護に使えます。ドラフティングテープとも呼ばれます。耐熱90℃。
214-3MNE 耐熱190℃。ハンダマスキング用。高温の鉛フリーハンダが主流になり、ポリイミドテープにその座を譲りつつあります。
217J 耐水・黒色。自動車製造過程で必要な開口部を最終的にシールするために開発。耐熱120℃。
230 粘着力が非常に弱く、紙の仮固定、メモ代わり、表面保護に使えます。ドラフティングテープとも呼ばれます。
232 そこそこの耐熱性と粘着力と価格。特長が無い半面、何にでも使えます。塗装マスキングや仮固定用途に。耐熱90℃。
235 黒色。写真フィルムの乳剤面を傷めない粘着剤を使用。用途はそのまま、写真フィルムの仮固定に。
247N 赤・黄・青・緑・白と各色有り、色分けからマスキングまでこなします。粘着力はやや強め。耐熱90℃。
2142 214-3MNEよりも糊残りしにくく、粘着力はかなり弱い。プリント基板のマスキング用途に。耐熱190℃。
2305 2142よりも更に弱粘着。加熱後も粘着力が増大しにくい。耐熱塗装マスキングなどの用途に。耐熱120℃。
2307 弱粘着。塗装マスキング・仮固定・配線結束などの用途に。
2900V ホットエアレベラーと呼ばれる、加熱空気で余分なハンダを吹き飛ばす工程用のマスキングテープです。

●平面紙基材
和紙テープとも呼ばれる表面が平滑なテープ。クレープ紙よりも安価ですが、勢いよく剥がすと途中で切れる事があります。

※関連製品 >> 建築用マスキングテープ

241 高耐熱かつ強粘着。150℃/hまたは260℃/15秒。塗装からハンダマスキングまでお使い頂けます。
243J 現場作業に適した1インチ紙管・18M巻き。クリアー塗装面を侵さないので、自動車などの焼き付け塗装マスキング用途に。
244 クリアー塗装面を侵さない粘着剤を使用。自動車の焼き付け塗装マスキングや仮固定用途に。
250 強粘着かつ、しっかりした紙基材を採用。結束やサンドブラストマスキング用途に。

●ポリイミドフィルム基材
デュポン社の商標名はカプトン。耐熱・耐寒性に極めて優れており、主にプリント基板のハンダ・メッキマスキング用途に使用されています。価格は紙基材に比べ高い。

5412 アクリル系粘着剤を採用。シリコーンが忌避される用途に。耐熱180℃。
5413 シリコーン系粘着剤を採用した、スリーエム ジャパンではスタンダードな製品です。耐熱260℃。
5413L 5413の剥離フィルム付きタイプ。耐熱260℃。
5419 5413の帯電防止処理タイプ。耐熱260℃。
5434 5413よりも糊厚を薄くした廉価タイプ。耐熱260℃。
7414 アクリル系粘着剤で耐熱260℃を実現。シリコーンが忌避される用途に。
7414L 7414の剥離フィルム付きタイプ。耐熱260℃。
7419 7414の帯電防止処理タイプ。耐熱260℃。

●ポリオレフィンフィルム基材
塩化ビニールに代わる塗装用マスキングテープです。
塗装時に美しいラインが作れるので、自動車業界を中心に採用されています。
柔軟性に優れていますが、塩化ビニール程の伸びはありません。

2850 焼き付け塗装用のマスキングテープです。塩化ビニールに比べて、加熱後の粘着力上昇を抑制しています。耐熱160℃。
2850L 2850の剥離紙付きタイプ。
一部の画像及び文章はスリーエム ジャパン株式会社のカタログ、ホームページより引用しています。
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